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国際関係・安全保障論

3585とはずがたり:2016/01/11(月) 19:54:47

全てを敵に回す水爆実験で北朝鮮は何を狙うのか
http://diamond.jp/articles/-/84349
武藤正敏 [前・在韓国特命全権大使] 2016年1月8日

?1月6日正午、北朝鮮の国営メディアの朝鮮中央テレビは「特別重大報道」で「水爆実験を行い成功した」と発表した。北朝鮮にとって「核大国」として国際的に認知させようとの宣言である。

?北朝鮮が行なったのが、“水爆”実験であったか否かについては、現時点の分析としては米韓から懐疑的な見解が示されている。わが国の気象庁も、揺れの波形は過去の核実験の際のデータと似た特徴があると発表している。北朝鮮の発表の真偽が明らかになるまでしばらく検証に時間を要しよう。

?ただ、4回目の核実験が行われたことは、北朝鮮の核問題をめぐる懸念をいっそう高める結果となった。

「核保有国」として米国と対等な交渉という野望

?北朝鮮の発表の内容からも言えるのは、米国を強く意識しているということである。北朝鮮は経済的に苦しく、外交的にも孤立し、真の友好国、パートナーを持たない。核を保有していなければ、国際的にも重視されず、評価されないであろう。これまでも瀬戸際作戦で国際社会を振り回してきたのは核を保有しているためである。

?同国は、韓国に核を保有する在韓米軍という脅威があり、対話の相手として、韓国よりも米国を意識してきた。そこで、米国とは「核保有国」として対等な立場で交渉したいとの野望を持ち続けてきた。

?米国は、対話の前提として核開発の中止を求めてきたが、北朝鮮は核開発をやめれば体制が崩壊することを懸念している。そこで、核とミサイルの発射実験を同時期に行い、核弾頭の小型化とその運搬手段の開発を行ってきた。

?ミサイル開発では、2012年12月に、米本土に届く、射程1万kmとされる長距離ミサイル「テポドン2号」の発射実験を行った。ただ、米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイトによれば、長距離ミサイルはテストの成功率が低く、保有は実践配備よりも米国牽制の意図が強いとしている。そこで、隠密裏に米の近くまで行き発射できる潜水艦発射弾道ミサイルの実験を、昨年5月、11月に行った。韓国軍当局は11月の実験は失敗だったとの見解を発表したが、直ちに12月に追加的実験を行っている。

?北朝鮮は米国本土に直接脅威を与える核ミサイルの開発により、米を対話のテーブルに引き出そうとしているのである。

もう一つの狙いは国内引き締め
若者を中心に忠誠心が低下

?もう一つの意図は国内の引き締めであろう。北朝鮮は本年5月に36年ぶりとなる朝鮮労働党全党大会を開催すると発表している。そこでは憲法よりも上位にある党規約の改定と、側近を大幅に入れ替え世代交代を図る人事が焦点となる。全党大会で金正恩体制を確立することが、当面の最大の課題である。

?北朝鮮では若者の政治離れが深刻になっている。同国の経済は配給制度が行き詰まり、「チャンマダン」とよばれる闇市場を通じて生活物資の6〜7割が取引されていると言われる。経済の低迷から、金正恩体制になり農家や企業に資材調達や販売の自主性を容認したことで、最悪期は脱した感はあるが、その結果、若者は労働党員になるよりも金もうけに走る傾向が表れ、党や国家に対する忠誠心が低下した。在外公館職員の亡命も、13年に8人だったものが、15年は11月までで20人と増加している。

?そこで、金正恩第一書記は賞罰人事を頻発するとともに、思想教育の強化を図っている。今回の水爆実験はこうした国内事情を反映し、今月8日の金正恩誕生日前に、金正恩の実績を誇示することで志気の高揚と、忠誠心向上を図ったものであろう。

?しかし、今回の北朝鮮の核実験に対して、日本はもとより米国、中国からも強い反発とさらなる制裁が予想される。こうした反発にもかかわらず、どのような判断で核実験を強行したのか、といった金正恩の考えについて知る手がかりはない。

?これまでも、北朝鮮の動向については米韓はじめ各国の情報当局が必死で追ってきたが、同国の中枢で何が起きているかはほとんど知られていない。金日成が死去した時も、夜中の不自然な時間に別荘からヘリが飛び立ったといった情報は後日聞いたが、それが何を意味するかは荘厳な放送が流れるまで知られていなかった。金正日が死亡した時は、京都で野田総理と李明博・韓国大統領との首脳会談を行っていた。李明博大統領以降は北朝鮮中枢との人脈が細り、ますます情報は少なくなった。加えて金正恩の突発的な行動は北朝鮮の動向をいっそう不確実なものとしている。

中国の制止も聞かず金正恩はどうするつもりか

?北朝鮮の孤立は深まっている。日本とは拉致問題をめぐる再調査の回答を回避することで関係が膠着している。


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