したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

Tohazugatali Medical Review

4772名無しさん:2016/11/23(水) 15:26:01
>>4771

脱ステロイドとアトピービジネス
 主治医の指示に従わず、ステロイド軟膏を適正使用しないと副作用が出ることはその通りです。皮膚が薄くなったり、毛細血管が拡張したり、体毛が濃くなったり、細菌や真菌に感染しやすくなったりします。しかしこれらは、ステロイドを中断すれば解決できます。そして、くり返しになりますが、「人さし指第一関節で手のひら2枚分」のルールを守っていれば副作用は起きません。

 ですがなぜ、ステロイド軟膏にはアブナイというイメージが付いてしまったのでしょう? 理由の1つは1990年代に大手マスメディアがステロイド・バッシングを行ったことで、そういったイメージが定着してしまったからではないでしょうか? たとえば、ステロイド軟膏を使うと白内障になるという報道がありました。これはウソです。そんなことはあり得ません。アトピー性皮膚炎で白内障や網膜剥離が起きる理由は、痒さのあまり目を強くこすったり叩いたりするためです。

 ステロイド・バッシングとともに、脱ステロイドを 謳(うた) ったアトピービジネスが台頭してきました。現在でもアトピービジネスに走る患者がいます。健康食品、サプリ、エステ、水療法、温泉治療、化粧品、石けん、入浴剤などなど。アトピー性皮膚炎に限らず、治りにくい病気には民間療法が付きものです。けれどアトピービジネスのタチが悪い点は、ステロイド軟膏などの標準治療を否定して、営利追求を目的に患者を囲い込むところにあります。ヨミドクターの賢明な読者のみなさんは、決して 騙(だま) されないでくださいね。

 冒頭で紹介した2人の患者を思い出してください。目だけが白くて全身が赤かったお子さんは、親がアトピービジネスに走ったケースです。首の皮膚が厚くなって黒くなったお子さんは? こちらは、ステロイド軟膏の副作用ではありません。実はこの皮膚症状は、アトピー性皮膚炎の典型的な症状です。つまり、ステロイドの塗り方が不十分だったのです。適正な量をしっかりと塗れば、肌は必ず改善します。

 適正適量のステロイド軟膏は、ちっともアブナクありません!

松永 正訓(まつなが・ただし)
1961年、東京都生まれ。1987年、千葉大学医学部を卒業し、小児外科医となる。日本小児外科学会・会長特別表彰(1991年)など受賞歴多数。2006年より「松永クリニック小児科・小児外科」(http://www.mtng-clinic.jp)院長。

『運命の子 トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語』で2013年、第20回小学館ノンフィクション大賞を受賞。著書に『小児がん外科医 君たちが教えてくれたこと』(中公文庫)など。

ブログは http://wallaby-clinic.asablo.jp/blog/


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板