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国際関係・安全保障論

2903とはずがたり:2013/10/17(木) 16:40:22
軍事力を軽視する
オバマ外交への批判
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3231
2013年10月17日(Thu)
岡崎研究所

外交政策論を専門とする、ジョージワシントン大学のノウ教授が、9月18日付ウォールストリート・ジャーナル掲載の論説で、軍事力を軽視して失敗を重ねるオバマ外交を批判し、軍事力が外交交渉を下支えすることの重要性を説いています。

 すなわち、オバマは大統領就任以来、軍事力を外交の下支えに使おうとはしてこなかった。シリア問題に際しては、信じられないほど小規模な軍事攻撃を行うにも議会の承認を求めた挙句、米露合意に落ち着いた。

 かつてフリードリッヒ大王は、「軍事力なき外交は、楽器なき音楽のようなものだ」と述べたが、これは外交交渉の外で軍事力が相手の目標達成を防ぐことを担保していない限り、相手は交渉の中にある平和的選択肢に利益を見出さない、ということを意味している。

 この点において、イランはシリアよりもタチが悪い。イランは西側が外交交渉を続けている間にも、着実に核能力を蓄え、レバノンとシリアのジハディストを支援し、イラク・アフガンにも影響を広げているなど、力を背景に目標を達成している。

 他方で、米国が軍事力行使を検討するのは、外交交渉が失敗したときだけである。米国が外交を強調すること自体は問題ではない。問題は、外交における軍事力の使い方を間違えていることにある。イランやシリアの独裁者は、外交交渉の前あるいはそのさなかにも、軍事力を日常的に国内外で用いている。米国が軍事力の使用を交渉が失敗した後に限れば、独裁者たちは目標を達成するまで、抵抗なく軍事力を使い続けるであろう。

 外交交渉下における軍事力の構築、展開、そして実際の行使には、3つの目的がある。

 第一の目的は、相手に対し、外交交渉の場以外での競争は好ましくない、との警告を与えることにある。レーガンは大規模軍拡を行い、ソ連に「米国と軍拡競争をしても勝ち目がない」と思わせた。

 第二の目的は、相手が外交交渉の外で利益を得ようとするのを妨げることにある。レーガンは、欧州に中距離核を配備し、アフガン・中米の自由の戦士たちを支援することで、ソ連を押し返した。

 そして、第三の目的は、交渉のテーブルで重要な役割を果たすことにある。レーガン政権で言えば、弾道ミサイル攻撃から米国を守るSDI(戦略防衛構想)に着手したことがその例である。

 軍事力には、相手が真剣に外交に取り組むことを強制させる効果がある。そして、早い段階での小規模な軍事力行使は、後々、より大規模な軍事力行使に迫られるのを避けることにもなる。

 「武装外交」の目的は、通常戦で相手を打ち負かすことや、曖昧な現状維持の下で相手と無期限に共存することにあるのではなく、交渉を進めることにある。その際、不本意な妥協は軍事的梃子の浪費に繋がる。

 我々は、独裁者を独裁的であると言うのを止めるべきではない。ロシアや中国に対するオバマ流の「リアリズム」は、彼らが行っている人権侵害を無視しすぎている。

 また、我々は、独裁者にとって短期間で受け入れられる成果を目指すべきではあるが、それが、独裁体制を盤石にし、長らえさせることに繋がってはいけない。譲歩は、経済制裁や人権侵害に対する抗議、差し迫った軍事介入といった、持続的圧力なしの交渉下でなされるべきではない。「武装外交」がうまく機能する場合には、軍事力は実際に使われることはない。しかし、だからといって軍事力が必要ないと考えるのは間違いである、と論じています。
* * *
 …具体的には、シリアに対する武力行使を中断して、問題を外交交渉に委ねた、オバマの政策を批判し、軍事力行使の可能性は維持しつつ交渉を行うべきである、という趣旨です。

 論説は、オバマの対シリア政策を批判するにとどまらず、軍事力を軽視するオバマ外交そのものへの批判を繰り広げています。そして、それは、オバマ外交の本質を衝いた批判と言えます。レーガン大統領の例をひいて、「武装外交」の目的を挙げていますが、これこそ、オバマ外交と対極にある、現実主義的外交の神髄と言えるでしょう。

 対シリア政策をめぐる迷走をきっかけに、オバマ外交を批判する論調が噴出しています。


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