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商業・流通

143やおよろず@百貨店地図が塗り変わる日:2007/08/29(水) 04:36:43
P61〜P74

 大阪における最大勢力は、阪急・阪神の統合勢力である。
 この統合は地域1番店と2番店の統合であり、3位の大丸への影響は大きい。
 大丸の売り上げは、単純計算で、統合勢力の4分の1になる。
 阪急1706億・阪神1109億円に対して、大丸は647億円の売り上げしかない。
 また、進出予定の三越の売り上げ予想は、500億円である。

 実質的には、阪急による阪神の吸収合併である。
 売り上げ・店舗体制に加え、資本関係でも阪急が優位である。
 妥協点を探りつつ相乗効果を出さなければならない大丸・松坂屋に比べて、統合成果を早期に出すことが可能になる。
 この阪神・阪急は、2014年に、現在の2割増し3500億円という目標を掲げている。
 両店の増床効果を加味すれば、4000億円を視野に入れているはずである。

 阪急は阪神株を高値で買い取ったために、有利子負債が2500億円も増加した。
 阪急の有利子負債残高は、1兆2300億円であり、利払いは年間で300億から400億と推定される。
 この金利負担は、純利益に匹敵するものである。
 これは、統合による相乗効果で解消するしかない。
 阪急と阪神とは、鉄道事業において競合性が薄く、コストカット効果は限定的である。

 阪急電鉄と阪急百貨店の資本関係は薄い。
 電鉄主導の阪神との統合に阪急百貨店の不満は大きい。
 独立自尊の阪急百貨店に、この不満がくすぶれば、阪神との融和が順調にはいかなくなる。

 互いの特色を生かしてすみわけを進めることで、統合による最善効果があらわれる。
 大阪の百貨店戦争の中で、この統合は大きなアドバンテージになる。
 阪急は、ファッション分野に強く、靴・宝飾品の売り上げは全国1位であり、利益率は3.7%と高い。

 阪神百貨店は、食品の売上率が38%と高い。
 通常、百貨店の売り上げは、食品3・衣料品4・その他3の割合である。
 また、阪神タイガースグッズは、強力な求心力となりうる。
 しかし、逆に言えば、阪神は衣料品に弱く、売り上げ構成割合は3割に満たない。
 したがって、売上高営業利益率は2.5%と低い。
 食品は、スーパーなどの小売店が競合相手であり、高い利益率を計上しづらい。
 
 面積あたり売上高は、阪急本店が伊勢丹本店に次ぐ全国1位なのに対して、阪神本店は阪急本店の7割程度にとどまる。  
 阪神は、食料品分野の強みを生かしたまま、阪急との統合により衣料品を強化したい考えである。
 阪急は、衣料品の高級化を進め、高級百貨店としてのイメージの強化を図る。
 この棲み分けが可能であれば、梅田地区で勝ちを収めることができる。

 阪急と阪神は企業イメージが全く違う。
 このイメージの相違を払拭するのは、不可能に近い。
 40代以上は百貨店のイメージが染み付いており、20代は関連性が薄く、30代はその中間にある。
 これは、消費の中心が百貨店だった時期を知る世代と、専門店やスーパーが台頭してきた時期の世代との違いであろう。

 資本的な統合はできても、店舗の持つイメージの統合は不可能で、そのため、統合効果は限定的になる。
 規模の拡大・財務体質の強化・経営の効率化はもたらされるものの、長期的な問題ははらんだままである。


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