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Tohazugatali Medical Review

4587とはずがたり:2016/03/02(水) 21:24:36
>>4586-4587
「土佐人の特徴で、非常に議論好きで疑ってかかるから、病院にかかって診断を受けても、別の病院に行き、また薬を処方してもらう。だから医師が多くても成り立つのです」
良く言えば、セカンドオピニオン。議論好きで権威に物申す風土が自由民権運動を生んだと言われるが、みんなで酒を飲むのが好きだから議論が生まれやすいという説もある。
一方、大学側も問題に直面していた。「地域医療への貢献」が開学の精神であったが、若い研修医が大学に残らない。また、医学部は医師国家試験に合格することが目的になっているため、「受験勉強型」に陥っている。
「そこで、大学本来のあるべき姿である、知的好奇心を満たす先端医学の研究を行い、新しい医療を生み出そうという結論に至りました」(脇口学長)。
そこで当時、医学部長であった脇口氏が主導し2009年に「先端医療学推進センター」を創設した。といっても、センターを建設したわけではない。「カネはないけど、組織はできる」と、組織改編を行い、医学部2年生という早い段階から「医学研究者」のような先端医療の開発研究に取り組ませたのだ。知識詰め込み型から、マンツーマンに近い本格研究への転換である。

現役学生の快挙
ここで教授たちが予想しない成果が生まれた。
例えば、当時4年生の小山毅さんは、手術室を見学しながら、疑問に思うことがあった。
「手術前、元気にお話しをしていた70歳ほどの男性が、手術の負荷により、私と会話が噛み合わなくなり、元気がなくなりました。せっかく手術で体が良くなったのに、他の問題が生じているのです」
「術後認知症」と呼ばれる高齢者に多い現象だ。手術後、認知症のような状態になるため、転倒したり、薬を飲み忘れたり、点滴を外すなど、事故の原因を生んでいた。

小山さんは、教授陣の指導のもと、解明されていなかった術後認知症のプロセスと抑制方法を研究。彼が書いた論文は、現役学生でありながら2015年の日本静脈麻酔学会で最優秀演題賞を受賞したのだ。
彼だけではない。2011年以降、毎年、高知大学の現役学生たちが学会で賞を受賞。2012年以降は複数の学会で受賞しており、特に5年間で4度受賞した日本腎臓学会では「現役学生たちの快挙」として医学界で話題となった。
高知大学医学部の変貌に貢献したのが、実は高知県の悪い環境である。
以前から高齢者の割合が多かったため、1976年、地方大学では初の「老年病科」が設置されている。そして1981年から現在まで、のべ患者数31万人の検査データを匿名化して蓄積。このデータを用いて、学生が糖尿病の予測モデルを研究するなど、「負の環境を地の利にした」と、大学関係者は苦笑するのだ。
前出の小山さんはこう話す。
「目の前の患者さんを良くするだけではなく、自分の研究成果が多くの人に貢献できればと思います」
人を育てることで、課題解決に挑戦できる。これが高知大学が導き出した答えである。


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