したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

国際関係・安全保障論

3618とはずがたり:2016/02/17(水) 21:40:15
>>3617-3618
 こうしたことは全て、長らく求められてきたミサイル防衛システムの構築を正当化する。ロナルド・レーガン大統領(当時)の戦略的防衛構想(SDI)は冷戦を勝ち抜く一助となった。そしてソ連崩壊後にこの構想を正当化し続けている脅威はまさに北朝鮮だ。国際的な非営利団体「憂慮する科学者同盟」やバイデン副大統領、ケリー国務長官など「軍縮教」を信奉する人々は何かにつけて反対してきた。クリントン政権も渋ってきた。オバマ大統領はまだ若い弁護士だった2001年に、米国を無防備にしてきた「教義」を繰り返し、「私はミサイル防衛システムを支持しない」と発言した。

 米国に今ある防衛手段は、ジョージ・W・ブッシュ政権のおかげだ。アラスカとカリフォルニアに配備されている長距離ミサイル迎撃システム、米海軍のイージス艦、各種レーダーや衛星センサーで構築されたネットワークなどがそれだ。米国はポーランドに迎撃システムを、チェコには移動式早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」を配備しようとした。だが、2009年に就任したばかりのオバマ大統領とヒラリー・クリントン国務長官(当時)がこの計画を中止した。米ロ関係の「リセット」を記念したプーチン首相(当時)への贈り物だ。

 「チーム・オバマ」はアラスカとハワイの44カ所に迎撃システムを配備する予定だったが、そのうちの14カ所の計画を撤回したほか、多弾頭迎撃体(MKV)の開発を中止。ミサイルの速度が最も遅く、迎撃しやすい「ブースト(上昇)段階」で撃ち落とすことを狙った2つのシステムの開発資金も打ち切った。ただ、オバマ大統領も2013年までには自身の過ちに一部気付いたようで、アジアでレーダーシステムや短距離弾道ミサイルに対する迎撃システムの配備を強化し、米西海岸に14基の迎撃システムを配備する方向に再び動いている。現在は韓国に高性能の終末高高度防衛(THAAD、サード)ミサイルを配備する用意ができているようだ。

 だが、イランやロシアからの脅威に備えるための第3の拠点である東海岸の防衛は手薄であり、オバマ政権はここに適切な予算を回すこともしていない。ブッシュ政権下では年間約100億ドルあった防衛予算のうち、4分の1が削減されている。オバマ大統領が9日に議会に提出した予算教書によると、ミサイル防衛局の予算は昨年の総予算の10%近くに当たる8億ドルがさらに削られている。

 この予算は拡大しつつある大陸間核攻撃の脅威に釣り合っていない。

 NORADのゴートニー司令官は「われわれに向けて何かを発射させるほど(金氏が)愚かであったとしても、われわれは24時間態勢で準備ができている」と話した。だが、少しでもミスがあれば大惨事になる。米国は2001年以降、89回のミサイル迎撃テストで72回成功した。ミサイル防衛システムを「スター・ウォーズ」のようだとばかにする人に対しては、この数字は力強い反撃の材料になる。だが、100%の迎撃率は技術的な進歩と大統領のリーダーシップなくしては実現し得ない。

 北朝鮮の姿勢から米国が得られる包括的な教訓は、軍縮策の愚かさだ。それは、エネルギーと食糧支援で北朝鮮を抑え込もうとした最初の試みである1994年の「米朝枠組み合意」を契機として始まった。北朝鮮が核を保有する前に米国が金政権の転覆を狙って動いていれば、米国は今よりも安全だっただろう。だが、費用が安い間に動かなかったばかりに、急速に核とミサイルの新たな拡散時代に向かいつつある中で、東アジアと米国の防衛強化が不可欠なものになってしまったのだ。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板