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労働運動

1645とはずがたり:2018/01/31(水) 12:04:21

 常識を壊すには、これまで正しいと信じられているような考えをひとつひとつ否定していくしかない。そこで筆者がまず真っ先に手をつけるべきだと考えているのは、「皆勤賞」というものに対する否定である。
>>1644
 だいぶなくなってきたがいまだに、日本社会には「無欠勤」というだけで評価されるカルチャーがあった。なにかしらの功績をあげたとか、人一倍努力をしたとかではなく、「体が丈夫」「毎日休まず通勤(通学)した」というだけで、「すごい」ともてはやされてきた。

「休まない」ことに価値がある
 なぜこういうおかしな風習ができたのかというと、明治時代の近代化による影響が大きい。江戸時代あたりの日本人はわりとアバウトで、約束もよく破ったし、いまのように働き者ではなかった。そこで、明治の経営者たちは、休まない労働者を褒めて、サボりぐせのある人たちにはペナルティを課すという、いわゆる「信賞必罰」というマネジメント方式を導入した。これが皆勤賞の始まりだ。

 富国強兵が進むとこの傾向はさらに強まり、無欠勤はなにをおいても尊いものだとなった。それを如実に示すのが、戦時中、生産体制を支える労働戦士を鼓舞する新聞紙面を飾った無欠勤賞賛記事である。

…事実、こういう無欠勤信仰は戦争に負けてきれいさっぱり消えるなどということもなく、戦後もしっかりと続いていた。

 それがうかがえるのが、1957年のインフルエンザ流行だ。この年もいつものようなインフルエンザにかかる人が多くいたが、なかでも東京・八王子の流行が深刻で、小中学校8校が休校として、ついには中学1年生の男子が亡くなってしまう。そこで八王子教育委員会はこのような対応をとった。

 「こんご児童の無理な登校を恐れて、学業皆勤賞などすべての(褒)ほう賞制度を廃止することとなった」(読売新聞 1957年10月29日)

 これは裏を返せば、少しくらいの熱があっても、皆勤賞を目標に無理をして登校をする子どもがたくさんいた、ということである。



風邪でも休まないのは「社会悪」
 このような皆勤賞カルチャーは高度経済成長期、外国人から「クレイジー」と呼ばれる企業戦士を生み出す要因ともなった。台風でも国鉄のストで交通機関がまひしても、歩いて会社を目指す彼らの頭には、戦時中の労働戦士と同じく、「休むのはエゴ」という思い込みがあった。

 その後、バブル景気や「失われた20年」など紆余曲折はあったものの、「休むのはエゴ」という労働文化が消滅することはなかった。むしろ、近年になると、人口増型の経済モデルが破たんして、あらゆる業種がブラック化したことで再燃している。その背中を押しているのが製薬会社だ。従来の風邪薬ではなく、「仕事を休まなくていい薬」というコンセプトを前面に押し出した新商品を続々と世に出してきたのだ。

 その代表が、「風邪でも、絶対に休めない あなたへ」というキャッチコピーで知られる、エスエス製薬の「エスタックイブファインEX」だ。これらの薬は、熱や重症になった喉の痛みに効果が高いとされるイブプロフェンが配合されている。要するに、「風邪をごまかすことができる薬」なのだ。



 休みたくても休める雰囲気ではない。自分が休んだらもうなにも回らない。そういう悲鳴が日本中であがっているのは、よく分かるが、先ほども申し上げたように、病人が無理を押して仕事をしても効率が悪いだけだし、組織全体にはマイナスだ。

 日本の生産性向上のためにも、新型インフルで犠牲者を減らすためにも、政官民が一体となって、「風邪でも絶対に休まないおじさん」を「風邪は絶対に休むおじさん」に変えていかなければいけない。

 安倍さん、裁量労働制拡大なんかよりもこちらのほうがよほど重要な「働き方改革」のような気がするのですが、いかがでしょうか。


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