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国際関係・安全保障論

4779とはずがたり:2017/09/29(金) 08:27:57
>>4778
ただし、と付け加えた。
「もともとトランプには格調高い演説など求められていない。ある意味、トランプらしいという言い方はできる。金正恩をロケットマンと呼ぶのも、トランプ流という言い方はできる。それに、『北朝鮮を破壊する』という表現は、『仮に…』という仮定がついており、これは従来からのトランプ政権の発言からは大きな変化はない」

これは意外に感じるかもしれないので、トランプ大統領の演説を記しておきたい。かなり長い演説だったが、北朝鮮について触れたのは全体の一部だ。因みに「完全に破壊する」の部分は次の様に話している。

「米国は強力な力と忍耐を持っている。しかし、仮に米国、そして同盟国を防衛することを強いられるならば、我々は北朝鮮を完全に破壊する以外に選択肢はない。ロケットマンは自らと自らの政権にとって自殺行為をしていることに他ならない。米国は(北朝鮮を破壊する)準備を整えており、その意志と能力を有している。しかしそうならないことを願う」

トランプ大統領のこの発言に北朝鮮側も反発しており、緊張を煽るものとなっていることは間違いない。ただ、そのトランプ大統領でさえ、「対話を拒否する」とまで明言はしていないことは留意しておいた方が良い。

トランプ大統領は「対話は解決策ではない」とツィートしたと日本では以前報じられているが、トランプ大統領は「Talking is not the answer」、つまり「対話は答えではない」と言っているだけだ。「答え」は北朝鮮が核を放棄することである以上、「対話」が答えということはあり得ない。しかし、だからと言って、このツィートを、対話を否定しているとまで読むのには無理がある。

つまり、トランプ大統領は首脳としては品位を欠く演説をしたわけだが、北朝鮮への対応としては従来からの「全ての選択肢がある」という範囲で発言を続けているのである。

一方、安倍総理は国連の場で北朝鮮との対話を拒否することを明言してしまった。これは、自ら選択肢を狭めてしまったということである。もとより外交というのは様々な選択肢を勘案して進めるものだ。それを考えた時、安倍総理の演説は後々の日本政府の対応を縛るものとなってしまうことは間違いない。

普通に考えたら、日朝間で公式、非公式を問わず交渉を行う状況は来る。そうでなければ、逆に日本は蚊帳の外に置かれる事態になる。仮に、米朝が協議を始めた場合でも、日本はその推移を見守るだけなのだろうか?或いは、この国連演説が無かったかのように対応するのだろうか?

総選挙の結果の如何に関わらず、何れ検証を求められることになるだろう。

立岩陽一郎
調査報道NPO「ニュースのタネ」(旧iAsia)編集長
調査報道を専門とする認定NPO運営「ニュースのタネ」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。1991年一橋大学卒業。放送大学大学院修士課程修了。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクとして主に調査報道に従事。政府が随意契約を恣意的に使っている実態を暴き随意契約原則禁止のきっかけを作ったほか、大阪の印刷会社で化学物質を原因とした胆管癌被害が発生していることをスクープ。以後、化学物質規制が強化される。「パナマ文書」取材に中心的に関わった後にNHKを退職。公益法人「政治資金センター」理事として政治の透明化に取り組む。毎日放送「ちちんぷいぷい」のレギュラー・コメンテータ。


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