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国際関係・安全保障論

5282とはずがたり:2021/10/06(水) 10:01:33

中国はあざ笑っている? 「AUKUS」が生まれたおかしな経緯
9/30(木) 6:01配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/c91dc7aac7da539c8358da139e5d2fc298600d7b?page=1
JBpress
(北村 淳:軍事社会学者)

 アメリカはソ連との冷戦に打ち勝ち世界最強の軍事的スーパーパワーと自認したことが、慢心へと繋がった。そして米本土におけるテロ攻撃に怒り狂い、反米イスラムテロ組織壊滅のための対テロ戦争を20年間も遂行した。

 対テロ戦争の主たる戦場はイラクやアフガニスタンの砂漠地帯、市街地、山岳荒れ地であった。そのため、地政学的にはアメリカの国防の主力であるはずの海洋戦力の強化がこの20年間で滞りがちとなった。気がついたときには、覇権主義的海洋戦略を推し進める中国の海洋戦力に猛追されており、一部戦力は追い抜かれてしまった。今やペンタゴン自身もその事実を認めざるを得ない状況に立ち至ってしまっている。

■ “やっている感”をアピールしたいバイデン政権

… 実際にトランプ政権時代には、軍艦建造費をはじめ海軍関連予算が大幅に増額される方針が打ち出された。

 ところがバイデン政権には、中国と軍事的に直接対決することはもちろんのこと、海軍軍拡競争へ突入する気はさらさらない。かといって中国の覇権主義的海洋侵出へ何らかの牽制姿勢を示さないと、民主国家のリーダーを自認している手前、格好がつかない。しかしながら、トランプ大統領のように海洋戦力強化に莫大な国家予算を投入したくはない。

 そこでバイデン政権は、同盟国の海軍戦力を南シナ海、東シナ海、西太平洋方面に呼び込んで、中国海洋戦力に対して相対的に弱体化してしまった自らの海洋戦力を実質的に増強し、“やっている感”をアピールしようと躍起になっている。

■ NATO海軍を引っ張り出して中国を牽制

 手始めに、東アジア海域に軍艦を派遣したフランス、ドイツそしてイギリスなどのNATO諸国に、対中スクラムに参加することを期待した。それらの国々はトランプ政権時代に国防予算が少なすぎるとねじ込まれ、アメリカへの軍事的協力を実施しているポーズを取るために、東アジア海域に軍艦を派遣したのである。



バイデン政権が対中牽制網に活用しようと考えたのはNATOだけではない。白羽の矢が立ったのが、いわゆる「クアッド(Quad)」である。そもそもクアッドは、尖閣問題で中国に圧迫され続けている日本が、アメリカを盟主としてオーストラリア、インドと同盟的関係を構築することで中国を牽制しようというアイデアであった。トランプ政権に引き続きバイデン政権もクアッドには乗り気だ。

 しかしながら、日本と違ってインドは、自国の国防を大幅に外国に、それも特定の外国に依存することで軍事的属国となってしまうことを極度に警戒しており、クアッドに軍事的要素を盛り込むことを拒絶している。そのため中国海洋戦力に威圧されつつあるオーストラリアや日本、それにバイデン政権が期待していたようにクアッドにより中国を軍事的に牽制する目論見は挫折した。

■ 豪海軍の潜水艦戦略のいい加減さが露呈

 そこで考えついたのが「AUKUS」という英語圏軍事同盟である。



旧式潜水艦しか保有していないオーストラリア海軍は、新型(非原子力)潜水艦を12隻調達して中国海軍の脅威に少しでも対抗しようと考えた。その経緯は本コラムでもしばしば取り上げたが(2016年3月3日、2016年4月14日、2016年5月5日)、フランス、ドイツ、日本が史上最高額の武器取引と言われた12隻の潜水艦パッケージの売り込みを実施し、本命とみなされていたフランスが新型潜水艦の契約を勝ち取った。

 その後、予定建造価格が跳ね上がってしまいオーストラリア政府とフランス政府の間の外交問題にまで発展したものの、結局首脳会談などによってフランス潜水艦のオーストラリアへの輸出が実現するかに見えた。

 だがそのような状況下で、アメリカがイギリスを誘って、オーストラリアに新型原子力潜水艦を供与することによって、南シナ海をはじめインド太平洋海域での対中牽制戦力を3カ国の海軍戦力で構築しようとしているのである。

 当然のことながら、大規模武器取引を英語圏3国軍事同盟の結成と引き換えに潰されてしまったフランスの怒りは激しく、フランスはじめNATO(イギリス以外の)諸国の間にも米英に対する不信感が生じている。またインドも、AUKUSという露骨に対中国を標榜した英語圏軍事同盟が出現したことにより、ますますクアッドから軍事色を一掃するように動き始めた。

 なによりも軍事的にはオーストラリア海軍の潜水艦戦略のいい加減さが露呈したと言える。




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