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国際関係・安全保障論

4355とはずがたり:2017/04/11(火) 14:54:47

しかし、政府と議会は、会計検査院の報告に基づき、事実を解明し、責任者を処罰する能力を欠いていた。

政府予算の不正使用は、大臣や将軍が自分の懐に入れるほかは、契約を結んだ関連会社に支払うというのが常套手段である。こうした会社は、実態のないペーパーカンパニーであり、契約した事業を実施することはない。支払われた金は、大臣や将軍、およびその取り巻きたちに還流したのだった。

復興と開発の基礎となるべき道路、学校、病院などのインフラ整備の事業は、予算があったにもかかわらず、実施されないままで、現金はどこかに消えてしまったのである。

ジュバには、政府やSPLAのお偉方たちの邸宅が軒を連ねる高級住宅地が出現した。敷地内には、最新型のトヨタ、ランドクルーザーが数台駐車されているのが、おきまりの光景だ。

彼らの月給は2000米ドル程度なので、公的な収入で、こうした豪邸が建設できるはずはない。彼らは、ケニアやウガンダにも家屋敷を所有し、家族はそこに住まわせている。

お偉方の住居に関するもうひとつのパターンは、自分は高級ホテルに住み、自宅を国際機関に貸すというものである。ジュバは住宅難なので、家賃は高く、毎月100万円以上の収入になる。ホテルの請求書は、すべて政府が支払ってくれる。

高級住宅地や、ホテル、レストラン、スーパーマーケットの出現など、2005年以降のジュバは急速に発展した。

しかし、政府予算によって、新しい学校や病院が建設されることはなかった。大規模な会議が開催できる会議場もないし、ジュバ国際空港のターミナルも、内戦中の粗末な建物のままである。

こうしてジュバの復興と発展は、きわめていびつな形で進展した。ジュバ市内でも、水道や電気の供給がない、草ぶき土壁の小屋に住んでいる人は多い。貧富の格差はすさまじい。

首都を離れると、地方の人びとの暮らしは、30年前とほとんど変わらない。

携帯電話の普及くらいが、目に見える変化だろうか。ここでも、大物政治家が、電話会社におおきな利権を有しているという噂がある。教育や医療の面で、発展の証を見出すことは難しい。証があるとしたら、それは国際NGOの成果であり、政府の手によるものではない。

〔PHOTO〕gettyimages
想像を絶する汚職腐敗

独立後の2012年6月、キール大統領が75名の政府と軍の高官に「お願いの手紙」を送ったことがリークされた。その内容は、国庫から盗んだ合計40億ドルを返してほしい、返してくれたら罪は問わないということだった。

政府はのちに、この事実を認めた。ただし、75名の氏名は公表されていない。また、不正に取得された金が、国庫に戻されたという報告もない。

1人あたりの平均は、約60億円だ。4000億円を超える汚職の総額は、ふつうの国では考えられない、天文学的数字である。

汚職腐敗の、もうひとつの重要な側面は、「幽霊公務員」である。雇用されていることになっている警官、兵士、教員などのなかには、実際には存在しない者がいる。その人たちの給料は、だれかの懐に入っているのだ。

2013年8月、政府は全警官5万2000名のうち1万1000名が存在しない、1万6000名については調査を継続中という調査結果を発表した。2013年12月に内戦が勃発した時点で、SPLAの総兵力は公式には23万人だった。実数は17万人だと言われている。つまり、6万人が「幽霊」だったことになる。


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