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Tohazugatali Medical Review

1とはずがたり:2004/10/17(日) 14:58
医学・病院・地域医療など今までTER http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1046080617/l10で扱ってた話題を独立させます。

医薬品・製薬関連はこちら http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1070807006/l10

自民党と結託し日本の成長に対する桎梏となってる医師会・歯科医師会の不祥事はこちら http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1067007932/l10

TERの過去レスは>>2-5あたり

4383とはずがたり:2015/06/16(火) 20:14:01

MERS感染拡大
韓国政府は悪くない
2015年06月04日(Thu)  村中璃子 (医師・ジャーナリスト)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5039

韓国で中東呼吸器症候群(MERS)が韓国で広がりを見せ、国内外への波紋を広げている。6月3日までに分かっている韓国人感染者数は30人、うち2人が死亡。感染は、最初の患者となった68歳男性と同室に入院していた別の患者へと広がり(二次感染)、男性の転院先でも別の患者からも感染(三次感染)が確認された。韓国政府は接触者1300人を隔離・追跡して対策を強化しているというが、現在のところ5人の容態が不安定で、1人が危篤状態との報道もある。

 アジア地域でMERS患者が出たのはこれが初めてのことではない。これまでも、マレーシアとフィリピンで中東帰りの人から患者が1名ずつ出ているが、いずれも感染は中東から帰った患者本人に止まった。今回、韓国が問題となっているのは、二次感染、ひいては三次感染と感染が短期間で拡大しているからだ。 

 特に感染者のひとりは、症状があるにも関わらず韓国を出国し、5月29日、出張先の中国でMERSとの確定診断を受けたことなどから、中国を中心に海外から韓国政府の対応を批判する声が上がった。韓国の保健当局は5月31日、「MERSの感染力について誤認し、初期対応が不適切であった」として謝罪したが、「韓国政府の不手際で感染が広がっている」「韓国人患者にはモラルが無い」と、中国や日本での嫌韓感情はヒートアップする一方にある。

日本で同じことが起きていたら別の対応が取れたか?

 しかし、今回の韓国のケースは、今までとは事情の異なる点も多い。「もし日本や中国で同じことが起きていたら別の対応が取れたのか」と問われると、疑問の余地が残る。

 MERSは、2012年9月、サウジアラビアで初めて確認されたばかりのコロナウイルスの一種による呼吸器感染症。今日までに中東諸国など世界中から1154人の患者が報告され、そのうち431人が死亡している(2015年6月1日現在、WHO統計による)。WHOの公式発表の数字を単純に割り算すると致死率が40%近くなることから、「殺人ウイルス」などと言う人もいるが、人類がこのウイルスを知ってからわずか3年足らず。感染力や致死力について、はっきりしたことは分かっていない。

 コロナウイルスの仲間には、MERSウイルスの他、「普通の風邪」の原因となるものや、2002年頃猛威をふるった「重症急性呼吸器症候群(SARS)」の原因となるものなど、様々な種類があるが、それぞれが異なるウイルスと考えてよい。

 しかし、MERSの初期症状は、他のコロナウイルス感染症と共通し、咳、息切れ、発熱(しかも、必ずしも高熱というわけではない)など。下痢を伴うこともある。要するに、普通の風邪と同じだ。中東への渡航歴などを理由に、MERSを疑って積極的に検査を行わない限り、初期は普通の風邪、そして、病状が進んでも普通の肺炎との区別がつかない。

 今回の韓国のケースで判断が難しかったのは、68歳男性の主な訪問先が、今までにMERSが報告されていない(そして現段階でも報告のない)バーレーンであったこと。男性は、「中東への渡航歴」を申告したが、男性が最初に訪れた複数の医療機関では、MERSの可能性を念頭において検査を行わなかった。

世界中どこの国で起きてもおかしくはなかった

 男性の臨床経過が緩やかであったことも見逃せない。バーレーンから帰国した時には発症しておらず、帰国1週間後の5月11日になって発症。近医を受診していたが、症状が悪化して入院するまで5日かかった。状態が安定していたのか、その病院も3日間で退院させられたものの、別の医療機関を受診。MERSとの診断を受けるまでに、そこからさらに3日を要した。

4384とはずがたり:2015/06/16(火) 20:14:15

 結果として、発症から10日間もの間、68歳男性は隔離されなかったことになる。

 フィリピンのMERS患者は、サウジアラビアの病院で働く医療関係者の30代女性で、妊娠していた。サウジにいるときから症状があったが、帰国の翌日に症状が悪化。入院してMERSとの診断を受け、隔離された。マレーシアの患者は、糖尿病の基礎疾患のある30代の男性だった。発症の翌日には呼吸困難に陥って隔離・入院し、人工呼吸につながれた後に死亡している。

 いずれも妊娠や基礎疾患がベースにあり、経過が急であったこと、そして渡航歴からもMERSが疑われたことから、MERSとの診断および隔離が早期に行われている。

 このような事情を考えれば、今回の感染拡大の理由が韓国政府だけにあるとも言い切れない。世界のどの国で起きてもおかしくなかったことだともいえる。

 今後も患者との接触者を検査していくことで、新たな感染者が見つかる可能性がある。しかし、思い出したいのは、MERSの初期症状が普通の風邪に似ていること。軽症で済んでしまうためMERSと診断されることのない人や、感染していても症状の出ない人(不顕性感染者)もいるため、実際の致死率はさほど高くないという専門家もいる。

