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国際関係・安全保障論

1796千葉9区:2009/03/08(日) 20:22:51
>>1776-1777
http://www.business-i.jp/news/special-page/oxford/200903060007o.nwc
コソボ独立1年 北部に及ばぬ統治 深まる混迷
2009/3/6
 昨年2月17日にコソボが独立を宣言してから1年が過ぎた。今年2月27日、「国際文民代表(ICR)」兼「EU(欧州連合)特別代表」のピーター・ファイト氏は「コソボは独立宣言後、いくらか前進したが、難題が残っている」と述べた。新国家コソボは、領土すべてを支配する、完全な主権を持った、機能する国家を確立する−という大きな挑戦と向き合っている。コソボの不安定な状態は全欧州に影響を与える。

                   ◇

 ≪分析≫

 首都プリシュティナのアルバニア系住民と、北部ミトロビツァ郡ズベチャンのセルビア系住民は、独立宣言1周年記念日にまったく異なる受け止め方をした。プリシュティナでは、多数派のアルバニア系が念願の成就を祝った。ズベチャンでは、コソボのセルビア系地域政府の指導者が隣国セルビアから民族主義派の野党議員を招き、彼らが違法とみなすコソボの独立宣言を拒否し、セルビア系民族の連帯を誇示した。

 ◆進まぬ国家承認

 昨年2月の独立後は、懸念された大きな争乱もなく、6月に新憲法を発効するなど、アハティサーリ前国連特使の計画に従って、コソボは完全な独立実現に向けて前進している。しかし、独立派が望んだようには進まなかったことのほうが多い。

 拒否権を持つロシアが反対しているために、コソボ独立は国連安全保障理事会の承認を得ていない。その結果、コソボは、国連はいうまでもなく、その他の国際機関、地域機関に加盟することができない。ただし、西側が力を持つIMF(国際通貨基金)や世界銀行への加盟は可能だ。現在までにコソボを国家承認した国は、日本を含めた西側諸国を中心に54カ国に過ぎない。とくに問題なのは、スペインやギリシャなど、EU27カ国中5カ国がコソボを承認していないことだ。EU加盟には全会一致の賛成を必要とするため、コソボはEU加盟の前段階である「安定化・連合プロセス」にさえ完全に参加することができないでいる。

 国連安保理の決議を経ていないため、国際監視の下でコソボ独立の青写真を描いたアハティサーリ案は国際的正統性に欠ける。コソボ政府は、セルビア系住民を含む少数民族の保護を規定したアハティサーリ案の履行を約束している。しかし、セルビアとコソボのセルビア系住民は、アハティサーリ案が提案した、「国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)」に代わる「国際文民事務所(ICO)」への協力を拒否している。ICOは弱体なままであり、規模は縮小したもののUNMIKが駐留し続けることで、コソボの国際的誓約に混乱と矛盾が生じている。

 ◆セルビア系が支配

 コソボ政府にとって最大の課題は、全土を実効支配していないことだ。セルビア人地域では医療、教育、地方政府、社会保障などで独自機関が、コソボ政府の機関と並んで運営されている。セルビア系住民が支配するコソボ北部は事実上セルビアの一部として機能し続けている。EUによる法の支配ミッション「文民支援隊(EULEX)」に報告義務がある警察を除いて、北部にはコソボ政府機関は存在しない。南部のセルビア人地域はコソボ政府と現実的に連携する傾向が高まっているが、北部が近い将来コソボに統合される見込みはほとんどない。北部を含めて、EULEXは全土に展開していることから、事実上の国家分裂を恐れるアルバニア系住民の不安は一時的に静まっている。しかし、アルバニア系住民の焦燥を封じ込めるのは難しく、北部で暴力事件が発生する危険は依然として高い。


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