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国際関係・安全保障論

4307とはずがたり:2017/03/11(土) 00:17:23

 ソウルでは市民が大挙して避難した。結局、米国/韓国/日本/中国/ロシアの5カ国は、北朝鮮に核兵器開発を放棄させるための《枠組み合意》を“成立”させ、エネルギー・経済援助も行った。しかし、実態は、北朝鮮に核武装達成の時間を献上する「枠組み合意」であった。

 ラッセル次官補は、さぞ怒ったことだろう。否。怒りは今、限界に達しているはず。金正恩政権が誕生すると、核実験やミサイル発射の回数は、北朝鮮軍事史上最多となった。

 ラッセル次官補らの助言もあったに相違あるまい。安全保障音痴のオバマ前政権も、さすがに任期最後の半年になって、北朝鮮の正体を学習した。

 象徴が、冒頭の地中貫通核爆弾の誇示であろう。朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の指揮・統制施設や、核・生物・化学兵器の貯蔵施設といった軍事中枢は、地下深くにあって分厚いコンクリート+岩盤で鎧われ、坑道も十重二十重に掘られている。2012年に国際問題誌ディプロマップは《軍事衛星の監視を外れる地下航空基地は20カ所、地下砲兵陣地は数千カ所》と報じている。

 正恩氏も暗殺を恐れ、極秘の地上・地下居所(複数)を日替わりで転々としているとみられる。

 国土が要塞化されている北朝鮮の特性を受け、米国は地中貫通爆弾+核爆弾の組み合わせによる北攻撃を立案している、と小欄はみる。すなわち(1)非核弾頭を搭載した通常型地中貫通爆弾=バンカーバスター(2)核爆発力を抑えた「小さな核爆弾=ミニ・ニューク」(3)通常型地中貫通爆弾では破壊できぬ深く堅牢な地下施設を破壊する、「小さな核爆弾」を装填した地中貫通核爆弾-の3種類の使い分けだ。使い分けは作戦と予想される戦況によって変わる。

 まず、かねて用意の《作戦計画5015》の場合。

 《北朝鮮の核・軍事施設など数百〜1000カ所を先制ピンポイント(精密誘導)爆撃し、米韓連合軍の主力が進攻。同時に米軍特殊作戦部隊が正恩氏ら首脳部の潜伏場所を急襲→排除する》

 片や《斬首作戦》。

 《有人・無人機で正恩氏ら首脳部の潜伏場所をピンポイント攻撃、特殊作戦部隊が急襲→排除する。もしくは、特殊作戦部隊が単独で潜入→急襲→排除を実行する》

 正恩氏は、他の無法者の斬首作戦による惨めな最期も回顧しているかもしれぬ。例えば-。

 《イスラム暴力集団を率いるテロリストのアブ・ムサブ・ザルカウィ(1966〜2006年)?2006年、米空軍のF-16戦闘機がピンポイント爆撃し、特殊作戦部隊が身柄を確保した後死亡した》

 《米同時多発テロ(2001年9月11日)の首魁にしてテロ・ネットワークのアルカーイダ総司令官ウサマ・ビン・ラーディン(1957?〜2011年)?パキスタンのアジトを米海軍特殊作戦部隊SEALsが急襲し、銃撃戦の末、仕留めた》 

 作戦計画5015も斬首作戦も、急襲目標によっては通常型地中貫通爆弾の支援を受ける。課題は、「小さな核爆弾」や地中貫通核爆弾の運用事態だ。いくら、核爆発力を抑制しても、味方の主力や特殊作戦部隊の行動は制約される。けれども、核の登場機会はゼロではない。

 米軍が核を使用する局面

 作戦や投射部隊の変更を伴っても、失敗の絶対許されない「一発勝負」の場合などだ。考えつく想定は、少なくとも2つある。

 複数標的に対し、最初の一撃で壊滅的打撃を与えないと、残存兵器の報復で、北朝鮮の言う「ソウルを火の海にする」は現実となる。非武装地帯(DMZ)付近には、多連装ロケット砲や自走砲といった長距離火力が1万門・基も集中配備されている。一斉に撃ち込まれれば被害は甚大。40キロ先のソウルは無論、200キロ飛ぶロケットは軍の重要施設が集まる大田(テジョン)にまで達する。

 もう一つの理由は、正恩氏の「若さ」。「首級」をあげられず、正恩氏が政権崩壊を目指す暗殺未遂を経験すれば、側近や重臣に裏切り者がいると猜疑心を重篤なほど深め、粛清を今以上に劇化させる。粛清だけなら周辺国への被害は限られるが、30歳代前半の若き指導者は、乏しい判断能力をさらに下げてしまう。


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