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繊維スレッド

1荷主研究者:2003/09/24(水) 00:11
繊維関係の話題を今だからこそ熱く語り明かすスレッド。

日本化学繊維協会
http://www.fcc.co.jp/JCFA/index_j.html

信州大学繊維学部 繊維関係のリンク集
http://coe.shinshu-u.ac.jp/links/industry_j.html

2荷主研究者:2003/09/24(水) 00:14

2003年3月14日 日経産業新聞 26面
三菱レイヨン 見切り経営 高収益生む 「アクリル帝国」へポリエステル脱却 再編の「風雲児」に

「アクリル帝国」へひた走る−−。中国などからの安価な流入品に四苦八苦する合繊業界の中で、世界を相手に成長軌道を描いている企業がある。三菱レイヨンだ。アクリル事業への特化戦略が功を奏し、連結売上高営業利益率は東レと帝人の二大メーカーをしのぐ。合繊産業の花形といえばポリエステル繊維産業。だが、大手に完全に出遅れた三菱レイヨンは同事業を見切って経営資源を集中し、高収益体質を実現した。

中国・江蘇省南通市。三菱レイヨンは今秋、日本の大手繊維各社の生産基地が集中するこの地域に、外資として初めてアクリル樹脂の成形材料の新工場を稼動させる。皇芳之社長は「アクリル事業でアジア最強の地位を固める一環」とその狙いを説明する。

5年で生産1.8倍

樹脂の女王と呼ばれるアクリル樹脂。その成形材料などは高い透明度などの素材特性が注目を集め始めており、雑貨や家電、液晶ディスプレーの導光板向けなど幅広い分野で需要が拡大している。

三菱レイヨンは経済成長を続ける中国のアクリル樹脂市場では年率10%の伸びが見込めると判断し、新工場には年産4万トンの世界最大規模の設備を導入する計画だ。

海外でのアクリル事業への投資活動はこれにとどまらない。2年後には原料となるメチルメタクリレート(MMA)モノマーの生産拠点を中国に設けるなど、2007年度末までに5つの新規生産プロジェクトを立ち上げる。合計投資額は450億円に達する予定だ。

計画終了時には国内外を合わせたアクリル製品の生産能力は約87万4千トンと、現在に比べ約1.8倍拡大する見通し。

その結果、アクリル製品の原料の分野では世界1位の大手化学品メーカー、英ルーサントグループ(サウサンプトン市)と生産能力でほぼ肩を並べる規模になる。

他の繊維各社が疲弊するなか、三菱レイヨンは水面下で世界最大のアクリルメーカーに生まれ変わる戦略を着々と進めている。

世界のアクリル関連の製造業の中で、三菱レイヨンは原料から成形材料・シート・塗料用樹脂など多品種にわたる加工品の生産を手がける唯一のメーカー。ここに利益を稼ぎ出す仕組みが隠されている。

素材の原料は市況の変動に大きく左右される。原料を外販するだけでなく、自社でも成形材料など様々な製品向けに使う一貫生産体制を敷くことで市場変動リスクを回避する。

もちろん一貫生産のメリットを享受するには、他社に負けない低コストの生産体制を整えておくことが前提になる。同社は樹脂シートの連続生産技術を世界で初めて開発するなど、この分野で最先端の技術を駆使し続ける。

3荷主研究者:2003/09/24(水) 00:15
>>2 続き。

営業利益の7割

三菱レイヨンの売上高は化成品・樹脂事業が4割、繊維と機能製品・エンジニアリング事業がそれぞれ3割を占めるが、アクリルへの特化戦略を柱とした化成品・樹脂事業で営業利益の7割を稼ぐ。

2003年3月期の連結売上高営業利益率は前期比0.4ポイント増の6.7%になる見込み。利益率では2、3%台の東レや帝人を大きく上回る。

「自社のコア事業との関連が認められないではないか。」2001年9月。皇社長はそれまで70億円ほどの売り上げを記録してきたドライアイスと液化炭酸ガスの両事業の売却を決断した。「アクリル製品のチェーンを目指す」(皇社長)という経営方針を貫くためだ。

