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商業・流通

4042チバQ:2019/11/04(月) 16:34:15
■“景観に溶け込む店”を増やしている理由

 スターバックスにとって、この建物は「当社の世界観とも強い親和性があるという意味で、面白いと思いました」と柳さんは振り返る。もともと同社は、店を自宅や職場や学校ではない「サードプレイス」(第3の居場所)と位置付けており、現在は基本思想に近いコンセプトを踏まえて、それぞれの立地に合わせて店を展開する。

 近年は、日本の各地域の象徴となり、地域文化を発信する店「リージョナル ランドマーク ストア」を地道に広げる取り組みにも力を注ぐ。2005年の「鎌倉御成町店」(神奈川県鎌倉市)が1号店で、全国に25店(2019年9月30日現在)ある。国内総店舗数1497店(同9月30日現在)の中では数少ないが、同社にとって重視する取り組みだ。

 歴史や文化の色づく地域の象徴として、例えば「京都二寧坂ヤサカ茶屋店」(京都府・京都市東山区)、「神戸メリケンパーク店」(兵庫県神戸市中央区)、「鹿児島仙巌園店」(鹿児島県鹿児島市)など各地に展開する。開業までじっくり取り組み、京都のように構想から実現まで約10年かかった店もある。ただし定義付けがされたのは2016年で、前記の3店もすべて2017年にオープンした。

 「弘前の地域性は意識していましたが、2014年当時は、景観への思いは現在ほどなかった。でも地域の歴史を学ぶうちに、弘前ならではの店舗にしたい、という気持ちが強まったのです(柳さん)

■地元の伝統工芸を取り入れるのも欠かさない

 古い建物とはいえ、前述のように保存修理工事を終えており、構造的な心配はなかった。ただし大幅な改築はできない。「例えば今回は立派な木組みの天井があったので、それを台無しにしないよう、細長いスリットを設けて吹き出し口を目立たないように入れています。細かなところで建物の意匠をくずさないよう工夫を凝らしました。改装や備品調達などを通じて地域文化を残すという作業は、担当していて楽しかったです」(柳さん)。

ソファの張り地には伝統工芸の「こぎん刺し」を用いた。麻布(あさぬの)に木綿糸を刺す、江戸時代から津軽地方に伝わる刺し子技法で、近くにある「弘前こぎん研究所」に制作を依頼した。郷土文化も主張しすぎずポイント使いにとどめ、全体調和を保っている。 店舗パートナー(従業員)は実際の使い勝手をどう感じているのだろう。

 「他の店に比べて棚が狭かったり、冷蔵庫が小さかったりする問題はありますが、建物の価値を尊重して使っています」と話すのは、アシスタント ストアマネージャー(副店長)の原麻沙美さんだ。今年6月に「青森ELM(エルム)店」(五所川原市)から異動した。

 「ショッピングセンター内にあるエルムは、買い物ついでに立ち寄る方が目立ちますが、弘前公園前店は、ここに来るのが目的の方も多い。季節によって、お店から見える風景も違い、ゆったりと過ごしていただける接客を心がけています」(原さん)

 過去には、パートナーが開発した独自商品「エスプレッソ抹茶フラペチーノ」のプロモーションも行った。別名「津軽富士」と呼ばれる初夏の岩木山(標高1625メートル)をイメージし、新緑の一方で山頂にまだ雪が残る姿を、抹茶×クリームで体現したという。同プロモーションは既に終了しているが、「抹茶 クリーム フラペチーノ」にエスプレッソをワンショット追加すると、今でも同じ味わいを楽しめる。

■特産リンゴを使ったメニューで地域を盛り上げ

 10月18日から11月10日まで「弘前城 菊と紅葉まつり」が開催されている。会場は弘前公園前店から目と鼻の先にある、弘前公園内・弘前城植物園だ。

 この時季はリンゴの収穫の最盛期でもある。一般には、青森県は長野県と並ぶリンゴ王国と思われているが、実は圧倒的首位だ。2018年産の生産量は、青森県が約44万5500トンと2位の長野県(約14万2200トン)の3倍以上。中でも弘前市の生産量は日本一で、記録が残る2006年の生産量では、2位の長野市に4.5倍もの差をつけていた。

 取材当時、スターバックス コーヒー ジャパン弘前公園前店の入口には、手書き文字とイラストで「アップル クランブル パイ*」(480円+税)の黒板が置かれていた。店内には手書き文字・イラスト・写真で「おいしいアップルパイが届けられるまで…」の板書もあった。

 *現在は販売終了


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