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商業・流通
4720
:
OS5
:2024/08/30(金) 15:25:01
https://news.yahoo.co.jp/articles/ed7486af726e9a95004407a3efd6dc4df413f84b
突然の破産 従業員ら困惑「こんな最後とは」 中三(青森・弘前市)
8/30(金) 9:00配信
Web東奥
店舗の片付けのため社員通用口から出入りするテナント関係者ら=29日午後6時50分ごろ、弘前市土手町
60年以上にわたり青森県弘前市のランドマーク的存在として愛されてきた老舗百貨店・中三弘前店。28日を最後に営業を再開することはなかった。突然の破産申請、閉店に取引があった業者やテナント関係者からは「支払いが滞っていた」「やっぱりか」との声が聞かれた。一方で、前触れなく解雇を通告された従業員らからは「頭が真っ白」「こんな最後になるなんて」と困惑が広がった。
29日は棚卸しのため出勤した従業員らだったが、朝礼で破産と解雇を告げられた。その後、同日中に私物を撤去するよう伝えられたという従業員らは両手を荷物でいっぱいにして午前11時ごろから次々に同店を後にした。涙を流す人や、「お元気で」「またいつか」と手を振り合う人たちの姿もあった。
取材に応じた中三の男性幹部は「(破産は)寝耳に水。事前の話は何もなく、現場は9月リニューアルの方向で進めていた」と悔しそうに話した。女性従業員は「みんな明日も普通に営業すると思っていた。こんなに突然、最後になるなんて」とうつむいた。
破産の連絡を受け、商品を引き揚げに来た卸業者は「去年から(中三からの)支払いが複数回遅れていた。催促しに行かないと支払われないこともあった」と憤りを見せ、「やっぱりなという感じはある」と話した。同店に菓子を納入していた山野隆治さん(45)も「今年4月ごろから、支払いが遅れるようになった。『そろそろ閉店かな』とうすうす感じていた」と諦めの表情を浮かべた。
飲食テナントの50代店主は「社長が存続へ努力していたのを見ていただけにつらい。先のことを言ってくれなかったことに不満はある」、別テナントを出店していた会社の代表は「突然の知らせでとても驚いている。市内で店舗の移転先を探すが、見つからなければ撤退もあり得る」とそれぞれ述べた。
相談体制整備へ/経済界
中三弘前店(弘前市)が閉店した29日、地元経済界からは落胆の声が上がり、取引先企業や従業員への相談体制を整える方針を示した。
下土手町商店街振興組合の成田尚三理事長(61)は「閉店のうわさもあったが、商店街で解決できる問題ではなかった。中三の閉店で土手町の集客力は落ちる。人が訪れたくなるようなイベントを積極的に企画し、魅力ある場所にしていかなければ」と語った。
弘前商工会議所の今井高志会頭は「長年にわたり弘前の中心市街地の顔として地域を盛り上げていただいただけに、残念でならない。取引業者の相談体制を整えるとともに、従業員、テナントスタッフの今後について、ハローワークや弘前市と情報共有していきたい」と文書でコメント。
弘前市の桜田宏市長は「関係機関と連携し、取引先企業や従業員への対応に努めてまいります」との文書を出した。
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