したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

応用栄養学特論

1537とはずがたり:2015/11/17(火) 14:08:50
>>1534-1537
先に書いたように、マクドナルドは2006年前後に、それ以前の90年代末から進めてきた多様化のためのM&A努力をムダにする形で、チポトレやボストンマーケットといった人気を集めている新しいタイプのファストカジュアルレストランの持ち株を売却した。ハンバーガービジネスに集中するという名目のもとに……。

マクドナルドはコカ・コーラほどの歴史はないが1940年に創立した75年の歴史ある企業だ。歴史とプライドがここでも変革のさまたげになっているのだろうか? マクドナルドと別れたチポトレの創業者は、サスティナビリティに関心をもち、良質な原材料をつかうという考え方は、加工した材料や冷凍した材料をつかい、生産性一辺倒の機械化されたプロセスを採用するファストフードの企業文化とはあいいれなかったと言っている。「ドライブスルーを採用したらどうか」とかいってくるマクドナルドのアドバイスに「ノー」を繰り返しているうちに、両社のあつれきが大きくなったと語っている。

価値観や企業文化が違うブランドを傘下におさめるからこそ、異なる価値観をもつセグメントが乱立する世界市場でも全体として売上をあげていくことができる。自分たち親会社とは異なる価値観をもった子会社(ブランド)の個性を認め管理していくことは、忍耐と理性を必要とする非常に難しい仕事だ。が、それに成功すれば、21世紀の異なる価値観をもった複数のセグメントにアピールして成長していくことができる。

そう判断できなかったのは、やはり、歴史に裏打ちされた誇りだろう。いや、変化への不安感のせいかもしれない。

だが、たとえば、フランスのマクドナルドは、米国のマクドナルドとは異なる方針でチェーンを経営している。朝食には、フランスパンにジャムとコーヒー、あるいはクロワッサンにカフェオレ。また、食材も地産地消の考え方で、抗生物質や成長ホルモンをつかっていない高品質の肉が提供されるという。郷に入れば郷に従えということなのだろう。

日本でも月見バーガーとか、最近では、とんかつバーガーとか、日本特有のメニューに力を入れている。とんかつバーガーはまだしも、カマンベールチーズとバケットを食べていて、それでも、「私はいまマクドナルドで食べているわ」と思えるだろうか? 緑茶「綾鷹」のTVコマーシャルに、赤いコカ・コーラのロゴが大きく出てくるような違和感を感じないだろうか?

いずれにしても、同じマクドナルド・ブランドで、これだけの個性の違いを、文化が違うのだからと認めることができるのなら、なぜ、チポトレやボストンマーケティングも同じように管理運営できなかったのか?……やはり、首をかしげてしまう。

●参考文献
1.マック世界で苦境、読売新聞 5/5/15
2.米マクドナルド、内憂外患、日経新聞 9/11/14
3.米、野菜主役の外食台頭、日経MJ 5/8/15
4.George Arnett, How Coca-Cola is fighting against a US public losing the taste for it, the guardian, 2/13/15
5.McDonald's tried to turn Chipotle into another McDonald's, Money, 2/3/15
6.Joe Satran, Steve Ells, Chipotle Founder, Refelcts On McDonald's, Huffingtonpost, 7/12/2013
7.Lara O'Reilly, The end of the Coke eram Business Insider 8/4/2015
8.Andrew Ross Sorkin, McDonald's said to weigh an arches-only strategy, The New York Times 28/3/03
9.高遠弘美、肥満の文化史「ポッチャリ礼賛」、現代社会における肥満の実態に迫る


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板