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国際関係・安全保障論

4195とはずがたり:2016/12/12(月) 10:39:41
 早い話が、習近平主席は「アジアのルールはアジアの皇帝であるオレが決める」と言いたいのだ。だから常設仲裁裁判所の判決など、「一枚の紙くずにすぎない」(劉振民外務次官)。

 東シナ海に関しては6月9日深夜、ついに人民解放軍の艦艇が、尖閣諸島の接続水域に侵入した。このことは日本にとって、二つの重大な意味を持つ。

 一つは、人民解放軍による尖閣諸島奪取のシナリオが、「第4段階」(領有権の主張→漁船の侵入→公船の侵入→艦艇の侵入)まで来たことだ。中国側からすれば、次は軍による尖閣奪取である。

 実際、中国は8月5日から9日にかけて、尖閣諸島近海に「猛襲」し、日本は震撼した。私は8月初旬から中旬にかけて北京を訪問したが、中国側の「空気」を読み解くと、次のようなことであったと推察される。

 1 中国は、7月12日の常設裁判所の判決の「黒幕」は日本とアメリカだと思っている 
 2 このまま日本が、南シナ海の問題に関わってきたら、やっかいなことになる 
 3 日本に「南シナ海問題に関わるな」という警告を発する意味で対日威嚇行動を実施する 
 4 そのため今回の行動は、日本に対する「反撃」であって、「挑発」ではない 
 5 今回の行動は、8月半ばまでにいったん終える 
 6 今回の行動は、近未来に釣魚島(尖閣諸島)を奪取するためのものでもあり、今後、日本の動きを見ながら常態化させていく

 従来の中国外交は、自国で重要な国際イベントを控えた時は、ひたすら周辺諸国との「微笑外交」に務める。一昨年11月の北京APEC(アジア太平洋経済協力会議)、昨年9月の抗日戦争勝利70周年軍事パレードの時も、同様だった。

 だが今回は、杭州G20開催の1カ月前というのに、あえて日本への「恫喝外交」に出たのである。それだけ南シナ海問題で、追い詰められていたとも言えるが、尖閣を「取りにくる一歩手前」まで来たとも言えるのである。
人民解放軍はいつ決断するか
 それでは、人民解放軍はいつ尖閣奪取の決断を下すのか。

 私は、アメリカ軍が尖閣諸島を巡る日中戦争に加担しないと中国が確信を持つことが、その必要条件であると見ている(十分条件ではない)。

 ともあれ、「第一列島線」をめぐる米中の角逐の渦中に、日本もいよいよ巻き込まれる時代が到来したということだ。安倍晋三政権は、この3月に安全保障関連法を施行するなど、そのための布石は打ってきたが、8月上旬の中国漁船の襲来の時などは「戸惑い」を隠せなかったという。

 ところで、日本以上に、旗幟(きし)を鮮明にすることをアメリカから求められているのが、隣の韓国だ。7月8日、アメリカは韓国に圧力をかけて、ついにTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)の韓国配備を発表させた。これによって、3年以上にわたって続いてきた中韓蜜月時代は瓦解(がかい)した。9月の杭州G20での中韓首脳会談も、「韓国側からせっつかれているが、当の習近平が首を縦に振らないのでどうしようもない状態」(中国の外交関係者)だという。

 日本ではあまり話題にならなかったが、実は習近平主席は6月17日、セルビアを訪問し、ベオグラードの中国大使館前で誓いを立てている。

 「2度とアメリカの好き勝手にはさせない!」

 1999年5月7日、コソボ紛争でアメリカ軍に空爆された中国大使館は、29人もの死傷者を出した。セルビアを離れた習近平主席は、それから一週間のうちに、ウズベキスタンと北京で2度も「盟友」プーチン大統領と会談し、アメリカに対する「共闘」を確認しあったのだった。

 中国がいくら世界第二の軍事大国にのし上がったとはいえ、世界最大の軍事大国アメリカに対抗するのはハイリスクだと思うかもしれない。


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