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国際関係・安全保障論
5488
:
とはずがたり
:2022/06/10(金) 14:38:31
>>5486-5488
まず、歩兵の数が200人と少なすぎる点です。200人は自衛隊でいえば一個普通科中隊の人数です。大隊レベルであれば600人の歩兵は最低限必要だと思います。次にBTGは指揮・統制が難しい組織だというです。指揮官は機動と火力を連携させ、電子戦をやり、障害処理を行い、補給や修理などの兵站も行わなければいけません。そのためには優秀な指揮・統制システムが必要ですが、そのシステムが機能したとはとても思えません。
そして、ロシア軍がBTGの実戦的訓練をほんとうに行ったのか極めて疑わしいと思います。それは井上さんが指摘した基本的な行動をとれていない点からも明らかです。
■アメリカ軍とロシア軍は根本的に戦術が違う
【井上】アメリカ軍とロシア軍の戦術面の根本的な「違い」を指摘したいと思います。ロシア軍は、伝統的に「命令で動く戦術」です。それに対して西側諸国のアメリカやドイツ、イスラエルなどは、任務を与えて達成させる「任務戦術」を基本にしています。「任務戦術」においては、上級部隊は任務を付与しますが、その達成の仕方の細部まで統制することなく、下級部隊を信頼して委任します。
加えて上級部隊は、任務達成に必要なアセット、つまり装備等を提供します。任務を与えられた下級部隊のリーダーは、階級に関係なく、上級部隊の企図や指針に基づき、自ら状況判断と決心を繰り返しながら、任務を達成していきます。ロシアの大隊戦術群が、しっかり機能するには、このような「任務戦術」をベースにする必要があります。
ところが「命令で動く戦術」だと、上級部隊の命令がないと動けません。上級部隊の命令を実行するには状況が違いすぎているにもかかわらず、その命令を守っていくことしかできない。侵攻してみたら状況が違っていたにもかかわらず、現状に合わせた作戦変更を現場の部隊ができない。上級部隊は現場の状況を把握できないので、適切な命令変更ができない。これでは任務の達成が難しくなります。
ウクライナでのロシア軍は、まさに、このような状況で、指揮や戦術が硬直化しており、柔軟性に欠けています。
【渡部】そういう柔軟な作戦を実行できる部隊を、ロシア軍も改革のなかで目指し、大隊戦術群をつくったはずなのです。しかし末端の指揮官や兵士が、それを運用できる練度に、まだまだ達していなかったことを、今回の戦争で示してしまったことになります。
■ジョージア紛争での成功体験が裏目に出ている
【佐々木】ジョージア紛争での成功体験も影響していると思います。ジョージア紛争では今回に比べて作戦は非常に単純でした。ジョージア中央に位置する「南オセチア自治州」には、紛争前からロシアの平和維持軍が駐留しており、現地のロシア軍部隊の支援を得ながら軍事作戦ができました。
また、ウクライナと違い、当時のジョージアは旧式の装備しか保有していませんでしたので、5日ほどで、西部のアブハジア自治共和国および中部の南オセチア自治州を制圧でき、作戦目的を達成しました。部隊規模も今回と比べて小さかったために、比較的容易にいわゆる統合的な作戦ができたものと思われます。そのため、改革で目指した本来の機能を実現できていない部隊でも勝てた単純な戦争でしかなかったのかもしれません。
ジョージア紛争以降でロシアによる軍事介入は、シリアくらいしかありません。そのシリアでもミサイルを大量に撃ち込んだくらいで、派遣された地上軍が大々的に作戦を展開したわけではありません。軍改革の目標が実現されているかどうか、まったく検証されてこなかったわけです。
そのうえ、渡部さんが指摘されるように訓練が十分にできていないのですから、大隊戦術群が構想どおりのオペーレーションができるはずがありません。
【井上】組織は変えたけれど魂までは変えられていない。それが、今回のウクライナ侵攻で証明されてしまった。信じられないくらい未熟で、お粗末なロシア軍の現状です。
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渡部 悦和(わたなべ・よしかず)
ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー
1978年東京大学卒。陸上自衛隊入隊後、外務省出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学等を経て、東部方面総監。2013年退職。
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佐々木 孝博(ささき・たかひろ)
広島大学大学院人間社会科学研究科客員教授
1986年防衛大学校卒(30期)、博士(学術)。海上自衛隊入隊後、オーストラリア海軍大学留学、在ロシア防衛駐在官等を経て、下関基地隊司令。2018年退職。
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井上 武(いのうえ・たける)
元陸上自衛隊富士学校長
1978年防衛大学校卒(22期)。陸上自衛隊入隊後、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、ドイツ防衛駐在官、陸上自衛隊富士学校長等を経て、2013年退職。
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