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国際政治・世界事情

1とはずがたり:2005/05/23(月) 02:47:11
世界情勢・世界史ネタなど
軍事問題は安全保障論http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1043205301/l10を国際経済問題は国際経済学http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1060165061/l10を参照の事

6761とはずがたり:2013/08/16(金) 10:06:37

対立せずに主張を通す?スイス人の処世術
もめず、生き残るために、ここまでやる!
竹村 真紀子 :IWCJ代表 2013年08月15日
http://toyokeizai.net/articles/-/17491

――スイスは北部〜東部のドイツ語圏、西部のフランス語圏、南部のイタリア語圏、グラウビュンデン州ではなされるロマンシュ語と4つの言語圏に分かれていますね。言語地域によってビジネスも異なりますか?

ピドゥさん:はい。スイスについて、ひとつのビジネス環境だけで話すことはできません。スイスジャーマン、スイスイタリアン、スイスフレンチの3つのビジネス文化があります。

――スイスのドイツ語圏の方は近隣のドイツ語圏の人々とは似た気質がありますか?

ピドゥさん:確かに似たところはありますが、スイスジャーマンはドイツ人と同じではありませんし、スイスフレンチがフランス人と同じように振る舞うわけではありません。スイスイタリアンも同様です。スイス全体のビジネス文化を話しながら、違いを説明していきましょう。

スイスのビジネスはとてもローカルで、そして同時にグローバルです。スイスでは”Small is beautiful”という言葉があり、大きな産業よりも時計などの精密な製品の質を高めるのが得意です。たとえばネスレはとてもグローバルな企業ですが、社風は慎み深く、控えめ。もちろん会社のことは誇りに思っていますが、それを外に向けて傲慢な態度をとったり、ひけらかすような態度は受け入れられません。

ちゃんと地に足をつけた意識を持ちながら、一方ではスイスのマーケットは小さいことと、スイスの人口の22%が外国人なので、グローバルなマインドも持っています。

そういったことから外国の企業にもとてもオープンです。すでに日本とスイスもとてもいい関係にあり、スイスからはネスレ、ノバルティス、ロッシュ、UBS、クレディ・スイスなど、日本からも武田薬品、東芝など多くの企業が進出しています。

二重課税回避協定、社会保障協定(駐在が5年以上の人は両国での保険期間を通算して年金の受給権を得られる)なども結んで、ビジネスも行いやすい環境です。

控えめな態度は特にスイスジャーマンにみられます。みんなで共通認識をもって納得したうえで物事を進め、対立することは好きではありません。

――それでは決定までに時間がかかりませんか?

ピドゥさん:日本ではプロセスが長いので時間がかかりますが、日本とはまた異なる形です。しっかりと話し合い、コンセンサスをとったうえで進めますが、責任者がすばやく決断します。

アメリカやドイツなどはとてもダイレクトに物事を進めますが、スイスはすべての人が意見を言える環境でスムースに意見を一致させながらも、決断するときは早く決断します。アメリカと日本が対極にあるとしたら、スイスはその中間です。

リストラも相談のうえ、毅然と決断する

――若い人もどんどん意見を言うのですか?

ピドゥさん:若い人ほど意見を言わなければいけません。スイスのビジネスではイノベーション(革新)がとても重要視されます。イノベーションやアイデアを出すことは、若い人にこそ期待されるので、若い人は上司からの指示を待つのではなく、イニシアティブをとって進めます。スイスでビジネスを行うならば、上司は若い人の意見を取り入れ、話を聞かなければいけません。

――対立することも避ける文化なのですね。

ピドゥさん:ドイツ人、フランス人などは対立することもよしとしますが、スイスジャーマン、スイスフレンチを含めスイスの人は対立を避け、しっかりと話し合いをして、極力、納得して物事を進めるようにします。

たとえばある会社の業績が悪化した際には、全員に会社の現状をきちんと話をして、労働組合が集まりいちばんの解決策を話し合いました。一時期、人を減らすことも、その後の成長のためには仕方がないと判断して、労働組合で人員削減を決定したのです。

――従業員にもきちんと情報がシェアされているのですね。

ピドゥさん:スイスでは解雇することも、雇うことも早いです。2カ月で首を切ることも普通。先ほどお話した会社も再建のために解雇しましたが、結果、業績は伸びて、すぐに以前よりもたくさん雇用しました。

