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法学論集

2882とはずがたり:2020/12/14(月) 15:46:02
>>2881
 WOHの「加害者家族ホットライン」に電話があったのは昨年4月下旬。父親が運転していた車が事故を起こし、多数の被害者を出したという内容だった。以下、阿部さんの文章を引く。人物の関係が分かりやすいように、適宜、丸カッコで補った。まず、最初の電話の様子。

 ―被害者の方々の容態が心配で、車に同乗していた母親(飯塚元院長の妻)も生死にかかわる重傷だという。(元院長の息子は)何日も食事が喉を通らず全く眠れていない。言葉は少なく、憔悴しきっている様子が伝わってきた。

 精神的に相当追い詰められている相談者に対し、筆者は精神科に行くよう促し、無事を確認するため何度か電話を入れていた。相談者が、「池袋暴走事故」の加害者家族だと判明したのはだいぶ後のことだった―

 元高級官僚だから逮捕されない。そう信じた人たちによる「上級国民」叩きが始まっていた。その中でいくつかの誤った情報が流れたと、元院長の息子は阿部さんに話す。それがバッシングを激化させた。

 その一つは、加害者の不逮捕に家族も関係した可能性があるという憶測だ。事故発生直後、救急車の到着前に飯塚被告が息子に携帯電話をかけていたという報道が根拠となった。

 ―しかし、実際、息子が電話を受けたのは事故から55分後だった―

 テレビでは、元院長が「予約していたフレンチに遅れそうだった」と供述したと報じた局もあった。「上級国民」の身勝手さが強調されたが、息子の言い分は違う。向かっていたのは、遅れても構わない馴染みのごく普通の小レストランだったという。

 「医師から運転を止めるように言われていたにもかかわらず運転していた」という報道もあった。これにも反論する。

 ―そのような事実はなく、車を擦ったりぶつけたりといった家族が不安になるような問題も起きてはいなかった―

 ■自らを責め続ける母親

 家族は当然、取材を受けたはずだ。そのときに抗弁すればよかったではないか。だが、阿部さんはこう言う。

 ―報道陣は家族のところにも来たが、加害者家族の立場で発言しても揚げ足を取られ、さらにバッシングが酷くなるとしか考えられず沈黙を貫くほかなかった―

 阿部さんが元院長の息子と話をするとき、被害者を気遣う言葉が出なかったことはなかった。「被害者やそのご家族の気持ちを思うと、いたたまれない」といった言葉だ。

 ―(元院長の)車に同乗していた母親は、ICUに20日間入る大怪我を負った。命はとりとめたものの自らを責め続け、悲嘆にくれる毎日を過ごしている。

 母の様子を見るたびに、事故で怪我をされた被害者とその家族も、相当に辛い思いをされていると思い心が苦しくなるという―

 家族の間にも大きな亀裂を生んだ。

 ―加害者家族もまた人生を狂わされ、重い十字架を背負うことになってしまった。(元院長の息子は)家族として、事故を起こした父親に対して怒りが抑えられなくなる瞬間もあるという―

 事件事故を担当する社会部記者として仕事をしてきて、こういう事態を知らないわけではなかったが、目を背けてきた。いや、加担してきたと認めるべきか。だが、阿部さんのリポートを読んで、メディアや個々の記者にできることはあると感じた。




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