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Tohazugatali Medical Review

358とはずがたり:2007/01/16(火) 03:03:08

危機地域医療 県内医師不足の現場
http://www.sakigake.jp/p/servlet/member.auth/mc/kikaku/y2007/iryo/iryo_04.jsp
大学の事情
新制度で研修医流出
医局人事崩れ 引き揚げ進む

 横手市の平鹿総合病院の医局の一角。初期臨床研修2年目の佐藤広規医師(26)は、カルテとエックス線写真を凝視しながら、中堅の指導医に率直に意見をぶつけていた。

 ベッド数600余りの県南随一の中核病院。卒後臨床研修が義務化された平成16年以降、毎年定員数を上回る応募がある。以前から臨床研修の実績が豊富で、若手の指導にも定評があった。佐藤医師が研修先に同病院を選んだのも、発症が何千―何万人に1人という特殊疾患を扱うことの多い大学病院より、プライマリーケア(初期診療)の現場を踏んで臨床能力を高めたいと考えたからだ。

 「患者の回復は何よりうれしいが、患者の死に接するのはきつい。『もっといい治療法があったのだろうか』とか『別の担当医だったら何とかなったんじゃないか』と思う」

 1年半で7分野の義務研修を一通り終え、現在は専門の第二内科で20人ほどの患者を受け持つ。取材中の1時間でポケベルは4度鳴り、そのたびに電話で検査時間などを指示した。医師の「いろは」を、体と心で会得している。
◇  ◆  ◇
 医療機関にとって最大の医師供給源である大学のマンパワー不足に歯止めがかからない。何が起きているのか。

 大学を卒業したての研修医は、かつて7割が大学の医局に残り、安価な労働力で医局を支えた。医局は豊富な人員を後ろ盾に各市中病院に医師を送り込んできた。例えば、県北の病院には弘前大や岩手医大、県南には東北大、県全体には秋田大。病院の系列化と、医局の頂点に立つ教授による「医局人事」がこうして完成する。

 研修医が研修先の病院を自由に選べる新臨床研修制度は、医局人事を根底から揺るがした。熱心な指導医がいて、研修内容の充実した一部の市中病院に人気が集中する一方、封建的で閉鎖的と映る“白い巨塔”は医師の卵に敬遠され始めた。

 とりわけ地方大学の地盤沈下は顕著だ。毎年100人近い医師を生む秋田大も例外でない。16―18年度に大学に“残った”初期臨床研修医は計47人。県立の総合病院のない本県で、県に代わって本県全体の地域医療体制を整備・調整してきた医局は、いまや足元の人員確保に苦しむ。

 医局はそこで、事実上の医師引き揚げにかかる。東北大、弘前大、岩手医大、そして秋田大。医師確保を各医局からの派遣に頼ってきた地域の病院は制度の荒波をもろにかぶることになった。
◇  ◆  ◇
 医局は多忙だ。医学部で学生を育て、大学病院の診療も担う。研究も不可欠。最先端医療を担うには人手もいる。激務は医師不足の市中病院に劣らず、働き盛りの中堅医が開業などで退職する厳しい現実もある。

 秋田大医学部幹部は「従来通り派遣すれば大学が持たない」と胸中を打ち明け、こう問い掛ける。「大学は研究、教育機関であり、特定機能を持つ臨床の場でもある。大学が本来の機能を果たせなくなることが県民の利益になるのか」

 医師を求めて大学に頭を下げる市中病院と、「ない袖は振れない」(同医学部関係者)という大学医局。両者の溝からは、医師の配置調整がいかに脆弱(ぜいじゃく)な基盤の上に成り立っていたかが、あらためて浮き彫りになる。
メ モ医師臨床研修制度
 医師免許取得後、2年間指導を受けながら診療経験を積む制度。16年4月から義務化され、すべての研修医が内科、外科、救急・麻酔科、小児科、精神科、産婦人科、地域医療の7分野を経験し、基本的な診療能力を身に付ける。若い医師の県内定着を図る上では、初期臨床研修修了後の、いわゆる後期臨床研修の内容充実も重要といわれる。県が昨年8月に研修医129人を対象に行ったアンケートでも、後期研修先を選ぶ際のポイントとして、指導体制や研修プログラムの内容を挙げる回答が多数を占めた。

2007.1.5付


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