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Tohazugatali Medical Review

3676とはずがたり:2014/05/14(水) 12:53:50
>>3675-3676
現に、記者会見では、小保方氏をユニットリーダーとする抜擢人事にかかわったと明言した。また、発生・再生科学総合研究センターの運営方針について、若手研究者の契約更新に際し、厳格に業績を評価すると説明している。
研究機関の経営には様々な方法があるが、理研の発生・再生科学総合研究センターでは、若手研究者を厳しい競争環境におくことで、研究業績を上げるという戦略を採ってきた。本来、権限を有する者は、自らが下した判断に関して責任を負う。これは株式会社だろうが非営利の研究機関だろうが同じだ。

笹井氏が、小保方氏の任命責任および論文不正の責任を負うのが当然だ。
ところが、彼の発言からは、そのような自覚は感じられなかった。「副社長」ともいえる立場でありながら、「自分は理研のリーダーではない」と思っているように見えた。これは、おそらく笹井氏の本音なのだろう。理研のように官庁と密接に関連する国立研究機関では、官僚機構と現場のスタッフの間で、責任の所在が曖昧となりやすい。組織のトップは研究者なのだが、官僚の助言に従い決断を下しているため、どうしても責任感が希薄となる。そして、このような「無責任体制」が多くの不祥事を生み出す土壌となってきた。再発防止のためには、まず国立研究機関の意思決定システムの変更を検討するべきだろう。
一連のSTAP細胞問題を受けて、「研究不正の再発予防のために、全ての著者は、生データから論文の内容まで把握すべき」という主張を散見する。しかしながら、この主張は説得力を欠いている。規範論を強調することで、短期的には合意を形成できるだろうが、実効性がない。先端的な研究で専門外のことまで、チェックすることはできない。
今回のSTAP細胞の研究のように、多くの専門家が共同作業を行う場合、すべての関係者が全貌を把握するのは原理的に不可能だ。自動車メーカーの社長に「車の原理を全て把握しろ」などとは誰も求めない。官庁も大臣が全てを把握しているわけではない。トップに期待されるのは、リーダーシップと責任感である。
この意味で、4月28日の山中伸弥・京都大学教授の対応は適切だった。2000年に発表した論文のデータ改竄疑惑に対し、自ら状況を説明した。実験を担当したという中国からの留学生に責任を押しつけることはなく、自身の研究不正ではないにもかかわらず、謝罪した。山中教授は、我が国の科学界を代表するリーダーだと実感する。
言い古された表現だが、「組織はトップ次第」だ。トップに人望がなければ、部下や共同研究者はついてこない。だからこそ、トップの人事は大切だ。今回のように部下が不祥事を起こした場合、公衆の面前で「未熟だった」と切り捨ててはいけない。
トップが部下を切り捨て保身に走ると部下は必ず離反する。そして、人望を失い、内部告発が始まる。現に小保方氏は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに情報を提供している。
昨今、医学研究の不祥事が相次いでいる。多くの事例で、トップの責任回避の姿勢が問題を長引かせ、結果として組織の崩壊を招いている。

たとえば製薬会社ノバルティスファーマでは、降圧剤や白血病治療薬の研究不正について、社員や元社員による大量の内部告発があり、大きな社会問題となった。その結果、スイスの本社が介入し、日本法人の幹部3人が引責辞任に追い込まれた。一連の問題によって、ノバルティスファーマの信用は地に落ちた。
状況は理研も同じだ。いま必要なのは、未来のある研究者たちのために、身を捨てる覚悟をもったリーダーだ。理研幹部の矜恃が問われている。
※1:Knoepfler Lab Stem Cell Blog http://www.ipscell.com/2014/04/stap-cell-belief-poll-8-results-a-bit-of-drift-toward-positive/ STAP cell belief poll #8 results: still negative, but a bit of positive drift

※2:独立行政法人理化学研究所「事業報告書」(平成24年度)によれば、経常収益は1040億7200万円だった。なお常勤職員は3409人(平成25年1月1日現在)。
答える人=上 昌広(東京大学 医科学研究所 特任教授) 写真=時事通信フォト


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