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国際関係・安全保障論

1626とはずがたり:2008/03/17(月) 16:59:04

オイルショックと
ドル崩壊が襲う!

 中東大戦争は、日本にとっても対岸の火事ではない。世界の原油の3分の1が通過するイラン正面、ペルシャ湾入口のホルムズ海峡が封鎖される可能性もあり、すでに1バレル=100ドルを超えている原油価格は間違いなく暴騰する。

 米ゴールドマン・サックスは3月7日、今後大きな混乱があった場合、原油価格は200ドルになりうるとの予測を発表した。オイルショックの悪夢再来である。

 米経済にとって原油高騰は諸悪の根元だ。ここ数年の原油高騰によるインフレ懸念で短期金利が引き上げられ、それが米国民の住宅ローンの利払い増になって昨年夏のサブプライム危機が起きた。金融危機と景気減速の悪循環が加速すれば、基軸通貨としてのドルの地位が危うい。

 サウジを中心とするペルシャ湾岸産油国(GCC6ヵ国)は、通貨をドルに為替連動(ペッグ)してきたが、ドル安を受けてインフレがひどくなり、巨額のドル建て資産の損失も生じている。すでに6ヵ国のうちクウェートは昨春にドルペッグを離脱し、主要通貨バスケットへのペッグに切り替えた。

 GCCは2010年からドルペッグしたまま通貨統合する予定で、ゆくゆくはドルペッグをやめて自立する目標だ。中東大戦争はGCCのドルペッグ離脱を前倒しさせる。GCCがドルペッグをやめると、OPEC(石油輸出国機構)が決める国際原油価格は、GCC統合通貨建てになる公算が大きい。 そうなれば、世界の基軸通貨は、従来のドル一極体制から、ドルとユーロ、GCC統合通貨の三極体制、もしくは円や人民元、ルーブルなども加えた多極体制に変質するだろう。

 つまり、中東大戦争は1971年のニクソンショック(金ドル交換停止)以来のドル崩壊の呼び水となる。オイルショックとニクソンショックが同時に襲ってくれば、世界経済は大混乱に陥る。ドル崩壊と米長期金利上昇を嫌ってGCCと中国が大量の米国債売却に走れば、対米従属をやめないだろう日本政府は米国債を抱え込んだまま大損を被る。

 ブッシュ政権の露骨な覇権主義は、米国に敵視された国同士を結束させ、結果的に自らを弱体化している。中東では、もともと仲が悪かったアラブ諸国とイランが反米・反イスラエルで結束し、その外側のユーラシア地域では、ロシアと中国が中央アジア諸国を交えた集団安保体制「上海協力機構」を結成。上海協力機構にはイランもオブザーバー参加し、中東のイスラム同盟とユーラシアの上海協力機構が反米で大連合しつつある。

 中南米ではベネズエラ、エクアドル、アルゼンチン、キューバなどが反米で結束し、イランや中国、ロシアとの連携を強めている。中東大戦争は、「非米同盟」と呼ぶべき世界規模の緩やかな反米同盟体が形成されつつあるなかで起ころうとしている。米国の不利は明らかだ。

コソボ独立容認で
米ロの緊張高まる

 だが、米国の覇権危機は、じつはブッシュ政権による手ひどい失策が連続した結果でもある。軍事面では、イラクとアフガニスタンの戦争を甘く見た。米軍はイラクの過剰派兵で引くに引けない。NATO軍が担当するアフガンでは、ドイツなど欧州諸国が撤退したがっており、米英との意見対立によってNATOは分裂の危機に瀕している。NATOが解体すれば、米国と欧州の覇権は完全に分裂し、独仏中心の欧州(EU)はロシアに接近するだろう。

 国際政治の面では、ブッシュ政権はイスラエルに対してハマスやシリア、イランとの和平交渉を禁じる一方で、「中東民主化」を理由にしてイランのアハマディネジャド大統領やパレスチナのハマスが民意を集めて政治力をつけることを容認。イラク侵攻前には取るに足りない国だったイランが中東有数の勢力として台頭する結果を招いた。

 対ロシア戦略も最悪だ。イスラエルとイランの緊張が高まりだした今年2月中旬、米政府は東欧のコソボ独立宣言を容認した。


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