話の伝え方にもいろいろあると思うのです。アメリカは直接的、日本は間接的。スイスは中間です。みんなが納得するように柔らかく進めますが、しかしながらYesはYes、NoはNo、とはっきりしています。

ドイツはすぐにNOと言い、日本はなかなか結論を言いませんが、スイスでは気を使って話をスタートさせながらも、伝えなければいけないYes、Noは明確に伝えます。日本のように「検討します」と言って相手に察してもらおうというのは、スイスではしてはいけません。

6762とはずがたり:2013/08/16(金) 10:07:04

プライバシーに敏感なお国柄

スイス人が大切にすることは、信頼関係、質の高さ、時間厳守、コミットメント、熱意、イノベーションです。

時間は10時に待ち合わせと言われたら10時に行かないといけません。10時前もダメです。コミットメントも大切にされるので、「やる」と言ったことは行います。

スイスフレンチ、スイスイタリアンはラテン系だと言われてとても革新的で、時間感覚は少し緩いラテン系、スイスジャーマンはもっと厳格で時間厳守、保守的ですね。

すべての地域に共通するのは、大切なことは明確に伝えること。そして他人のプライバシーは尊重することです。スイス人はその人のプライベートを尊重して、有名人に外で会ってもあまり写真やサインをもらうために駆け寄ることはしません。だから多くの有名人がスイスに住みたがるのですよ。ほかの会社の状況なども固有名詞を出しておおっぴらに話をすることはしませんし、個人のプライベートなこと、たとえば宗教の話や税金、お給料、健康については聞きませんね。

――しぐさなどで控えたほうがいいことはありますか?

ピドゥさん:スイスフレンチ、スイスイタリアンなどはジェスチャーが大きく、フランス人やイタリア人に近いです。でもスイスジャーマンは保守的なので、ラテン系の雰囲気はまじめではないと思われます。と言っても、日本人はそれよりもさらに堅いので、もう少しリラックしたほうがいいぐらいですが(笑)。

――あいさつなどは地域によって異なりますか?

ピドゥさん:スイスフレンチやスイスイタリアンは初対面でも女性同士や男性と女性ではほっぺたにキスを3回します。男性同士は握手ですね。「こんにちは」と言いながらそっと腕に触ったりもするのですが、日本で1度女性にしたら、びっくりされてしまいました。スイスジャーマンでは握手だけです。

――ヨーロッパでは鼻をすすることは失礼とされていますね。

ピドゥさん:はい、とても失礼です。音を立てて食事をすることもダメです。鼻をすするのは小さい子どもぐらいで、子どもでも「鼻をかみなさい」としつけられます。

――最初にヨーロッパに行ったときには、皆さんすごい音で鼻をかむのでびっくりしました。

ピドゥさん:鼻をかむことは当たり前です。日本では鼻をすすってもいいけれど、人前で鼻をかむことはあまりよい印象を与えないので逆ですね。

マナーで言えば、ランチミーティングなどでお昼でもワインやビールを飲みます。たくさん飲むわけではなく、数杯ぐらい。日本でコーヒーを飲むのと同じ感覚です。

スイスの会社はグローバルなので、さまざまな国の人が働いていますが、その人たちもスイスのやり方になじまなければいけません。言葉が近いドイツやフランスの人であっても、スイスで成功したければスイス流の雰囲気になる必要があります。

話す言語は、3〜6カ国語!

――地域によって言葉が違いますが、ビジネスレターなどは何語を使いますか?

ピドゥさん:日本の企業であれば英語でも構いませんが、スイス人同士ではもちろん英語は使いません。E-mailもフランス語圏だとフランス語などその地域での言語を使います。商品には必ず3つの言語で説明を書きます。

――たとえばスイス国内において、フランス語圏の従業員がドイツ語圏に行ったら、ドイツ語を話さなければいけないのですか??ピドゥさんは何語を話されますか?

ピドゥさん:言語圏が変わったら、その地域の言葉を話さなければいけません。私はフランス語圏出身なのでフランス語を通常話しますが、それ以外にドイツ語、スイスのドイツ語、イタリア語、英語、そして日本語も話します。

――ドイツ語とスイスのドイツ語は違うのですか?

