ドイツの系統運用者であるTSO(Transmission System Operator:独立送電会社)各社…は、再エネ拡大に伴う系統網の不安定化を防ぐために、各種のアンシラリーサービスを市場から調達している。
特に、深刻化している短周期変動対策としては、PCR(Primary Control Reserve)、SCR(Secondary Control Reserve)、MR(Minute Reserve)の3種がある。PCRは、0〜30秒という短時間に自動で調整力を供給するもので、SCR(自動)、MRはPCR以降に残る周波数偏差を主導[とは註:手動か]で解消する。
ドイツのエネルギー事業者であるThuga社グループは、フランクフルトの地域電力会社であるMinova社向けに300kWの水電解装置を建設し、2015年2月にSCR向けに稼働した。再エネが瞬時に増えて周波数が基準値よりも上振れした際、系統網からの電力で水電解装置が水素を製造する。同プロジェクトはP2G[とは註:「Power to Gas(パワーツーガス)」のことで、余剰電力を気体燃料に変換(気体変換)して貯蔵・利用する方法https://afterplus.co.jp/specialcolumns/2022/06/15/6258 ]が短周期変動対策に商業ベースで使えることを示した初めてのケース