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国際政治・世界事情
1
:
とはずがたり
:2005/05/23(月) 02:47:11
世界情勢・世界史ネタなど
軍事問題は安全保障論
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1043205301/l10
を国際経済問題は国際経済学
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1060165061/l10
を参照の事
4892
:
チバQ
:2012/08/18(土) 09:04:07
http://mainichi.jp/opinion/news/20120813ddm003030078000c.html
クローズアップ2012:活況、クルド自治区 イラク北部、治安改善で外資流入
毎日新聞 2012年08月13日 東京朝刊
深夜まで、家族連れでにぎわうショッピングモール=イラク北部アルビルで2012年7月、鵜塚健撮影
拡大写真 ◇巨大モール、スケートリンク…「第2のドバイ」
石油埋蔵量世界第4位を誇るイラクで、北部のクルド自治区が突出した経済発展を遂げている。03年開戦のイラク戦争から9年余りを経てなお爆弾テロの続く首都バグダッドなどとは対照的に、治安が大幅に改善。外国企業の進出が相次ぎ、中東屈指の商業都市アラブ首長国連邦・ドバイを引き合いに「第2のドバイ」とも呼ばれる。存在感の高まりを背景に、「独立」への機運を強めている。【アルビル(クルド自治区)で鵜塚健】
クルド自治区の中心都市アルビル。10年末に完成したばかりの大型ショッピングモールは、深夜まで家族連れや若者でにぎわっていた。スケートリンクや映画館、仏大手スーパー「カルフール」も併設している。
「クルドは近い将来、ドバイを追い越す」。モール内で大型衣料品店を共同経営する実業家のウェイシ・イブラヒムさん(28)が誇らしげに語った。大学で会計学を学ぶ傍ら、大型レストランの新規開業も予定している。かつて仕事を求めて欧州に渡った友人は、次々と帰国しているという。
イラク北部に住むクルド人は旧フセイン政権時代、数々の弾圧を受けた。クルド人同士の内戦もあり、イブラヒムさんは祖父ら親族10人を失った。だが03年の米軍侵攻で、同政権が崩壊。05年に連邦制をうたう新憲法が策定され、06年、クルド自治政府が正式に発足した。大半がイスラム教スンニ派クルド人で宗派間対立が少なく、治安改善は順調に進み、外国投資が加速した。
アルビルや東部スレイマニヤはいま、大型ホテルや商業施設の建設ラッシュにわいている。工事を担うのは、インドやバングラデシュなどからの出稼ぎ労働者たちだ。「アメリカンビレッジ」「イタリアンシティー」。しゃれた名前の高級住宅街が郊外に続々と建設され、富裕層の人気を集めている。
「中東諸国はデモや内戦で混乱している。クルドほど安定した投資先はない」。トルコから進出した中堅建設会社「バタン」幹部のユーチェル・エテキさん(56)は、25階建てマンションの建設を計画中だ。昨年、中東で拡大した民主化運動「アラブの春」の影響で、リスクを避けたい資金と人が自治区に流れ込んでいるという。
4893
:
チバQ
:2012/08/18(土) 09:04:45
◇欧米が注目 日本「周回遅れ」
自治政府によると、インフラなどへの総投資額(外国企業の投資を含む)は7月現在34億ドル(2660億円)で、06年の約8倍。自治区に進出した外国企業は11年末時点で1781社で、2年前の1・7倍に達した。うち4割以上がトルコからで、イランやレバノン、欧米諸国や韓国が続く。
クルド繁栄の象徴とされるアルビルは昨年、英経済誌で中東第5位の優良投資先に選ばれた。ヘリシュ・ムハラム投資庁長官によると「地元企業と同等の権利を保障していることが外国企業に大きな魅力となっている」。
クルドに熱い視線を注ぐ外資。イラク全土での将来的なビジネス展開を視野に、その「玄関口」として押さえたいという思惑もある。イラクの石油埋蔵量は世界4位で、経済的潜在力は高い。世界銀行は12年の経済成長率を12・6%と見込む。
対照的に日本企業は「イラクは全土で危険」との認識がいまだに根強く、クルド自治区への進出にも慎重だ。一部の商社などが現地事務所を置くが、日本人社員はほとんど常駐していない。国際協力機構(JICA)によると「70〜80年代に投資実績のある日本へのイラクの信頼や期待は大きい。しかし日本企業の現状は、他国に比べ『周回遅れ』の状態だ」(坂本威午イラク事務所長)という。
◇中央政府と溝 発言力増し独立機運
経済的に優位に立つクルド自治区は発言力を高め、イラク中央政府との溝を深めつつある。
自治政府は毎年、イラクの石油収入の17%を受け取る。だが、自治政府の推計によると域内の原油埋蔵量は450億バレルと国内の確認埋蔵量の約3割を占め、不公平感は強い。最近、自治政府は油田開発をめぐり外国企業と独自に交渉を開始、中央政府は違法行為だと反発している。また、スンニ派を重用したサダム・フセイン政権から一転、マリキ現首相はシーア派重視の姿勢を鮮明にしており、自治政府(スンニ派)の不信感は高まるばかりだ。
クルド自治区内にはアラブ諸国や欧州25カ国の領事館などがあり、欧州など13カ国には自治政府代表事務所を構える。頻繁に外遊するファラー・ムスタファ外務庁長官は「自治政府であっても外国にメッセージを伝えることが重要」と述べ、「独自外交」の必要性を強調している。
両者の確執は、自治政府の「独立」機運を促す。今年3月下旬、自治政府のバルザニ議長はクルド地域における新年のあいさつで、「イラクからのクルド地域の分離という、良い知らせを近い将来に発表する予定だ」と発言、中央政府をけん制した。イマド・アフマド自治政府副首相は毎日新聞の取材に「クルド人にとって独立は当然の権利。だが、その実現が近い将来か遠い未来かは分からない」と話した。
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4894
:
チバQ
:2012/08/18(土) 09:05:05
◇イラク・クルド自治区を巡る経過
80〜88年 イラン・イラク戦争。イラク国内のクルド人の多くがイランを支持
88年 イラク北東部ハラブジャで、イラク軍が毒ガス攻撃を実施。クルド人約5000人が死亡
90年 イラクがクウェートに侵攻
91年 湾岸戦争で多国籍軍がイラク軍を撃退。その後、クルド人が蜂起したが、イラク軍が直後に鎮圧。米英がイラク北部を飛行禁止区域に指定し、クルド人自治が進む
92年 議会選挙を実施し、クルド自治政府の発足を宣言。イラク政府は認めず
94〜98年 クルド民主党(KDP)とクルド愛国同盟(PUK)の対立で内戦状態に
03年 イラク戦争。米軍侵攻でフセイン政権崩壊。戦争中、クルドは米軍に協力
05年 イラク大統領にクルド人のタラバニ氏が就任。連邦制を軸とするイラク新憲法が成立
06年 イラク新政府の一部としてクルド自治政府が正式発足
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