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国際関係・安全保障論

4077とはずがたり:2016/09/17(土) 15:03:26

10年後かもしれないし、30年後かもしれない。防衛省は大臣以下期間が長くなれば既存のF-4EJ改の飛行時間を減らせばいいと呑気なことをいるが、練度の維持のためには一定以上飛行時間を減らすことはできない。仮にやれば技量低下で部隊を維持できなくなり、空自の基地は基地ではなく航空博物館になってしまう。

だがその間にも中国は刻々と国産のステルス戦闘機を開発したり、ロシア製の最新型のSu-35戦闘機の導入を決定したりしているので、日中の航空戦力の質的なギャップは徐々に縮まりつつある。

本来、例えば10年後にまでに2個飛行隊の戦力化が必要なのに、20年もかかるのであればその間必要な戦力を空自は保有し得ないことになり、抑止力としての機能も果たせないことになる。その間くらいに有事が勃発すれば空自は博物館アイテムのF-4EJ改で戦わざるをえない。何のために新装備を導入するのか、目的がなく、調達自体が目的化している。

仮に10年後までに整備に戦闘機100機の投資に1兆円が必要であったとしよう。とろこがそれに20年かかれば、調達の途中で戦闘機は旧式化するので、投資に見合ったリターンは期待できない。運送会社でいえば今年のモデルの軽トラックが200万円だとして、未使用だが燃費も性能も劣り、パーツも枯渇している20年前のモデルの軽トラックに同じ費用を出すだろうか。

自衛隊の調達の多くは細々と続くので、旧型装備との併用期間が長い。その間訓練や整備は2系統が必要だ。当然スペアパーツなどの量産効果もでない。また実際に戦闘が起こった場合、装備の異なった部隊が混在すれば兵站面でも不利である。

併用期間が5年で済むのか30年も続くのかでは、運用および運用コストに大きな違いが出る。だからこの面からも諸外国では調達期間、あるいは戦力化までの期間をできるだけ短くしている。ところが自衛隊では1989年に64式小銃の後継として採用された89式小銃は四半世紀たった現在でも更新が完了していない。

オスプレイを何機調達するのか

あれだけ騒がれたオスプレイにしても防衛省は現在の中期防衛力整備計画で17機を調達する事だけを決定し、最終的に何機調達するのか発表していない。防衛省の予算担当者も中谷大臣も、何個飛行隊を編成するのかわからない、調達してから決めると発言している。

必要な部隊の規模が分からない、というのは換言すればどのような運用をするのか決めていない、あるいは分からない。欲しいから買いましたといことだ。当事者意識が完全に欠如している。新装備を買うという手段が目的化している。

政治家にしても納税者にしてもオスプレイの導入に賛成でも例えば2個飛行隊は多すぎるが、1個飛行隊12機、それと教育所要、予備機として17機ならば理解を示す人もいるだろう。だが現状オスプレイを導入するか、否かの二元論でしか意見を述べられない。これではまとも防衛議論が成り立たない。

防衛省は当初、初度費の存在を積極的に発表してこなかった。記者クラブに対してレクチャーも行っていない。この初度費の問題を初めてとりあげたのは筆者である。筆者は2009年にブログで初度費のことを書いて以来、執拗にこの問題を指摘している。

常識的に考えれば、装備調達のコストは初度費+(調達単価×数量)という式が成り立つ。初度費は事前に総額が分かり、調達の開始の当年あるいは、こぼれても2〜3年で支払いが終わる、と思うだろう。ところが実際には初度費には初年度に以降に発生した各種の不具合の調整や改良などにかかった費用を延々と払うことができる。理屈の上では20年でも30年でも払い続けることができるのだ。これでは初度費は事実上「初度費」ではない。

しかも防衛省は当初各装備の初度費の金額を公開していなかった。防衛省は平成24年度からHPなどでその年度に調達される主要装備の初度費が明示するようになったが、これは防衛省内局の幹部によれば、財務省から促されて渋々公開に踏み切ったものだ。本来装備の本当の調達単価は(初度費+調達単価×調達数量)÷数量となる。総額から初度費を引けば、その分調達単価が安く見える。防衛省が初度費を示さなかったは、調達単価を安
く見せるための印象操作であったと批判されても仕方あるまい。


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