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国際経済学

1251とはずがたり:2017/09/10(日) 08:56:45
>>1250-1251
<「大いなる安定」は復活するか>

金融危機以前に人気を集めたが、信用を失ってしまったとされる理論の1つに、「大いなる安定(Great Moderation)」という考え方がある。財政・金融運営の改善により米国の経済成長に新たな予測可能性がもたらされる、というものだ。

過去10年間、世界経済は急激な変動に見舞われたが、米連邦準備理事会(FRB)による2014年の研究論文では、激しい変動が時折生じつつも、緩やかな経済変動が常態になるだろうと結論づけている。

世界的に調和の取れた成長が見られるのは、金融危機以降、比較的どの国でも共通して、景気支援的な金融政策が実施され、どうにか維持されていることの結果かもしれない。

こうした見方に従えば、もし主要国の中央銀行が政策変更すれば、恐らくFRBが実際に金利正常化を進めれば、事態が一変してしまう可能性がある。

また、「脱グローバリゼーション」の勢いが増しているにもかかわらず、協調的な金融政策によって成長が維持されている可能性もある。

「脱グローバリゼーション」は、単なるポピュリストによる破壊的な要求の結果ではない。この論拠の一端は、個々の国家が金融システムをもっとしっかり管理できるようにする必要がある、という点にある。金融システムは、互いに複雑に絡み合っているとはいえ、それを維持しているのは各国の税金なのだ。

グローバリゼーションの流れが逆転とまで行かずとも減速しているという有力な証拠はある。今年のグローバル貿易は約2.4%成長すると予想されており、これは経済全体の成長率を大きく下回っている。

1950年から2008年にかけて、グローバル貿易は世界経済の3倍のペースで成長した。これは戦後の貿易拡大と、最終的に中国と旧ソ連圏が世界市場に統合されたことによるものだ。

経済のグローバリゼーションを示すもう1つの優れた指標が、銀行間のクロスボーダー決済だが、金融危機後の大半を通じて成長率はゼロパーセント程度で推移しており、それ以前の力強い拡大とは好対照を見せている。

グローバル規模で調和のとれた成長という「大いなる安定」は長続きするのだろうか──。当面は続くだろう。だが、米国における「大いなる安定」がそうであったように、政策によって変動を抑制することはできても、根絶することはできないのかもしれない。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)


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