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国際関係・安全保障論

3963とはずがたり:2016/07/14(木) 10:03:37
>>3961-3963
 第2は、南シナ海における中国の立場を支持する国々を獲得するための外交努力である。中国は、「判断」が出される前から「世界の60か国近くが、南シナ海における中国の立場を支持している」と主張している。「中国は国際社会から孤立していない」ということを強調したいからであるが、60か国と言われる国々の多くは、アフリカやラテンアメリカの国々であり、国際社会の中での影響力は限定的である。中国は、日本や欧米諸国といった先進諸国に対抗するために、ロシアを使ってバランスをとろうとするだろう。これは、中国の希望とは裏腹に、日本及び欧米諸国に対抗する中ロという構図を生むかもしれない。「孤立したくない」と思って採る行動がかえって、米国が主導する国際社会からの非難を高めるという皮肉な結果を生む可能性がある。

 そして最後に、南シナ海における人工島建設や軍事拠点化を加速することである。中国は、米国と軍事衝突さえしなければ、その範囲内で自国の権益を拡大できると考えている。9月のG20までは、軍事的な活動を控え、日本や欧米諸国からの非難を避けようとするかも知れないが、中国が南シナ海に対する権利を諦めることはない。

 結局、短期的には、南シナ海における軍事的緊張が高まる可能性が高い。しかし、長期的には、「誰でも軍事力等の暴力的手段を用いて、自分の好きな状況を作ることができる」といった国際社会の出現は防がなければならない。そのために、先進諸国には、中国を軍事力で抑え込むばかりでなく、共通の価値観を探して同じゲームをプレイできるルールを作る責任がある。


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