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Tohazugatali Medical Review
4458
:
とはずがたり
:2015/09/21(月) 05:55:58
後半部分が急に曖昧な文章になってよく解らんけど。。
人間は元来残忍なのか―祖先のチンパンジーにみる本性
http://jp.wsj.com/articles/SB11875414796426453974304580245571855101174
By ROBERT M. SAPOLSKY
2014 年 10 月 30 日 13:39 JST
ルソー対ホッブズ。これはこれまでで最も有名な哲学的対決の一つだ。人間は本来、高潔な野蛮人なのか、それともわれわれは元々汚らわしく、粗野で怒りっぽいものなのか。今日この古典的な疑問に対する最善の洞察は、われわれの緊密な霊長類の仲間がこのルソー/ホッブズのスペクトラムにどう当てはまるのか調べることから得られるだろう。
重要な観察は、遺伝子がわれわれと最大99%まで同じであるチンパンジーに関するものだ。研究者たちが過去35年間、繰り返し記録しているように、チンパンジーは殺害と無縁なわけではない。雄は近くの集団の雄を殺すのに協力し、自分たちの集団でのボスの座を争ってライバルを殺し、雌は遺伝的な競争の形として、他の雌の子供を殺す。加えてこうした殺害は自然発生的に出てくるのではなく、そこには意図と戦略が満ちている。
チンパンジーは殺し合う、という事実は二つのことを意味している可能性がある。一つは、チンパンジーはいつも殺し合っているということで、これは彼らの行動の基盤となっているというものだ。もしそうなら、進化樹を見てみれば、チンパンジーと人間に見られる殺害の傾向は約800万年前の共通の祖先にたどり着くことがうかがえる。言い換えれば、殺害は基本的な、ずっと以前からの人間行動の一部だということだ。
別の見方は、チンパンジーの殺害は自然に反し、人間の侵入がもたらす破壊的な影響を反映しただけだというものだ。その侵入による影響とは、生息地の破壊による個体群密度の増加、人間がチンパンジーの獲物を奪うことによる餌をめぐる競争の激化、それに人間に慣れさせるために研究者が与える、非常に魅力的な餌をめぐる闘いだ。(限りある量のバナナを与えることは、チンパンジーを互いに争わせるのにうまいやり方だ)。
科学誌ネイチャーに最近掲載された論文は、この闘いに関するものだ。著名な霊長類学者たちから成る論文執筆者は、総計492年間にわたるチンパンジー観察を研究した。彼らはこのデータをプールして、集団全体を通しての「致命的な攻撃」の率がチンパンジーに本来備わっている社会生活の特質によって最も良く予測できるのか、あるいは人間の影響を反映した外来性の要因によって予測できるのかを調べた。(例えば、人間に近い場所にいるのか、あるいは自然保護公園にいるのか、などだ)。
大量のデータが検討されて、人間による混乱のパターンではチンパンジーの殺害率を予想できないとの答えに至った。例えば、いくつかの最も高い部類の殺害率は最も原始的な集団の中で見られた。同率はチンパンジーの社会競争の標準的特質を最も反映していたのだ。
意外なことに、152件の殺害は観察された10年ごとに約3.5件の割合だった。殺害の92%は雄が行い、犠牲となったチンパンジーの73%も雄だった。アフリカ大陸全体の集団のうち83%で殺害が見られた。ほとんどのケースでは、雄のグループが近隣の群れの1匹を待ち伏せており、平均すると8匹が集団で襲いかかっている。そして約90%のチンパンジーはその一生のうちに1回、殺害に加わっている。これは非常にホッブズ的なようで、ほとんど全てのDNAがわれわれと同じサルに見られるのだ。
もちろん、この論文で議論が片付くわけではない。「人間のせいだ」という説明の擁護者は、人間の影響を測る上で適切なメジャーを用いたかどうか疑問視している。これは大きな問題であるため、批判や反論がネット上に飛び交っている。このような暴力がチンパンジーにとって基本であるなら、それが「彼らの遺伝子に入っている」なら、同様に人間の遺伝子にも入っている公算は非常に大きい。
しかし、これは正しい結論ではないだろう。チンパンジーの研究は論文の半分でしかないからだ。論文の執筆者たちは、社会的集団と雌の支配的地位で知られるチンパンジーの「もう一つの」仲間であるボノボについても調べた。92年間の観察によるボノボの犯罪歴はどうだったのか。疑い例は1件の殺害で、チンパンジーのわずか3%にすぎなかった。
われわれのDNAはボノボのそれとも最大99%同じなのだ。(チンパンジーとボノボは互いに同じ率の遺伝子を共有している)。
われわれはチンパンジーではない。悲しいことにわれわれはボノボでもない。われわれは彼らのいとこで、クエーカー教徒の平和主義とイスラム国の残虐さを兼ね備えている種だ。このような種にまたがる分析が教えているのは、要するに、われわれの行為の必然性ではなく潜在性の進化的ルーツなのだ。
(筆者のロバート・M. サポルスキー氏は米国の神経内分泌学者)
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