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国際関係・安全保障論

5322とはずがたり:2022/03/14(月) 20:47:48
ウクライナ侵攻、プーチンの攻撃性のウラにある切羽詰まった国内事情とは
今のロシアを巡る動きは、旧関東軍と国際的に孤立した戦前の日本にも似ている
2022.3.4(金)
岩田 太郎
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69112



 ネベンジャ国連大使をはじめ、ロシア側の外交官や報道官の現在の心境も、石射([国際]連盟が1932年3〜6月に派遣したリットン調査団の聞き取り調査に対応した外交官の石射猪太郎(いしいいたろう))のそれに近いものではないだろうか。ウクライナ人が「ネオナチのウクライナ政府」から解放されることを望み、ロシア軍を歓迎するとの物語は子供にもバレる虚構であり、「ロシア軍の蛮行で苦しむウクライナ人というのは、西側の嘘だ」と苦しい弁明をするしかない。

 ちなみに、ロシアが言うように、ナチスに傾倒するテロリスト・ヘイトグループである数千人規模の「アゾフ連隊」がウクライナ内務省のお墨付きの下に蛮行を働いたのは事実である。だが、そのためにウクライナ全土を侵略し、2000人を超える非戦闘員を殺害し、あまつさえ核兵器使用をチラつかせるというのは、つじつまが合わないだけでなく、つり合いがとれていない。

 ロシアには、隣国を侵略併合しなければならないほどの、別の切羽詰まった事情があると考えるのが妥当であろう。

民生用技術や非エネルギー産業が脆弱なロシア
 思えば、わが国が満洲や中国北部、中部方面での戦争に深入りし、ついには破滅的な結果をもたらした大東亜戦争に突入していく原因や過程には、内地の政治不全や不景気、経済格差の拡大、資源の欠乏などの国内問題が背景として存在した。わが軍部や指導者たちは、抑え切れなくなった国内矛盾の解決を侵略に求めたのである。

 対するロシアのプーチン大統領は、米国をリーダーとする北大西洋条約機構(NATO)との境界が緩衝地帯であるウクライナを超えて自国に迫ることを安全保障上容認できず、止むなく自存自衛に立ち上がったとされる。その行動は、力ずくによる旧ソビエト連邦帝国の版図の回復、ひいては現在の協調的な国際秩序の変更を意味する。

 しかし、大国として国際秩序の改変を意図しているにもかかわらず、かえってロシアの小国的な脆弱性が露呈してしまった。…ロシア国民自身が、自国通貨であるルーブルをまるで信用していないため、日常的に「敵国」の通貨である米ドルをため込んでいる。ロシアの力を信頼していない証である。ロシア国民は自国経済のファンダメンタルズ、すなわち国力が弱いことを見抜いているからだ。


 プーチン政権の基盤は、原油輸出などエネルギー収入で大規模な「バラマキ」を実施できるため国民の支持が高く、一見盤石である。にもかかわらず、政策において産業構造にバランスをとることに失敗している。

 ロシアは本当に不思議な国だ。核兵器や極超音速ミサイル、ステルス戦闘機など極めて高い兵器開発能力や世界一流のハッカー養成力がありながら、民生用技術や非エネルギー産業がからっきし弱い。そうした中、コロナ禍で悪化した失業率や供給面での問題の改善は足踏み状態だ。

 国際通貨基金(IMF)が発表した国内総生産(GDP)番付では2021年に、世界10位の韓国に次ぐ11位と、経済力・国力の勢いに欠ける。プーチン大統領はついに、従来の公約であった「GDPランキング世界第5位以内」の目標を取り下げてしまった。

 大統領は固定資本の増強も掲げたが、[クリミア侵攻以来の制裁で]国内外のマネーを呼び込むことができず、非原料・非エネルギー商品の輸出を2020年から10年で70%以上増やす目標の達成も危うい。続投が最長2036年まで可能となったプーチン氏であるが、支持率は最盛期と比較すると低落気味だ。軍備の面でも、通常兵力では米国に敵わないため、核兵器でバランスをようやく保つという歪(いびつ)な構造となっている。



懸念されるプーチンと習近平の暴走
 だが、ロシア指導部には米国や西欧の金融制裁が、核兵器使用と同じ意味に受け止められたのだ。戦前の日本が米国による原油の禁輸で一番痛いところを突かれたことをきっかけに、国力がはるかに上回る米国を相手とする戦争に突入した歴史と似ていなくもない。戦前の日本と違い、ロシアは全世界を破滅させられる核兵器を保有しているため、偶発事件などによるプーチン氏の暴走が懸念される。

 さらに心配なのが、経済力をつける面ではロシアよりはるかにうまくやっている中国だ。戦前の日本の失敗に学び、国力が米国を完全に上回るまでは米国に牙を剥かないという、元最高指導者・鄧小平の「韜光養晦(とうこうようかい)」の教えが守り切れなくなるリスクが大きいからだ。

 中国共産党は、都市戸籍と農村戸籍の区別により作り出した階級搾取で肥え太った独占支配階級であり、国営企業による非効率な経済構造が、習近平国家主席の経済指導の現実からの乖離(かいり)で悪化する兆しが見られる。




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