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国際関係・安全保障論

4■とはずがたり(3/4):2003/01/22(水) 13:01
 私は米国に対する基地提供や維持経費支援は、日本の防衛のためというよりもアジア太平洋地域の安全保障に対する我が国の貢献と捉えるべきだと考えている。つまり、日本は自国の防衛は原則的に自衛隊を中心に自力で行うが、アジア太平洋地域の国際的安全保障に資する米軍の活動についても、必要な協力はするという姿勢だ。その上で沖縄に集中した米軍基地の大幅削減を日米安保を空洞化させないで実現することが国民的課題だと考えている。

そのために、民主党中心の政権では、沖縄の基地の相当部分を占める海兵隊の沖縄からの撤退を真剣に検討するよう米国にはっきり求めていく。沖縄の海兵隊基地の大半は新兵の訓練基地として使用されており、移転してもアジアの軍事バランスには影響しないはずだ。同時に、基地利用に伴うルールを定めた地位協定を不平等条約と言われないような適切なものに改定する交渉にも速やかに着手する。

<中国は台湾の国連加盟容認を>
 中国は外交大国である。大国としての威厳を保ちつつ、その一方でしたたかな現実外交を展開する。中国と付き合うと、ややもすればその大人風の雰囲気に飲み込まれそうになる。しかし日本は民主主義国としての誇りを持って、中国と堂々と向かい合って付き合っていけばよい。

 しかし、日本政府が付け焼刃的に繰り返している農産物など個別品目でのセーフガードの発動などは、誉められた政策ではない。マクロ面で国際経済の自動調整を促すためには、現在ドルに連動(ペッグ)している中国の人民元の切り上げを求め、将来的には変動相場制に移行させることが望ましい。

 安全保障面では、中国と台湾の関係を無視しては考えられない。中国政府は、台湾は中国の不可分な一部とする「一つの中国」を主張し、わが国もそれを尊重する立場をとっている。米国は中国の国連参加(台湾の追放)を認める一方で、台湾に対する防衛義務を定めた台湾関係法という国内法を持っている。もし中国が武力で台湾を「開放」しようとすれば、米国は日本を基地とする第七艦隊を中心に台湾支援に向かうことは過去の例からも間違いない。 今日、台湾から大陸への投資など中国と台湾の経済関係は深まり、台湾自身の防衛力も高いことから、中国政府が武力による台湾開放を試みる可能性は少ない。しかし、中国政府は台湾が独立しようとした場合は、武力侵攻の可能性を否定していない。いかなる場合も武力による開放は賛成できないという日本政府の立場は当然である。

 しかし、実際に武力衝突が起きた時の日本の立場は極めて難しい。中国の国内問題とする立場を取るのか、それとも台湾を防衛するための米軍の行動を支援するため、「周辺事態法」に基づいて自衛隊を派遣するのか。私は、在日米軍の活動には制約を加えないが、こと中台問題に関しては自衛隊の関与は避けるべきだと考えている。
 日本はむしろ中台問題を外交的に解決する枠組みを構築するために、アジアの隣国として外交的リーダーシップを発揮するべきだ。私は「台湾の国連加盟を中国が容認すべき」という意見を述べた。それも、この問題を単に中国と台湾の国内問題、あるいは米国と中国の二国間問題とするのではなく、国連加盟国同士の問題として国連の場で平和的解決を目指すべきと考えるからである。国連の加盟単位は、国だけではなく、「地域」という概念もある。さらに知恵を搾れば、中国と台湾の双方の面子が立つ道が開けるだろう。

<国連平和協力部隊の設立>
 国連は、冷戦終結により新しい役割を期待される時代を迎えている。わが国は、従来から「国連中心主義」をうたってきたが、必ずしも国連に対する影響力が大きいとはいえない。

 わが国外交の悲願といわれて久しい安保理常任理事国入りはいまだ調整がついていない。しかし、常任理事国となった場合には国連主導の軍事行動にどのように対応するかが、今以上に大きな課題となる。

 私は、国際警察機能としての国連軍やそれに準じる多国籍軍の活動は、日本国憲法が禁じている「国権の発動たる戦争」にはあたらないので、原理的には日本人が参加することは憲法には抵触しないと考えている。国際警察活動は、ちょうど国内の警察が刑法など法律に反する行動を取った人間に対して取締りを加えるのと同様に、国際ルールに反する行動を取った国に対し、国連が中心になって制裁を加える「普遍的安全保障(国際的安全保障)」だからである。


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