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Tohazugatali Medical Review

2784とはずがたり:2014/04/10(木) 17:48:59
これまた俺がよく解ってなかったTCR再構成の件

2014-03-05
「STAP細胞 TCR再構成は無かった」という話の衝撃
http://ka-ka-xyz.hatenablog.com/entry/20140305/1394030589

本題

衝撃的なニュースというのはこちら。

STAP細胞作製に関する実験手技解説の発表について

この、STAP細胞を作成するための手順を解説したドキュメントなのですがその中に
STAP幹細胞にTCR再構成は無かったという記述が存在していました(しかも"Important"って項目に)。

この点については様々なところで突っ込まれていますが、…生物系以外の人にはわかりにくいと思うので、この文章の持つインパクトについて(自分の理解できている限りで)説明します。

まず、T細胞レセプター(TCR)とは何かって話ですが、取り敢えずWikipedia。

T細胞受容体 - Wikipedia

T細胞レセプターをコードしている遺伝子は、幹細胞からT細胞へと分化(何にでもなれる細胞から、専門職な細胞へと変化すること)する際に再構成され、様々なパターンを作り出します。例えるなら、綺麗に並んでいるトランプをシャッフルし、一部のカードを捨てたりしているような感じです。一旦そういう風にシャッフルしてしまった後のトランプを元の並び順に戻すことは不可能なはずです。

で、今回小保方氏は論文中で、「STAP幹細胞はT細胞がリセットされたものです、その証拠にTCR遺伝子はシャッフル済みです」と主張していました(論文のFig. 1i)。

また、理研のプレスリリースでも、以下のように「T細胞受容体遺伝子が組み替えられている(TCR再構成が発生している)ということから、一旦T細胞に分化した細胞が初期化されたことがわかる」と明確に書かれています。

次に、リンパ球の特性を生かして、遺伝子解析によりOct4陽性細胞を生み出した「元の細胞」を検証しました。リンパ球のうちT細胞は、いったん分化するとT細胞受容体遺伝子に特徴的な組み替えが起こります。これを検出することで、細胞がT細胞に分化したことがあるかどうかが分かります。この解析から、Oct4陽性細胞は、分化したT細胞から酸性溶液処理により生み出されたことが判明しました。

これらのことから、酸性溶液処理により出現したOct4陽性細胞は、一度T細胞に分化した細胞が「初期化」された結果生じたものであることが分かりました。これらのOct4陽性細胞は、Oct4以外にも多能性細胞に特有の多くの遺伝子マーカー(Sox2、 SSEA1、Nanogなど)を発現していました。また、DNAのメチル化状態もリンパ球型ではなく多能性細胞に特有の型に変化していることが確認されました。

ちなみに、このプレスリリースを読んだ時の自分の反応はこんな感じ。

新聞サイトで読んだときには「未分化の細胞がスクリーニングされただけじゃね?」と思ったけれど、そのへんはちゃんと検証されている模様。 / “体細胞の分化状態の記憶を消去し初期化する原理を発見 | 理化学研究所” http://t.co/OCH8rwdqPL
― Ka-Ka (@ka_ka_xyz) 2014, 1月 29

「TCR遺伝子が再構成されている」というデータは、分化済みのT細胞がリセットされてSTAP幹細胞になったという主張のキモだったはずです。それが理研の出したドキュメントであっさり覆った衝撃ときたら。

正直、「あんまりだよ!こんなのってないよ!」と叫びたい気分。今後STAP細胞についてどのような展開になるか未だ分からない状況ですが(おそらく「リセット」説から「スクリーニング」説に切り替えてくるんじゃないかな)、この件については性善説を捨てます。てか、マジ無いわこんな展開。激おこ。


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