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政治思想総合スレ

815とはずがたり:2021/08/21(土) 17:07:23
>>814
与党の政治家も同じように妥協を求められる。政権与党は7つの大きな派閥に分かれており、独自の道を歩むことができないようになっている。実際、自民党は1955年に対立する2つの保守政党が合わさってできた政党だ。

ウィンクラー准教授は「トランプのような人物は日本では勝ち目がありません」と断言する。さらに「完全なアウトサイダーでは、勝てません」とも。

テンプル大学ジャパンのマイケル・チュチェック助教授も、本物のトランプのような人物が日本で国のリーダーになるのは期待できない、と同意する。日本では、億万長者がそのような権力の道を歩むことはできない。なぜならこの国では「政界進出を金で買うことはできない」からだ。

日本のお金持ちは丘の上に住まない
しかし、現在の日本のポピュリズムの弱さを説明するのに、選挙制度に注目すべきだという点については、全員が同意しているわけではない。

センター・フォー・アメリカン・プログレスのアジア担当シニア・フェロー、トビアス・ハリスは「選挙制度は単なるルールであり、国民が何かを求めれば、それに合わせて政党システムが変わります」と主張。日本でポピュリズムが流行らない理由は、他にもあると考えている。

ハリスの考えでは、日本のポピュリズムが抑制されているのは、国民年金、失業手当、国民健康保険などの社会的セーフティネットがしっかりと維持されているためであり、そのため日本には悲惨な貧困があまりないか、少なくともそのような貧困が目に見える形で現れていないからだそうだ。

ウィンクラー准教授は、過去20年間で「日本の不平等は拡大している」が、それでも「アメリカのレベルには遠く及ばない」と指摘する。経済協力開発機構(OECD)の最新データによると、日本の貧困率は15.7%で、米国の17.8%と比べても遜色はない。以前よりも経済的に苦しくなってきているとはいえ、ほとんどの日本人は、依然として自分たちは中流階級の一員であると考えているのだ。

また、北米やヨーロッパのように、億万長者が派手な生活をしているということもあまりない。もちろん、日本にも富裕層はいるが、丘の上の豪邸や人里離れたゲートとフェンスで囲まれた住宅地ではなく、他の人々と同じコミュニティに住む傾向がある。平等主義と相互協力を重んじる日本では、富の誇示は社会的に受け入れられない。

そのため、日本では、国を支配する「1%」についての議論は主流ではない。近年、「上級国民」という言葉がソーシャルメディア上で流行しているが、これは、政治家や司法関係者から何らかの形で優遇されている人たちを大まかに意味する。

比較的統一された国民文化
自然災害や人災が起こっても、暴力や略奪はここ数十年でほとんど見聞きすることがなくなったことからもわかるように、日本社会は比較的まとまりがあり、団結している。

ドイツのデュースブルク・エッセン大学のアクセル・クライン教授は「日本には、日本人を 『2つの民族』と呼ぶ人があまりいません」と指摘している。

北米やヨーロッパでは、都市部と農村部の間に経済的・文化的な大きな格差があるが、日本はそうではない。これは、与党自民党の政治権力基盤が地方のコミュニティにあり、主に1945年以降の土地改革が成功したこと、そして一般的に保守的な文化的背景によるものだ。

「自民党は地方を存続させるために多くのことをしています」とクライン教授はみている。「自民党は瀕死の状態にある小さな都市や村に多くの資金を投入しています」。その結果、地方に住む日本人は「自分たちを『忘れられた人々』と呼ぶことはありません」。

ハリスは、日本には「逆転ポピュリズム」があるとすら語る。「もし、都市と農村の格差があるとすれば、日本の純粋な農村の人々から都市のエリートに対して向けられているものではなく、日本の都市の悩める人々が農村に基盤を置くエリートに向けているものです」。地方が「国民の文化的生活の中で忘れられている」わけではないと、ハリスは同意している。

実際、地方の食べ物や習慣は日常的に語られ、重んじられている。都市部の住民は、休日になると地方に出かけて親戚を訪ねたり、日本の別の側面を体験したりするのを楽しみにしている。

このような比較的統一された国民文化は、恨みを軽減し、怒りに満ちた田舎のポピュリズムが支持されるのを防ぐ役割を果たしている。(つづく)


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