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政治思想総合スレ

710とはずがたり:2018/07/11(水) 13:39:30
>>709
橋下徹が大阪府知事となったのは、こうした状況のもとである。彼はこの傾向を、いっそう過激に劇場化し、メディアは与えられた餌を貪ることになる。

異様としか言いようのない興奮が「大阪」を包んだ。それはすでに大阪の歴史に深く刻み込まれていた亀裂をさらに深く、深刻なものとした。いわゆる同対法の終焉は、その象徴であったにすぎない。

こうした状況のもと、降って湧いた大規模な金融緩和策は、規制緩和によって進められていた大阪の変容を加速する。大阪はこのとき、自己目的化していた熱狂に与えるべき意味を再発見する。

東京に遅れて、おずおずと開始されていた都心回帰は、ほとんど無軌道ともいえる再開発として本格化した。堆積地に広がる商業、そして工業地区には、低層の集合住宅のなかに高層のタワー型マンションが林立する奇妙な景観が出現している。

それはまるで「輝く都市」(とは註 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BC%9D%E3%81%8F%E9%83%BD%E5%B8%82 )の残酷なパロディのようにもみえる。それは規制緩和と民営化、さらには公有地売却とともに進められた民間デベロッパーによる都市再開発が生み出した都心回帰の景観である。

そしてこの震災にあって、大阪が選んだふたりの首長のうち、ひとりはメディア・アピールに余念がなく、もうひとりはその所在すらあきらかではなかった。後者に至っては「リベラル」なメディアはひとつまみの批判も加えていない。たしかにそれは震災にあっても変わらない、いつもの大阪の日常であった。

公共事業が「課金都市」となった
一週間がすぎて、ようやく北の「大阪」の、郊外直下型地震の、深刻ではないが、だからといって軽微ともいえない被害も少しずつ明らかになってきた。ようやく動き始めたモノレールからは屋根を覆ったブルーシートがいまだに目を引く。

そして、いま、建物の亀裂や天井からの雨漏り、はたまたエレベーターの不具合、さらには管理費用の増額や保険の申請など、私たちはすでにこの「災害」を日常の延長のなかで受容し始めている。

…すでに国家は、みずからに課してきた役割を放棄しはじめている。もはやそれは公共事業からの撤退というにとどまらない。いまやそれは公平無私かつ中立的な裁定者という地位の放棄にまで及んでおり、この地震の直前に起きた政治的、そして行政的スキャンダル、つまり縁故資本主義(クローニー・キャピタリズム)と国会提出文書の意図的な操作は、その陰惨なカリカチュアであった。

この間、大阪は獲得した「自由」を謳歌し、東京から招かれた植民地総督に、公共施設と公有地の売却を委ねてきた。それは図書館や公園に加え、地下鉄やバスといった移動のためのインフラにも及んでいる。もとより私鉄とともに成長した都市圏である。郊外に住むならばなおのこと、退職はたちまち移動の制限へと直結する。そして、いまやそれは生活のあらゆる局面へと拡大しようとしている。

福祉国家からの撤退とは、税金から課金というシステムへの転換である。大阪は課金都市として「再生」しようとしている。すでに公園はその運営が情報産業に委ねられた。次には水道というライフラインの、さらには人生そのものへの課金が予定されている。

IR、Integrated Resortとはこの都市が選択した未来であり、そこでは公共が民間に委ねたあらたな「課税」の在り方が予告されている。これがいま、私たちが建設しようとしているユートピアである。…


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