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Tohazugatali Medical Review

1とはずがたり:2004/10/17(日) 14:58
医学・病院・地域医療など今までTER http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1046080617/l10で扱ってた話題を独立させます。

医薬品・製薬関連はこちら http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1070807006/l10

自民党と結託し日本の成長に対する桎梏となってる医師会・歯科医師会の不祥事はこちら http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1067007932/l10

TERの過去レスは>>2-5あたり

4309とはずがたり:2015/03/23(月) 18:26:30

手術中の判断ミスで患者が続けて亡くなれば外科医を辞める覚悟
http://news.goo.ne.jp/article/president/life/president_14693.html?fr=rk
ン2015年3月3日(火)11:21
PRESIDENT Online スペシャル

■群馬大病院の腹腔鏡手術問題

群馬大学附属病院(前橋市)で2010年〜14年に肝臓がんの腹腔鏡手術を受けた92人中8人が術後4カ月以内に亡くなっていたことが昨年11月に発覚し、大きく報じられました。同じ医師による開腹手術でも09年4月〜昨年夏までの5年間に肝臓がんの患者84人中10人が3カ月以内に亡くなったそうです。私は心臓血管外科医であり分野は違いますが、同じ外科医として見る限り、死亡率が腹腔鏡手術8.7%、開腹手術11.9%というのはあまりにも高過ぎます。

この件に関して新聞社のインタビューも受けましたが、このニュースを見たとき、まず考えたのは、この患者さんたちの病状、年齢、体力が手術の対象になるような状態だったのかということです。手術は、回復が見込める患者さんに対して元通りの生活に戻ってもらうために行う治療法であり、勝算がないのに一か八かで実施するものではありません。最近注目されているラジオ波治療など他の治療法はないのか、リスクも含めて患者さんと家族に分かりやすい言葉で丁寧に説明して同意を得なければなりませんし、手術を選択するか慎重に検討すべきです。

この医師のことは知りませんが、外科医としてのモラルの低さには憤りさえ感じます。手術では、術前の診断を十二分に行って臨んでも不測の事態が起きる場合があり、「手術がうまくいった」と思っていても、術後合併症で患者さんの命を失ってしまうことはあります。また、腹腔鏡手術のように新たな高難度手術を開発し挑戦する医師がいなければ外科治療の発展はありません。

しかし、昨今は、新しい治療法、特に保険適用になっていないような治療法であれば病院の倫理委員会の審査を経て臨床試験として実施するなど、慎重な対応が求められます。すぐ開腹手術に切り替えられる体制を整えるなど、患者さんの命を失ったり後遺症を残したりしないように、新しい治療法だからこそ従来の手術以上に万全の体制で臨まなければなりません。

■オフポンプ手術導入時は万全の体制を整えた

新聞報道によれば、死亡例は腹腔鏡手術を始めた10年〜11年に集中し4人の方が亡くなっているそうです。私自身にも苦い経験がありますが、手術の後、患者さんが思うように回復しなかったり亡くなられたりしたときには、行った手術を反芻し何が悪かったのか徹底的に検証し修正するのは外科医として当然のことです。続けて患者さんが亡くなるようならその手術法自体が間違っているのかもしれませんから、撤退する勇気を持つことも大切です。

4人も亡くなってそのまま続ける感覚は理解できませんし、あってはならないことです。しかも、患者さんへのインフォームドコンセントが不十分で、保険外の手術を保険診療として不正請求したというのですから言語道断と言わざるを得ません。

前にも書きましたが、私自身、他の病院に先駆けて、新東京病院(千葉県松戸市)で心臓を動かしたまま冠動脈バイパス手術を行うオフポンプ手術を始めたときには、海外からビデオを取り寄せてかなり研究してから患者さんに実施したものの、試行錯誤の連続でした。今ほど厳しく科学的根拠が問われる時代ではなかったので、正式な臨床試験として実施したわけではありませんが、患者さんと家族には丁寧に説明してインフォームドコンセントを取り、何かあったらすぐに人工心肺装置を使って心臓を止めて行う一般的な冠動脈バイパス手術に移行できる体制を整え、麻酔科医や臨床工学技士たちの協力もあって、いつも以上に術中術後管理にも細心の注意を払い、詳細な記録を残しながら診療を継続しました。

4310とはずがたり:2015/03/23(月) 18:26:58
>>4309-4310
オフポンプ手術は天皇陛下の手術でも採用した方法で、現在では他に合併疾患がない人に対してもオフポンプ手術が主流です。しかし、最初のうちは、他に合併疾患や年齢的な問題で人工心肺装置を使うと負担が大きい患者さんに対して、オフポンプ手術を実施しました。目覚ましい治療成績を上げたことで新東京病院に全国から患者さんが集まって来ましたし、オフポンプ手術が他の病院にも広がって行きました。人工心肺を使わずに、従来の手術と同じかそれ以上の結果が得られるのであれば、患者さんの体への負担も経済的な負担も少なくて済みます。

■疑うだけでは信頼関係は築けない

心臓病に限らず外科治療は、患者さんへの負担が少ない低侵襲手術を目指すようになっています。今回問題になった腹腔鏡手術も、大きな流れの中で言うと、オフポンプ手術と同じように低侵襲手術の一つです。傷が小さく体への負担が小さいはずの腹腔鏡手術で、かえって合併症や死亡が増えたのでは本末転倒ですし、患者さんを実験台にするような治療をすべきではありません。

私自身は、手術中の判断ミスで2人続けて患者が亡くなったときにはメスを置き外科医を辞めると決めています。自分の手に人の命を預かる以上、手術にはそれだけの覚悟で臨まなければいけないと考えています。患者さんの死を確率的に避けられないと初めから受け入れたり、自分の成長の過程と考えたりしている外科医がいるとしたら最低です。

この文章を読んでいただいている皆さんには、そんな外科医の犠牲者になってほしくはありません。命にかかわるような病気の手術を受ける際には、その病院や執刀医の治療成績を確認することが大切です。手術のメリットばかり強調したり、逆に「死」をほのめかして脅かしたり、自分たちのチームの治療成績を説明しないような医師は要注意です。

だからと言って、変に外科医を疑ってかかっては信頼関係を築けないので、命を預けると決めたら患者さんの側も信頼関係を築くようにしたほうがよいと思います。天皇陛下の手術の前には、何度か天皇皇后両陛下にお目にかかって手術の説明をさせていただきました。信頼していただいていると実感したからこそ、自信をもって手術に臨めましたし、持っている力をすべて出し切れたと感じています。

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天野 篤(あまの・あつし)
順天堂大学病院副院長・心臓血管外科教授
1955年埼玉県生まれ。83年日本大学医学部卒業。新東京病院心臓血管外科部長、昭和大学横浜市北部病院循環器センター長・教授などを経て、2002年より現職。冠動脈オフポンプ・バイパス手術の第一人者であり、12年2月、天皇陛下の心臓手術を執刀。著書に『最新よくわかる心臓病』(誠文堂新光社)、『一途一心、命をつなぐ』(飛鳥新社)、『熱く生きる 赤本 覚悟を持て編』『熱く生きる 青本 道を究めろ編』(セブン&アイ出版)など。
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(順天堂大学医学部心臓血管外科教授 天野篤 構成=福島安紀)


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