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国際関係・安全保障論

3692とはずがたり:2016/03/11(金) 00:38:44

 だが、中国は一見厳しいように見える制裁決議に賛成しながら、米国などとの交渉で制裁案に抜け道を用意し、北朝鮮の崩壊を防ごうとする。

 もし北朝鮮が崩壊すれば、脱北者を止める北朝鮮軍は雲散霧消し、大量の難民が押し寄せるのを中国が警戒しているのは明らかだが、多分それだけが理由ではなかろう。

韓国が南北統一すると中国と衝突する可能性が高い
「韓国による朝鮮半島の統一が行われれば緩衝地帯が消え、中国は米軍と向き合う形になることを怖れている」との見方が米国にあり、日本でもそれを言う人々は少なくない。だが、中国にとっては米軍よりも韓国軍が中朝国境に進出する方が脅威ではないか、と考える。

 かつては北朝鮮の背後にソ連軍、中国軍がいたから、米国も1990年時点で韓国に陸軍3万2000人、空軍1万2000人余を置いていたが、冷戦が終了し、ロシア、中国が北朝鮮を見捨てて韓国と親密になり、北朝鮮軍が衰弱する一方、韓国軍の近代化が進んで通常戦力では圧倒的になったから在韓米軍は縮小し、今日では陸軍1万9200人、空軍8800人になった。

 韓国には米陸軍の第8軍司令部があり、その下に第2歩兵師団などがいることになっているが、第2歩兵師団の主力だった2個旅団のうち1つはイラク戦争に派遣され、その後本国に戻って解散した。残っていた第1旅団も昨年7月に解体となり、代わりに米本土から9ヵ月交代で1個機甲旅団(約4600人)が派遣されている。

 韓国に常駐している米陸軍はヘリコプター部隊、ロケット砲部隊、対空ミサイル部隊などだけになった。財政危機の中、米陸軍は現在49万人弱の兵力を来年までに45万人に削る方針で、在韓米軍の兵力にも影響が出そうだ。

 もし北朝鮮の崩壊後、米軍の一部が核施設の処理などのために北朝鮮に入ることがあっても、鴨緑江などを越えて中国に攻め込むことは考えにくく、中国にとって米軍を恐れる必要はなさそうだ。

 一方、韓国陸軍は兵力49万5000人で米陸軍をしのいでおり、戦車2400輌(うち旧式850輌)装甲車2100輌、大砲、ロケット砲5000門、ヘリコプター500機などを持つ近代的な大陸軍だ。

 中国陸軍は現在の160万人を130万人に削減中だ。東北(満州)3省を担当する瀋陽軍区には3個集団軍が属し、兵力は20万人程と見られていた。中国軍は今年2月1日、従来の7軍区を5戦区に再編し、瀋陽軍区は「北部戦区」と改称したが担当地域は変わらず、兵力も以前と同じか若干減る程度と思われる。

 もし北朝鮮が崩壊し、韓国による統一が実現すれば、中国と韓国は黄海に流れる鴨緑江と日本海に注ぐ豆満江(中国名は図們江)を境とした1300kmの国境で向かい合うことになるが、それが紛争につながる可能性は相当高い。その理由としては、

(1)中国、北朝鮮は双方とも鴨緑江と豆満江を境界とすることで合意はしているが、白頭山付近の源流地域では川は枝分かれするため、どれが本流か確定しにくく、約35kmの地帯で国境が決まっていない。北朝鮮は柵などを設けず、中国側の鉄条網は川から少し離れた所にあるから脱北者などが徒渉できた。韓国軍がその地帯に進出し、哨戒、警備を行えば、中国軍は韓国軍が越境して侵入した、として衝突になることが考えられる。

(2)中国には中国籍の朝鮮族約180万人が住み、豆満江の北側、中国・吉林省の延辺は朝鮮族自治州になっている。ここには韓国企業の進出が多く、韓国に出稼ぎに行く朝鮮族もいて、韓国との関係が深まっている。北朝鮮を韓国が併合し、河の南岸が韓国になれば、韓国の1人当たりGDPは2万7000ドル、中国は8300ドルだし、民族意識も高揚して、朝鮮族が「第2の統一」を求めて騒ぎ、中国の治安部隊と衝突するようなことも起きかねない。


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