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765とはずがたり:2013/12/23(月) 17:21:05
>>764-765
 これらのコミュニティが終焉しつつあるということは、すでに十分なメンテナンスがしにくい状況にある、ということを意味する。もちろん、シンビアンはオープンソース化し、LiMoもTizenに吸収されたことで、細々とながらも存命はしている。しかし「細々と」という状況では、そうしたコミュニティの再興によほど注力しない限り、前述のような厳しい消費者からの評価は得られにくいだろう。

 メンテナンスという意味では、部品メーカーも似たような状況である。たとえば、折りたたみ式端末の金属ヒンジ大手であったストロベリーコーポレーションは、2011年夏に債務超過に陥り、その後は事業売却等に至った。似たような動きはその他にも見られ、すでにフィーチャーフォンを作るのが容易ではないことを、部品レベルでもうかがわせる。

 コンテンツ側も、そろそろ転換点を迎えつつある。少し前までは、フィーチャーフォンとスマートフォンの両方に注力する必要があった。これは、スマートフォンよりもフィーチャーフォンの方が、コンテンツ課金への親和性が高いと考えられていたことによる。

 実際、総務省の通信利用動向調査によれば、地方部では相変わらずフィーチャーフォンの利用が多い。新たなビジネスモデルやエコシステムの構築がいまだ途上にある以上、こうした市場からの収入は、現時点でも看過できないものではある。

 しかし、国内最大のポータルサイトであるヤフージャパンが、スマートフォン時代を念頭に置いた「モバイル・ファースト」を打ち出してから、まもなく一年。彼らはフィーチャーフォン向けのサービスも継続しているものの、新規サービスの開発は、フィーチャーフォンより(そしてPC向けより)先に、スマートフォンへの最適化を進めていくだろう。…

 これは通信事業者も同様だ。コンテンツサービス面でのスマートフォン・シフトは、昨年あたりからすでに舵が切られた状態にある。また、2012年春に起きた大規模な通信障害も乗り越えつつある。都市部を中心にLTEの普及が進んでいることも含め、通信インフラにおいても、すでにスマートフォンへの最適化がはかられているということである。

ポスト・スマートフォンを解くカギがあるかもしれない

 スマートフォンの普及は、すでにフィーチャーフォンに後戻りできないところまで、大きく進んだ。… では、消費者がスマートフォン・シフトを「我慢して受け入れなければならない」のだろうか。それは少しおかしい、と私は思う。

 インフラと端末の移行期が同時に発生した以上、トラブルはつきものだという理屈は、分からなくはない。しかし、通信品質をはじめ、電池の保ちや異常終了の頻発といった端末の不具合、あるいは既存顧客をないがしろにするような過剰なインセンティブによるMNP競争−−噴出する課題のすべてが、スマートフォンのせいなのだろうか。

 すでに、110番や119番は、ケータイからの発信が半数以上を占めている。ケータイには、いざという時に確実に通信できる手段であることが、期待されているということである。

 そうした、ケータイがこれまで担ってきた役割への期待に、改めて応えようとするのか。あるいはスマートフォンを言い訳に、サービス品質の低下に甘んじるのか。…これからスマートフォンへの移行に乗り出すサイレント・マジョリティたちは、じっと見つめているはずだ。

 通信産業とて民間事業者が担うビジネスである以上、そうした期待に今後も応えるのは無理だという判断も、認められるべきではある。しかし、だとしたらこれまでケータイが担ってきた信頼は、別の手段で担保されることを、通信産業はもとより、社会全体で模索する必要がある。

 むしろそこにこそ、新たなビジネスチャンスが存在するはずだ。過去10年以上、私たちはあまりにケータイへの依存を強めすぎてきた。しかし従来のケータイの概念にとらわれない、新たなコミュニケーション手段を模索することが、結果としてケータイを含めた通信産業全般を、前に進める原動力になるような、そんな予感がする。

 日本を含め、世界中で、「ポスト・スマートフォン」というパラダイムを模索する動きが、水面下で進みつつある。もしかすると、それを明らかにしていくためのヒントは、日本の消費者が抱える「ガラケーへの郷愁」の中に、あるのかもしれない。


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