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Tohazugatali Medical Review
4460
:
とはずがたり
:2015/09/21(月) 06:05:50
>>4458
われわれを人間らしくしたのは何なのか―愛くるしい赤ん坊
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303923004579571093924701108
By ALISON GOPNIK
2014 年 5 月 19 日 14:29 JST
自然史博物館のジオラマは誰でも見たことがあるだろう。力強い穴居人たちが力を合わせてマストドン(マンモスに似た古代生物)を倒している。進化生物学者は長い間、猟や戦いといった男たちの仕事を使って人間の協力の進化を説明してきた。
しかし、最近カリフォルニア大学サンディエゴ校で開かれた研究シンポジウムは、ジオラマの背景の中にいる子供たちが重要なのではないかということを示唆した。子供の世話は文字通り、われわれを人間らしくし、認識、協力、文化に対する人間独特の能力を発展させた可能性がある。同じような考え方は、人間の子育ては母をはるかに越えるということを示唆している。
人類学者のサラ・フルディ博士は、人間の発展は「共同で行う子育て」の出現に依存していると主張する。チンパンジーの赤ん坊はその生物学的母親によって独占的に世話をされている。母たちは子供に近づくものは何であれ、それと戦う。これとは対照的に人間は育児の面で優れた3人を作りだした。祖母と父親、それに「アロペアレント(親以外の養育者)」が赤ん坊の世話を手助けする。これが人間と人間に最も近い霊長類との大きな違いだ。
私は前回のコラムで、祖母に関する興味をそそる研究について話した。父親が子供の世話をすることは疑問の余地がないように見えるが、これも人間独特のことだ。人間は、ほとんどの霊長類―実際にはほとんどの哺乳類―に見られないような形で「つながりを結合する」。父親と母親は緊密な関係を築き、人間は関係の近い霊長類のどれよりも一夫一婦の関係が強い。
父親の世話は母親のそれよりも多様だ。フォーレージャー社会(狩猟採集社会)でも、一部の生物学的父親は子育てに深く関わっており、他の父親はほとんど何もしていない。父親にとって、母親よりも、赤ん坊と非常に緊密な関係を持っているという事実は赤ん坊を世話する衝動と言われる。例えば、父親が赤ん坊に触れて遊ぶ時、父親たちは母親と同じようにオキシトシン(「世話焼き・仲良し」ホルモン)を分泌している。
人間には「アロペアレント」もいる。関係のない赤ん坊でも世話をする成人のことだ。狩猟採集社会では、これらのアロペアレントはしばしば、まだ子供のいない若い女性だ。他の人の子供を世話することで、これらの女性は子育ての技術を身に付け、一方で子供が生き残るのを助けている。母親たちは時に世話を交代し、互いに助け合っている。子供のいない女性に特にかわいい赤ん坊の絵を見せると、脳の報酬中枢が明るくなる(かわいい赤ん坊がおおむね誰にでも魅力的だと結論付けるのに、こうしたイメージング研究は実際のところ必要なかったのだが)。
フルディ博士は、この協力的な子育て戦略が他の人間独特の能力を発達させていると考えた。人間の知性の多くは社会的知性だ。人間は特に他の人々について学んだり、他の人々から学ぶことが得意だ。まだ座ることのできない赤ん坊でもほほ笑み、視線を合わせることができる。さまざまな研究では、赤ん坊は他の人たちが何を望んでいるかも理解できるという結果が得られた。
同博士は、まず協力的な子育てがあり、祖母や父親、アロペアレントによる追加の子育てによって長い期間の子供時代が作られ、この間に子供たちは学習することができるようになることを示唆している。実際、社会的知性は、協力的子育ての必要性が直接もたらした結果である可能性がある。
フルディ博士はさらに、協力的な子育ての世界では赤ん坊が自らの生存を守るようになったと示唆している。非常にかわいい赤ん坊の大きな瞳やふくよかな頬は、見た目以上の働きをする。赤ん坊たちはまず社会的知性を使って父親や祖母、アロペアレントの気を引きつけて、その愛くるしいクモの巣に取り込もうとする。赤ん坊たちは次いで、そのほかの全てのこと―マストドン1頭あるいは2頭を倒すことを含めて―をするために社会的知性を使うことになる。
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