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Tohazugatali Medical Review

4625とはずがたり:2016/04/25(月) 14:40:58

<加工肉とたばこが同じ分類>

IARCは専門家を集め、すでに存在する科学的証拠を見直し、物質や行為を発がん性の度合いに応じて5つに分類している。

IARCの分類が何を意味するかは誤解を受けることもある。IARCは「危険」、つまり、物質や行為が何らかの形でがんを引き起こす可能性をめぐる証拠の強さを評価するとしている。通常レベルのヒトへの暴露量や消費量は考慮されていない。要するに、何かによって、ヒトががんになる「リスク」や可能性を評価しているわけではない。

例えばIARCは、プルトニウムやアルコールによってがんになる相対的なリスク水準について見解を示していない。この2つの発がん性について明らかな証拠があると言っているだけだ。そのため、発がん性が認められる物質として、どちらも「グループ1」に分類されている。

米アルベルト・アインシュタイン医学校のがん疫学者ジェフリー・カバト氏はIARCを公に批判しており、同機関の分類は人々に「危害」を加えていると話す。

「皆が知りたいのは、健康に明らかな影響を及ぼすであろう身の回りの化学物質は何か、ということだ。現実的ではない状況下で影響があるかもしれないというような机上の空論ではない」と同氏は指摘する。

世間が誤解する危険性は、赤身肉と加工肉に関するIARCの発表に対するメディアの反応の一部に顕著に表れていた。ニュースサイト「ハフィントン・ ポスト」は「肉は新たなたばこ」と宣言し、英紙デーリー・メールは「保健当局のトップたち」が「加工肉をたばこと同じレベルに位置づけた」と報じた。

このような解釈は、IARCの見方からすると、誤解を招きやすいと言える。前述の(IARCで分類プログラムを率いるクルト・)ストライフ氏はロイターに対し、混乱の責任は産業界や活動家団体、メディアにあると語った。

<「反科学的ではないものの、ナイーブ」>

批評家の中には、IARCの研究論文はニュースで取り上げられるずっと以前から問題があったと言う人もいる。彼らが懸念するのは、IARCの5つの分類カテゴリーのうち、どこに物質や活動を入れるかを決定する「専門家研究グループ」の構成にある。

これらの専門家の中には、審査中の物質や活動ががんを起こすかどうか、長年にわたって研究成果を発表してきている人も含まれている。彼らは、自らや親しい同僚の研究を審査するIARCの研究グループの一員かもしれない。

例えば、IARCは2012年から2015年の間、314人の科学者が関わる18の研究論文を発表したり、手掛けたりした。ロイターの分析では、このうち少なくとも61人の科学者が、自らの科学的研究を考察する研究論文の研究グループに従事した。

国際疫学研究所のタローン氏や他の科学者は、記事科学雑誌の評論や記事、または書簡で、こうした人々が「同僚や自らの研究の妥当性や方法論の健全性について、最良の判断を下せるか」どうかについて疑問を呈してきた。

IARCのストライフ氏は、同機関の研究グループは「世界で最高の専門家」で構成されており、科学的な証拠を批判的に評価し、自らや親しい同僚による従来の発見に引きずられないグループだと述べた。

ストライフ氏は「正当な理由により、研究について最も知っている人々は、それまでにその研究にかかわってきた人々だとの強い信念がIARCにはある」と話した。

ストライフ氏はIARCの規則上、「筆者や関連のある同僚」は自らが発表した研究について直接評価することはできないと述べた。そして、「擁護などが許容されない」環境下で、20人から30人が議論に参加していることから、中立性が担保されていると話した。


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