ピドゥさん:違います。スイスのドイツ語は書き言葉ではなく、話し言葉です。学校で習うのはドイツのドイツ語で、書くときはドイツ語を書きます。だからスイスジャーマンはドイツ語を理解しますが、ドイツ人はスイスジャーマンを理解できません。

――日本で言えば津軽弁、沖縄などの方言のようなものでしょうか。

ピドゥさん:そうです。スイスフレンチは90%はフランスと同じフランス語で、スイスイタリアンもイタリア語なのですが、スイスジャーマンだけが違うのです。

6763とはずがたり:2013/08/16(金) 10:07:37
>>6761-6763
――ロマンシュ語はどうですか?

ピドゥさん:ロマンシュ語は言語地図でみれば地域は広いのですが、山が多いので話す人口は少ないのです。また、ロマンシュ語だけを話す人はいなくて、スイスジャーマンを話します。

――スイスで商品を開発して3カ国語で記載すれば、ほかの国にもそのまま輸出できますね。

ピドゥさん:そうなのです。実はスイスに商品のマーケティングをしたり、テストをする拠点を置く企業が多く、スイスはテストマーケットなのです。ひとつの国の中で3つの言語地域の好みや特性を知ることができます。スイスはEUには加盟していませんが、フリートレード(自由貿易協定)を結んでいるのでEU諸国にも輸出が簡単です。

政治家任せじゃなく、国民投票で決める!

――EUに加盟しないことは政府のみではなく、国民投票によって決定されたと聞きます。どういうシステムなのですか?


ピドゥさん:スイスはダイレクトデモクラシー(直接民主主義)システムです。国全体で何か変えたいことがあるときには、10万人の署名を集めて政府に提出します。そうすると政府が投票を行わなければいけません。県で変える内容であれば、県によって異なりますが1万人ぐらいの署名です。たとえ議会が決めたことでも5万人のNOという署名を集めれば覆されます。

EUに加盟するかどうかはスイス国民全体のことなので、当たり前に国民投票が行われ、国民は加盟しないことを決めました。憲法にも国民には決める権利があると書かれているので、それにのっとっているのです。

署名を集めるのは誰であっても構いません。たとえば以前は終身刑がなかったのですが、ある家族のお子さんが殺人で刑務所から出所した人に誘拐され殺害される事件がありました。そこでその家族が終身刑を求める署名をスタートさせ、議会に提出し、今では終身刑ができました。

――その制度が日本にあれば、今とは違った日本になっていそうですね。ところで、どうしてスイスはEUに加盟しないのですか?

ピドゥさん:スイスは経済的にも安定していて、国民投票のシステムもうまくまわっています。EUに加盟するとEUの決定によってさまざまなことが進められて、スイス独自で決められなくなってしまいます。EUは今年3月に日本と自由貿易の交渉をスタートさせましたが、スイスはもっと早く5年前から自由貿易を始めています。

スイスとEUはLove-hate relationship(愛憎が絡み合った関係)で、とても複雑です。フリートレードも毎回、話し合って進めています。今はWin-winですが、将来的にはシステムも変えなければいけないかもしれません。

このようなことで投票が2〜3カ月に1回行われているので、スイスでは政治そのものについてはあまり話題にしませんが、投票のことについてはよく話します。

――スイスでは国、そして自分がどうしたいかを、個人個人が意識して考えているのですね。

ピドゥさん:キャリアについてもそうです。スイスではキャリアステップのための転職は必要だと考えられています。逆にずっと同じ職場にいることは、怠惰だという印象を与えるほどで、海外で経験を積むこと、異なる会社での経験も重要視されるのです。

たとえば同じ銀行系をいくつか経験して、また最初の銀行に戻ることもします。その転職がキャリアアップのための転職であれば、とてもよいことなのです。

働く時間もメリハリをつけます。スイス人は週の就業時間が43時間ぐらいで勤勉です。でも一年に4週間の休みがあり、ちゃんと休んでリラックスして力を蓄えたうえでまた仕事に戻るのです。仕事がないのにだらだらオフィスにいることは、プロフェッショナルではないと思われます。必要なときには週末も働くので、時間があるときには早く帰るなど、効率よく働いているんですよ。

(撮影:今井康一)


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