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国際関係・安全保障論

3517名無しさん:2015/11/19(木) 23:11:06
>>3516

─アーミテージは、いわゆる「ジャパン・ハンドラーズ」ですね。日本と太いパイプを持ち、自分たちの要求に日本を従わせることのできる存在と言われています。実際に、安倍政権が集団的自衛権の行使を認めた背景には、日米同盟における日本の役割の拡大を求めた2012年の「第3次アーミテージ・レポート」があると見られている。

ファクラー 確かに、ジャパン・ハンドラーズという存在は圧倒的に共和党に多く、民主党にはごく少数しかいません。もしかしたら、ハンドラーズの要求に応えれば褒(ほ)めてもらえるので「共和党は親日的」と考える政治家が多いのかもしれませんね。

しかし、ハンドラーズはアメリカの官僚機構、エリート層のごく一部に過ぎません。彼らとだけ親密になることは、日米関係全体を見れば、決して日本の国益にはつながらない。日本はアメリカとの関係構築において、いくつかの根本的間違いを犯しています。ハンドラーズを重用し過ぎるのもその一例だし、アメリカの議会との関係が弱いのも大きな問題です。

日本は議院内閣制なので立法(国会)と行政(内閣)の関係が非常に近い。これに対して大統領制のアメリカでは、立法(議会)と行政(ホワイトハウス)はまさに権力分立を体現していて、政策を巡って対立することも珍しくありません。この違いを理解していないと、アメリカとの関係を考える時に、どうしてもホワイトハウス重視になってしまう。そして、次の大統領が民主党になるか共和党になるかということばかりを考えてしまうのです。

2016年は大統領選挙の年ですが、次の大統領が共和党のジェブ・ブッシュになってもアメリカの基本的な政策、特に日本に対する姿勢は変わりません。もし、ドナルド・トランプが大統領になれば変わるかもしれませんが、その可能性は低いでしょう。

その一方で、大統領の政策に対してストップをかけることもあり、実際にその権限を持つ米議会の動向は、今後の日米関係に大きな影響を与えるものです。現在、沖縄の米軍・普天間基地の辺野古移設を巡って日本政府と沖縄県の対立が続いていますが、日本がこの問題を通じてアメリカとの関係を考える時にも、本当は米議会の動向を視野に入れておかなければいけないのです。

実際、2011年5月にはカール・レヴィン、ジョン・マケイン、ジム・ウェッブという3人の上院議員が東アジアにおける米軍基地の再編計画に対して縮小の方向で再検討を要請し、移転や基地建設のための予算を2015年まで凍結させたこともあります。つまり、米議会はそれほどの大きな権限を持っている。また、レヴィンとウェッブは民主党ですが、マケインは共和党。超党派の議員たちによる動きで、日本の政治家たちが抱いている党ごとの色分けは当てはまりません。

いま紹介した一件は、日本にとっても重要な意味を持つもののはずです。なのに、日本の政治家はホワイトハウスやハンドラーズの顔色ばかりをうかがっている。これは大きな間違いです。


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