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国際関係・安全保障論

730とはずがたり:2004/12/19(日) 05:57
>>724

東論西談:EU加盟目指すトルコ 念願と不信が屈折
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20041219k0000m070130000c.html

 トルコで今、ゴマパン屋のチェーン店が繁盛している。ドーナツ形のパンはトルコ語で「シミト」と呼ばれる。どの店もセルフサービスで、基本的にシミトとチャイ(紅茶)しか置いていない。田舎風の小ぶりな木製のテーブルとイスが、店内にトルコ伝統の雰囲気を醸し出している。シミト1個と紅茶1杯で100円そこそこ。3年前の経済危機で誕生したトルコ版ファストフード店だ。

 「トルコ人ならハンバーガーよりゴマパンでしょ」。若者の客になぜハンバーガー店に行かないのか尋ねると、そんな答えが返ってきた。最近はハンバーガー屋の跡地にゴマパン屋が開店したりしている。「欧米に対するトルコ人の屈折した心理も影響していると思いますよ」。現地助手はそう解説する。

 欧州連合(EU)の加盟問題を取材するためトルコを訪れたが、EU加盟を熱望する声が意外に少ないことに驚いた。若手企業家らでつくるトルコ青年実業家協会の幹部は「EU切望の時期は過ぎた」と言い、「トルコの誇りを傷付けてまで加盟に固執する必要はない」と語気を強めた。

 背景には、EUへのぬぐいがたい不信感がある。トルコ第3の都市イズミルで行われた大学生の世論調査では、全体の74%が「EU加盟に賛成」と答えたが、うち45%は「EUがトルコ加盟を認めると信じていない」と答えた。一口に加盟賛成が7割を超えると言っても、その熱意はEUへの不信感ですっかり冷え込んでいるのが実態だ。

 トルコは63年にEUの前身と連合協定を締結して以来、41年間もEU加盟を夢見てきた。ここ数年は加盟条件を満たすため民主化や人権改善などを大車輪で進め、EU欧州委員会の拡大担当委員に「加盟条件は整った」と言わせるだけの成果を上げた。だが、EU側は首脳会議の直前になって、加盟条件になかったトルコと緊張関係にあるギリシャ系キプロス共和国の承認を新たに追加。トルコのエルドアン首相はこうしたやり方に「差別だ」と怒りの声を上げた。

 第一次大戦後、オスマン・トルコ帝国に代わって誕生した新生トルコにとって、欧州は常に近代化のかがみであり、手本だった。国民の99%がイスラム教徒でありながら、厳格な政教分離の原則を貫くことで、自分たちが欧州の一員として認められる日が来ると信じてきた。半面、西洋へのあこがれやオスマン時代からの自尊心、イスラム教徒としてのアイデンティティーのはざまで、トルコ人は自分たちのあるべき場所を探しあぐねてきた。

 EU首脳会議はトルコに対し、来年10月3日からの加盟交渉開始を約束したが、交渉には10〜15年が必要とみられている。「トルコ人は自分たちが向かおうとしている場所に不安を感じています。10年後に同じ道を歩いているかどうか、誰にも分かりません」。現地助手の話に耳を傾けながら食べるシミトが、なぜかのどにつかえた。[イスタンブール樋口直樹]
毎日新聞 2004年12月19日 0時21分


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