三菱レイヨンがこうしたアクリル事業に特化する布石を打ち始めたのは10年ほど前のこと。1993年に社長に就任した田口栄一現会長は「経営ががけっぷちに追い込まれていたことが引き金になった」と明かす。

93年度の決算は5億円の黒字を確保したが、実態は25億円の赤字に陥っていた。バブル崩壊の影響で繊維や樹脂の需要が急速に落ち込んだことで、数百億円に上る積極投資が裏目に出る。

設備稼働率が3割程度に落ち込んだ工場もあった。「他社に比べ技術力で優位に立つアクリル事業に特化するしか、生き残る道はなかった」と田口会長は当時を振り返る。

合併進めやすい

合繊メーカーにとって最大の事業は汎用性の高いポリエステル繊維だ。三菱レイヨンも69年に生産を開始し事業に参入した。だが、その時点で東レや帝人に比べ12年遅れのスタートだった。「東レや帝人の10分の1の生産規模ではとても太刀打ちできなかった」と当時を知る業界関係者は指摘する。

東レや帝人は繊維王国の代名詞とも呼べるポリエステル繊維で培った技術力を生かし、異分野に手を広げて巨大企業に変身した。

だが、USBウォーバーグ証券の村松高明アナリストは「多くの繊維メーカーは多角化が進み過ぎているために、各事業の相乗効果が見えない」と指摘する。

これとは対照的に、アクリル事業に特化する三菱レイヨンについては「事業単位の買収戦略ではなく、企業同士の合併などが進めやすい」(村松アナリスト)。国内の繊維産業が低迷する中、これまで大型の再編劇なしに持ちこたえてきた合繊業界。三菱レイヨンが業界の風雲児になる公算は大きい。

(田中良喜)

4荷主研究者:2003/09/24(水) 00:16

2003年4月18日 日経産業新聞 12面
ポリプロピレン繊維 増産 三菱レイヨン 産業資材向け開拓

三菱レイヨンはオフィスのカーペットなどに使うポリプロピレン繊維を増産する。豊橋事業所(愛知県豊橋市)の年産能力を2004年度に現在より13%増やし8500トンにし、2006年度には委託生産の拡大により1万トンの販売を目指す。従来の難燃剤を添加せずに焼却処分が容易な製品も開発し、産業資材向けなど新たな需要を掘り起こす。

ポリプロピレン繊維はポリエステルなど他の化学繊維に比べ最も比重が軽く、水を吸収しない。オフィス・ホテルのカーペット、自動車のマット、かばんのひも、船舶用ロープなどの素材として使われている。三菱レイヨンはポリプロピレン長繊維では国内最大の生産規模を持つ。

繊維製品を燃えにくくするため塩素などの物質を含むハロゲン系の難燃剤を添加するのが生産の一般的な手法だ。同社は繊維に特殊な樹脂を入れ、ハロゲン系の難燃剤を使わずに高い難燃性と耐候性を持つポリプロピレン繊維の開発に2年前に成功。この製造技術により焼却処分しても有毒なガスの発生の恐れがなく、紫外線でも色が落ちにくい点などを前面に打ち出し、本格的な市場開拓に踏み切る。

今後、屋外のテントやイス張り向けなど様々な需要を新規に開拓していく考え。その一環として、キャンバス製造会社のカンボウプラスと建築工事用シートの共同開発にも着手した。

委託生産の拡大とともに、将来はさらに豊橋事業所の設備増強も検討する。国内の繊維需要が低迷する中、新たな繊維事業の柱に育てる。

▼ポリプロピレン(PP)繊維
日本では三井化学が1962年に生産を始め、東洋紡や三菱レイヨン、日東紡など繊維・化学メーカー数社が参入した。原料となるプロピレンが安い価格で調達できることから、当時は「夢の繊維」と呼ばれた。
ただ、PP繊維は染色することが難しく衣料用には適さないことが判明し、大半のメーカーが撤退した。その後、カーペットなど産業・生活資材向けの需要が拡大したが、大手合繊メーカーでPP長繊維を生産するのは現在、三菱レイヨン1社だけになっている。
紙おむつ向けなどの不織布の材料としても使われ、不織布は三井化学や旭化成などが製造している。


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