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国際関係・安全保障論

4639とはずがたり:2017/09/04(月) 20:11:34

 中国海軍の軍事演習の目的は北朝鮮以外にあるということである。中国が軍事行動の範囲を拡大するのは発展戦略に沿ったものであるが、最近の活発な軍事活動は、中国が認識する地域情勢や安全保障環境に対応したものでもある。中国が北東アジア地域における軍事プレゼンスを誇示する必要があると考えるのは、米国が同地域において軍事プレゼンスを高めているからなのだ。

明確な意図を示そうとする米国
 米国が、北東アジア地域で軍事プレゼンスを高めるのは、北朝鮮に対する軍事的圧力を強めるためである。特に、2017年2月の日米首脳会談以降、トランプ大統領は、北朝鮮の核弾頭と長距離弾道ミサイルの開発に対する危機感を示し始め、4月の米中首脳会談では、北朝鮮の核兵器開発を解決するための協力を中国に求めている。

 当時から米国は、軍事的オプションを示している。米中首脳会談の直後に、米国は空母「カールビンソン」を朝鮮半島周辺海域に派遣したと報じられた。通常、空母を始めとする海軍艦艇の行動に関する情報は秘密に属する。敢えて、空母の行動を示すというのは、けん制しようとする相手に対して軍事的圧力をかけるという意味である。そのためには、誰を何のためにけん制しようとするのかを明らかにしなければならない。

 朝鮮半島周辺海域という展開する海域を明示することで、米国の軍事的圧力が北朝鮮に向けられていることは理解できるが、米国は言葉でも米国の意図を伝えようとしている。その意図を誤ったシグナルとして受け取らせないためである。

 2017年4月9日、ティラーソン国務長官は米国のテレビ番組で、米中首脳会談中に実行されたシリアへの巡航ミサイルによる攻撃を引き合いに出し、「国際合意に違反し、他国への脅威になるならば、米国はいずれかの時点で対抗措置をとる」と述べている。国際合意に反してミサイル発射を繰り返す北朝鮮を強くけん制したのである。

 それ以後も、北朝鮮は弾道ミサイルの発射試験を繰り返した。5月14日に中距離弾道ミサイル「火星12号」の発射試験を、7月4日と28日には北朝鮮が大陸間弾道ミサイルとする「火星14号」の発射試験を強行した。これらはロフテッド軌道で発射され、正確な射程は不明であるものの、7月28日に発射されたミサイルは、高度約3700キロメートルまで上昇し45分間飛翔したことから、射程が10000キロメートルに及ぶのではないかという分析もある。

 射程が10000キロメートルであれば、米国の西海岸が北朝鮮の攻撃の脅威に晒されることになる。これに対して、米国は、7月30日に、B1B爆撃機と航空自衛隊のF-2戦闘機、韓国空軍のF-15戦闘機と合同訓練を行った。B1B爆撃機は、ステルス性を考慮した機体を持ち、超低空を高速で飛行できる航空機で、北朝鮮が最も恐れる兵器の一つである。

 これに加えて、8月21日から米韓合同演習「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」が行われることに反発し、北朝鮮は「火星12号」中距離弾道ミサイル4発を用いたグアム周辺への「包囲攻撃」の計画を準備すると公表した。しかし、北朝鮮の度重なる威嚇をはねつけ、米国は韓国との軍事合同演習を開始している。

米国の圧力は北朝鮮だけでなく中国にも
 北朝鮮との間の緊張がエスカレートし、米国が軍事プレゼンスを高めるにつれて、中国は、軍事的ゲームにおいても中国の存在感を示すために、自らの軍事プレゼンスを誇示しなければならなくなっている。それは、米国が圧力をかけているのが北朝鮮だけではなく、中国も対象になっているからでもある。

 米国が北朝鮮に対して圧力をかけるのは、北朝鮮を対話のテーブルにつかせるためだ。グアム周辺への包囲攻撃の計画を公表した後の8月14日、金正恩委員長は、朝鮮人民軍戦略軍司令部を視察し、戦略軍が発表していたグアム包囲射撃作戦案について報告を受けた際に、「米国の行動や態度をしばらく見守る」と述べた。


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