したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

商業・流通

1302チバQ:2011/03/05(土) 14:09:11
●JRと阪急、浮沈懸け

 冬を思わせる寒空の下からJR博多シティに入ると、飾られた桜の木は満開になっていた。博多阪急の店長、柳沢興平(61)は朝7時半に出勤。開店のテープカットには加わらず、いくつもの輪になり、最後の打ち合わせをする従業員のそばをゆっくりと歩いた。

 博多阪急を傘下にもつエイチ・ツー・オー(H20)リテイリングはいま、正念場にある。2010年3月期の売上高は前期比7・7%減。経済産業省によると、台頭するネット通販の市場規模が09年に約6兆7千億円に達し、衰退する百貨店(約6兆6千億円)を初めて上回った。

 逆風の中、H2Oは京都市の店舗をたたむ一方、うめだ本店の建て替え、博多出店で反転攻勢をかける。投資額は博多阪急だけで約200億円。重圧のかかる柳沢は「まあ、昨日は眠れましたよ」と笑ってみせた。

 JR九州の社長、唐池恒二(57)は朝7時40分に駅前広場に立った。博多阪急の開店を待つ行列を確認すると、曇り空を仰ぎ「天気がもつといいが…」とつぶやいた。

 博多阪急の存在はJR九州の経営に直結する。九州新幹線の乗降客を増やす舞台装置であるからだけではない。同社の鉄道事業の売り上げは全体の4割。地方路線の赤字は不動産の賃料など他事業で埋めている。博多阪急は大事な店子(たなこ)だ。

 核テナント選定では、新味を打ち出すため、旧駅ビルに入居していた地場の井筒屋に45億円の補償金を払ってまで、退店を要請。当初有力候補だった高島屋と売り場面積で折り合わないとみると電撃的に阪急と話を進め、新しい博多駅の顔に据えた。

 午前9時。唐池らのテープカットを合図に正面玄関が開く。長蛇の列のざわめきが店内に固まりになって押し寄せた。「いらっしゃいませ」。柳沢は深々と頭を下げた。大勢の買い物客を前にしても、うかれた様子はない。「つぼみが花を咲かせるには時間がかかる」

 JR九州、そしてH20の、浮沈を懸けた戦いの幕が上がった。

 (敬称略)

    ×      ×

 ●ワードBOX=JR博多シティ

 新博多駅ビルの名称。地上10階、地下3階建て。延べ床面積は約20万平方メートル。売り場面積約10万平方メートルは、駅ビル商業施設としては国内最大規模。九州初進出の百貨店「博多阪急」、雑貨大手「東急ハンズ」など229店の専門店街「アミュプラザ博多」、地下食堂街の「博多1番街」で構成。1日の来店者数約10万人、年間売上高約700億円を見込む。従業員数は約6千人。博多駅は1日35万人が乗降する九州最大のターミナル。JR博多シティは4代目。


=2011/03/04付 西日本新聞朝刊=


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板