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応用栄養学特論
1259
:
とはずがたり
:2014/03/05(水) 13:07:25
>>1258-1259
FCシフトの功罪
ところが、その店舗と人材に異変が起きている。マクドナルドは2006年から直営店のFCへの売却を続けている。原田氏はその目的を「FCビジネスを強化し、全店での投資を最適化する」と説明してきた。2007年から累計で1400店以上をFCに譲渡したことで、全店に占めるFC店の比率は2007年末の28%から2013年末には68%にまで上昇。2008年以降の店舗関連の売却益は累計で150億円に達する見込みだ。
性急なFC化は収益の底上げと人件費などのコスト削減をもたらしたが、一方で土台を支える現場力は低下傾向にある。財団法人日本生産性本部傘下のサービス産業生産性協議会が行っているJCSI(日本版顧客満足度指数)によれば、2010年の調査では外食企業21社中、マクドナルドの顧客満足度は14位、ブランドへのロイヤルティ(同じブランドを複数回購買する程度)は2位だった。だが、2013年にはどちらも27社中、最下位となった。
調査にかかわった法政大学大学院の小川孔輔教授は「性急なFC化路線でサービスが落ちている。特にこの1年間で劇的に数値が低下した」と指摘する。業界でも「直営で社員だからこそモチベーションが向上し、高いサービスが維持できる。FC化後も同じ水準を維持できるのか」(外食チェーン幹部)という声も強い。
さらに、現場を知り尽くした、たたき上げの人材も続々と会社を去っている。実際にこの数年で、同じ外食業界のすかいらーくにマーケティングや店舗業務の担当幹部など、少なくとも10人以上が転職。最近でも、管理部門の要職を歴任した村尾泰幸氏がバーガーキング・ジャパンのトップに転じている。
マーケティングにヒットが生まれなくなっただけでなく、現場や店舗運営の力が弱まり、精緻な連携が取れなくなったことで、業績は凋落を続けている。「成熟市場なだけに、一度歯車がかみ合わなくなると、それぞれの歯車に強烈なプレッシャーがかかってくる。立て直すのは容易ではない」(前出の元幹部)。
カサノバ氏が打ち出す“原点回帰”
カサノバ氏は昨年8月に事業会社のトップに就任して以来、カウンターにあるメニュー表や持ち帰り用のビニール袋を復活させる一方、24時間営業店舗の削減、期間限定商品の投入再開など、原田路線の否定とも取れる手を打ってきた。
さらに、今年2月に開いた2014年の経営戦略発表会では「家族客の取り込みを目指す」と、原点回帰を打ち出している。
ただ、サービスレベルの低下と人材の離脱が続く中、業績浮上の兆しは見えない。1月の既存店売上高こそ、7カ月ぶりに前年を上回ったものの、依然として客数減に歯止めはかかっていない。複数の業界関係者は「今年は消費増税も控えており、マクドナルドは業績浮上について打つ手はない」と口をそろえる。
眼前に横たわる苦難を乗り越え、マクドナルドは再び輝きを取り戻せるのか。名実ともにトップとなったカサノバ氏は厳しい舵取りを強いられそうだ。
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