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商業・流通

394千葉9区:2009/01/04(日) 22:40:22
■J・フロントの逆襲

 「次の台風の目になるのはJ・フロントだ」

 ある大手百貨店の幹部はこう断言する。

 同社の奥田社長は、一連の再編の仕掛け人であり、強烈なリーダーシップが持ち味だ。

 業界では「大阪(大丸の地盤)の暴れん坊が業界トップに立つと何をし出すかわからないという恐怖感が、三越と伊勢丹の背中を押した」(関係者)と、真顔で語られるほどだ。

 07年9月の発足時には業界首位に躍り出たが、三越伊勢丹HDの誕生で、“半年天下”に終わる。さらに高島屋・H2O連合の統合が完了すれば、業界3位に甘んじることになる。

 H2Oの阪急百貨店は、メンズ館などで発揮した抜群の商品力に加え、阪急電鉄沿線の富裕層を囲い込み、“関西の勝ち組”と呼ばれる。高島屋も大阪、名古屋に大型店を構える。

 両社のタッグは、関西の老舗である大丸と中部をおひざ元とする松坂屋にとって大きな脅威だ。


■狙いはミレニアム

 さらなる再編のターゲットとして、J・フロントが狙っているとのうわさが絶えないのが、ミレニアムだ。

 業界関係者は「J・フロントが、親会社のセブン&アイに接触したが、断られた」と、まことしやかに明かす。奥田社長も、他社との提携について、「ケース・バイ・ケース」と、完全には否定していない。

 J・フロントでは、松坂屋が、最大のお得意さまであるトヨタ自動車が09年3月期に1500億円の営業赤字に転落するという“トヨタショック”に見舞われ、販売が急速に落ち込んでいる。

 一方のミレニアムも迷走している。昨年9月に佐野和義前社長がセブン&アイと経営方針をめぐって対立し、経営陣が一斉に辞任する“お家騒動”が勃発(ぼつぱつ)した。

 経営陣を入れ替えたセブン&アイは「より日常性を強化していくべきだ」(村田社長)と、コンビニ感覚で百貨店の改革を目指すが、成否は未知数だ。

 難局打開のための再編は世のつね。J・フロントとミレニアムが急接近する可能性は否定できない。


■地方百貨店の争奪戦

 大手同士の再編は、「可能性のレベル」に過ぎないが、避けて通れないのが、電鉄系や地方などの中下位百貨店の再編・淘(とう)汰(た)だ。

 1兆円クラブメンバーの三越や高島屋、大丸は、共同仕入れなどで、それぞれ地方百貨店とネットワークを構築。伊勢丹も、商品開発などのノウハウ提供で東急百貨店、東武百貨店など電鉄系と提携している。

 大丸の奥田社長、高島屋の鈴木社長は、地方、電鉄系のグループへの合流を歓迎する意向を表明し、ラブコールを送る。

 「銀座一番店」を擁する松屋のほか、“異端児”と呼ばれる丸井など独立志向の強い百貨店も、生き残りは厳しさを増す。

 「パイが縮小する中、リスクをとらないで稼ぐというのは厚かましい。規模という体力がある方が、リスクをとりやすい」

 H2Oの椙岡会長は、再編による規模のメリットを強調する。

 消費者の低価格志向が強まる中、規模を背景にした大量仕入れによる「バイイングパワー(購買力)」は不可欠だ。各社が力を入れている低価格帯のプライベートブランド(PB)商品の開発でも、規模は低コスト化の武器となる。

 さらに、大不況下で“独り勝ち”を続けるユニクロのように、自ら商品企画、生産、販売に携わるSPA(製造小売り)の手法を取り入れるなど、生き残りへの抜本改革も体力がなければできない。

 縮小する国内市場から海外市場に活路を見いだす戦略にも体力がいる。

 百貨店業界にとって、再編はもはや不可避だ。


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