二 御望山周辺ルートの提示について
政府・国土交通省が提示した三つのルートに対して、地元住民から、それぞれの立場をふまえた反応が寄せられている。そのなかで何よりも大きいのが、「なぜ現行の都市計画ルートが排除されないで、新たに三つの比較ルートが示されたか」という不安の声である。
以下、質問する。
① 「検討会」の最終報告書で、現行の都市計画ルートの安全性に対する警鐘がうち鳴らされていることは周知の事実である。御望山は、歴史的にも崩落を繰り返す危険な山である。地元説明会に参加したある住民は次のように危険な実態を訴えている。
「ここに昭和六十二年八月一日発行の黒野史誌があります。その中の一節に『御望山山麓の崖錘は、急斜面から岩屑が落下して形成された地形であるため、再び崩落する危険性があり、傾斜した不透水上を流れる地下水により、山崩れや地滑りが発生しやすい』と書いてあり、『その崖錘上に、岐阜バス車庫、岐北中学校、第二千成団地がある』と述べられています。私たちの住んでいる第二千成団地の裏山は、山崩れ、地滑りが発生しやすいと書かれているのです。…私たちはそういう所とは知らずに、県が認可した土地だからということで、ここに移り住んできました。昭和五十一年九月の台風で、団地も土砂崩れにより、家屋が傾いたり、御望山東の二田子地区では子どもさんが亡くなりました。…私たちは、高速道路を造ることに反対している訳ではありません。これ以上、生命の危険にさらさないで下さい、と言っているだけなのです。」
現に、古くは一五八六年の天正地震による崩壊、団地造成後の昭和四十九年の大石転落をはじめ台風のたびに亀裂が生じるなど、住民は命を脅かす危険と隣り合わせの生活を送っているのである。「検討会」報告書では、御望山の地質構造について、「特異な舟底形構造」や各所に著しく発達している「各種の断層・亀裂」を指摘、「山体には、いわば(地質的に崩壊しやすい)…ガサガサな状態の地山が広く発達している」ことを明らかにしている。
政府は、国土交通大臣の答弁でも明言したように住民の安全性を「重要な要素」として受け入れる姿勢を持っているなら、なぜ、このような危険性を指摘されている現行の御望山トンネルルートを排除しないのか。明確な答弁を求める。
② 「調査検討会」の志岐委員長は、同「検討会」の役割は終えていないとの認識を示している。今回、「三つの比較ルート案」を提示するに当たって、国は、「検討会」委員の意見を聞いたか。聞いているのなら、どのような意見が出されたか、具体的に明らかにされたい。また、聞いていないのならなぜ聞いていないのか、その理由を明確にされたい。
併せて、昨年六月に国が「再検討」に入ってから、「検討会」委員以外の他の専門家の意見を聞いたと言われているが、どのような分野の誰に聞いたか、明らかにされたい。
③ 「検討会」での最終結論は、「御望山の安全性は確認されない」とされているにもかかわらず、なぜ現行都市計画ルートの近くにトンネル掘削をともなうBルート案が入っているのか。最終報告書は、「現在の工学技術をもってすれば、御望山地域に限らず、日本のどの様な山においても、トンネルを掘ろうと思えば掘れないわけではない。しかし、検討会の課題は、それとは関係なくトンネル掘削にともなって発生しうる問題の検討、言いかえれば安全性の確認である」と、「工法で対応する」問題でないことをも強調している。
あらためて問う。安全性を疑われている現行都市計画ルートの近くに、同じく「トンネル構造」で通過するBルート案が入っているのはなぜか。その「安全性の根拠」を示されたい。