 これを機に、正体不明のMERSについて、新たな情報が得られる可能性もある。韓国における感染者の経過と、さらなる感染拡大の傾向を冷静に見つつ、年間500万人の往来のある韓国からは、すでに症状のないMERS感染者が入ってきているとの前提で我々も備えたい。

韓国MERSに関心がない欧米
感染症学は植民地経営のために発達した
2015年06月16日(Tue)  村中璃子 (医師・ジャーナリスト)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5067

インフルエンザとは違い「知らない間に罹ること」はない

 10日間で確認された感染者数は5倍に、そして、死者数は7倍になった。しかし、幸いにも、MERS(中東呼吸器感染症)は相変わらず「当初の予測を超えない範囲」で流行している。

 韓国における最初の患者が、中東のどこでどのように感染して来たのかは未だに特定されていない。また、患者を搬送した救急車の運転手が感染していることなどから、「MERSの感染力は意外とあるのかもしれない」との印象も受ける。しかし、最初の患者をのぞけば、3次感染でも4次感染でも、患者が感染した機会は分かっている。

 やはり、MERSはインフルエンザのような「知らない間に罹っていた」というような病気ではないのだ。この事実は世界中の科学者や政府関係者に絶対的な安心感を与えている。

 遺伝子解析の結果、現在韓国で流行しているMERS株は、中東で流行しているものと何ら変わりがないことが分かり、突然変異して毒性や感染力を強めている可能性は否定された。もちろん、これはMERSが今後も突然変異しないことを約束することではない。しかし、韓国での流行が突然変異を理由に起きているのではないという証拠は、国際社会にとっても非常に心強い安心材料である。

 韓国における最初の患者が「風邪にかかったかもしれない」と、最初の医療機関を受診した日(5月14日)から1カ月。現在までに確認された、韓国人のMERS感染者数は150名、死者数15名になった(6月15日、WHO発表による)。

4385とはずがたり:2015/06/16(火) 20:14:53
>>4383-4385
実際の致死率は10%以下の可能性

 前回の執筆記事「MERS感染拡大 韓国政府は悪くない」の中で予測した通り、感染者は次々と「発見」され、その数は3桁にのぼった。しかし、現在の韓国における致死率はちょうど10%。当初、40%と言われた致死率とは異なり、死者数を感染者数で割り算することのできる人であれば、感染者数の数が増えるにつれ、理論上の致死率が日々落ちていることに気づくはずだ。

もちろん、10%という致死率でも「ただの風邪」にしたら十分に高い。しかし、症状が出ないため、あるいは症状が軽いために検査せず、MERSと確定しない人がまだ相当いることを考えれば、この10%という数字がまだまだ過大評価の可能性もある。新型インフルエンザの致死率も当初は極めて高いとされたが、最終的には0.45%以下との計算になった。(注)

 韓国のMERS報道で面白いのは、「どこまで感染が広がったのか」については色々騒がれるのに、臨床経過や治療・予防についての報道が少なく、病気としてのイメージが持ちにくいこと。防護服を着用していた医療感染者が続々と感染し、短期間で亡くなるという報道や、治療薬に関する報道を毎日聞いたエボラ出血熱と比べると、一般の人にとってもだいぶ「コワくない」病気だ。

 欧米のメディアでも、韓国のMERSは「国際」欄の「アジア」で大きく取り上げられることはあっても、テレビや新聞のトップで報じられることはまずない。WHOのウェブサイトでの扱いも小さく、「流行収束には時間がかかるだろう」と関係者がコメントすることがあっても、事務局長やスポークスマンが国際社会に注意や協力を呼びかけることはない。

「極東」で起きているローカルな流行

 国際社会にとっての「脅威」とは、あくまでも欧米社会に危機が及ぶ可能性のこと。植民地関係の歴史があり、本国から遠く離れたアフリカやアジアから「得体のしれない病気」がやってくる、という構図が存在しない限り、韓国で広がろうが、中国に患者が出て行こうが、グローバルには存在しないのと同じ。韓国が悪かろうがなかろうが、所詮は「極東」で起きている対岸の火事なのだ。

 そもそも、感染症学という学問は、プランテーションで働く労働者の生産性を保つために発達した学問だ。欧州では広大な植民地をもつイギリスとフランスを中心に、アジアでは、植民地での結核やマラリアのコントロールで苦戦した日本で発達した。旧植民地アフリカからの移民を国内に抱え込む欧米にとって、エボラ出血熱は脅威のそのものだった。しかし、MERSが中東から出てアジアで局地的に流行したところで関心の対象とすらならない。

 今回の韓国のMERSに対しては、国内に多くの韓国人を抱え、往来も多い日本が、欧米よりはるかに高い関心を抱いている。ネット上には「韓国政府の対応が悪い」「病気を日本に持ち込ませるな」といった単純な言説が溢れている。

 もっとも、韓国政府への不信感は、海外でというよりも、韓国国内で強まっている。最初の患者を特定するまでに時間がかかったのはまだしも、そこからの政府の対応はやや楽観的にも過ぎ、なによりも、情報公開が遅かったことが韓国国民の怒りと不安を買っている。

 疫学的にも遺伝子的にもMERSの感染が、韓国の地域社会、ひいては国際社会へと広く拡大していく可能性は低い。とはいえ、MERSは潜伏期が最大で2週間と長く、年間500万人もの往来があることを考えれば、100%の水際対策は不可能で、日本にすでに入ってきていてもおかしくはない。大事なのは、韓国を他山の石として、国内で「流行させない」ようにすることだ。

(注)http://www.virology.ws/2009/06/16/how-many-people-die-from-influenza/


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