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国際関係・安全保障論

2896とはずがたり:2013/09/15(日) 18:04:13

「問題の棚上げ」が合理的と考えられる場合
「先送り」の意味:勝者と敗者のインセンティブは食い違う
安田 洋祐 :経済学者 2013年09月09日
http://toyokeizai.net/articles/-/18878

人は、好きなこと・楽しいことを早めにしたくなる一方、嫌なこと・苦しいことはついつい先送りしてしまうものだ。

いったん締め切りが決まると、どんなに嫌な作業や結果が待っているとしても、どこかで腹をくくらなければいけない。先送りには限界があるのだ。

では、期日が定まっていない場合はどうだろうか。

もし罰などのペナルティが発生しないのであれば、嫌なことはできるだけ先送りにするのがベストになる。

望ましい「先送り」、誰得?の望ましくない「先送り」

嫌なことをずるずると先送りにするのが(少なくともその時点の)本人にとって望ましいことだからこそ起こるのである。

起こりうることの意味や、相手と自身の立場・関係性を考えるのも「交渉」
逆に言うと、苦痛を伴う作業を成し遂げるには、先送りを防ぐ仕組みが必要になってくる。たとえば、第三者に締め切りやそれを破った場合の罰則をきちんと設定してもらう、といった方法だ。

実際に、強制加入の年金や、積み立て型の保険などは、貯蓄の先送りを防ぐための有効な仕組みであると知られている。

また、これは個人の意思決定だけでなく、集団の意思決定にも応用できる。あるトラブルを解決するために二つのグループ間で交渉が行われているとする。

このとき、どちらにとっても利益が出る(現状と比べてよくなる)形でトラブルを解決することができるならば、交渉をまとめるのは早いほど望ましい。ウィン−ウィンの結果をあえて先送りにしたところで、誰も得しないからだ。

では、交渉の結果が、どちらにとってもマイナスになると予想されるときはどうだろうか。この場合には、先ほどの個人のケースと同様、できるだけ解決を先送りすることが全体にとって望ましい。

例として、国家間の領土問題を考えてみよう。

先送りに隠された合理性、「領土問題棚上げ」の意味

関係国がいずれも自国の領土を主張して譲らない領土問題では、どんなにうまく交渉がまとまったところで、自国領であったはずの地域を(少なくとも部分的には)失う国が出てくる。

仮に、「二国間で係争地域を半分に分けて片方ずつ領有する」という形で交渉がまとまったとしても、それは両国ともに「自国の立場から見て領土を半分失う」ことを意味する点に注意が必要だ。

お互いの見解が食い違っていれば、ウィン−ウィンの結果を導くのが不可能なこともある。そうした状況では、交渉を通じてマイナスの結果を確定してしまうのでなく、あえて問題を解決しないことへの合意が正解かもしれないのだ。


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