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Sa\msk$rt文法備忘(文字と音韻編)

1近藤 貴夫:2003/07/26(土) 09:42
使う時があるかどうか分かりませんが、立てるだけ立てて
おきます。

2近藤 貴夫:2003/07/26(土) 20:24
Sa\msk$rtの音韻体系を語る上で、注目すべき音素の一つは
yである。このyは、日本語の拗音(=斉拗音)の音と同じだと
思ってはいけない。

kaがカなのに対して、その間に子音が一つ加わると、発音する
時間は長くなる。例えばktaならば、クタ。k#saならば、クシャ。
これらは、明らかにカよりも一単位分長い時間をかけて読まれる。

Sa\msk$rtでは、それと同様に、代りに半母音が加わっても時間が
伸びる。例えばkraやklaならば、クラ。kvaならば、クワ。
同じように、半母音であるyが加わると、やはり長くなる。
kyaならば、「キヤ」(あるいは、「キヤ」と「ッキャ」との中間)。
日本語のキャは、カと同じ長さに感じて発音することになっている
から、それはSa\msk$rtのkyaとは違う。日本語のキャに正しく相当
するようなSa\msk$rtの表記は存在しないのだ。

caやjaや%naは、その仮名表記は拗音のキャやジャやニャで良い。
しかし、cyaならば、チヤ、又はチヤとッチャの間、となる。
そして、cyaとciyaは、発音にかかる時間がほぼ同じで、違うのは、
口蓋の狭めと音節の区切られ方のわずかな感覚の差のみである。

3近藤 貴夫:2003/07/26(土) 20:26
誤植訂正:下から4行目、×キャ → チャ

4無名子:2003/07/28(月) 09:42
同様に、母音の$rや$lが、リと書かれる時にも、半母音+母音では
なく、ただ一個の母音であることに注意した方がいい。
クリシュナ(k$r#s#na)のk$rは、kriよりも短く、むしろkaやkiと
同じ時間で発音されるのだ。そうでなければ、韻律上、同じ短母音と
して扱えない。
だから、$rの音質は本来、顫動(舌先の振動)を伴う極狭の子音的な
ものではなく、むしろ英語のRの言い出しの構えの響き、ロシア語の
Ыの母音に近いものであったと考えるべきである。
つまり、調音点の狭さは、他の狭母音iやuと同等で、その前後関係は
iとuの中間よりややi寄り、けれども硬口蓋へ向けた口蓋化はなく、
下の中央部はむしろ凹んで、舌先から舌端で調音し、唇の構えは
非円唇の<母音>なのだ。そのことは、$rの文法的な語形変化における
振る舞いから指示できると思う。
$lの場合も同様で、この音はkの後にしか登場しないが、kの閉鎖を
作ると同時に舌尖の閉鎖も作り、kの破裂をした瞬間に舌尖の閉鎖を
残してlの響きに移る母音である。舌尖の閉鎖は次のpの閉鎖が始まる
まで持続する。そのためにlを閉鎖する時間も解放する時間も不要で、
母音として響くのである。$lが非常に稀なのは、このように、音声的
に実現可能な環境が限定されているためと考えられる。

5近藤 貴夫:2003/07/28(月) 09:46
誤植訂正:13行目、×指示 → 支持

投稿4の投稿者も近藤である。

6近藤 貴夫:2003/09/27(土) 11:30
Sa\msk$rtは、印欧祖語の音韻を、相当に変型して伝えている。

広い母音の e, a, o, を、全部一度 a, に集約してしまっている
のもその特徴の一つ。その結果、印欧語族の中でも、母音の中の
a, や @a, の出現比率が極めて高い言語になっている。そして、
印欧語族の特徴の一つである、屈折に際しての<音色変化>(=
e, o, 間の変化)の、起こりようがなくなっているのである。

Sa\msk$rt内の、@e, @o, の音は、a^i, や a^u, といった母音
連続から改めて起こったと解釈され、その起源説によって、
文法規則上、二重母音に分類される(実際の音価は長い単母音
である)。

このような、e, a, o, の統合がなぜ起こったのかについては、
私は調べたことがない。印欧祖語の話し手はこれらの母音の
区別を持っていたはずと考えられるし、亜大陸先住民最大勢力の
ドラヴィダ語族も、長短の e, o, を持っている。内的な要因が
あったのか、或いは三母音体系の全く別の系統の言語を話す
民族の影響があったのか、要調査である。

7近藤 貴夫:2003/10/01(水) 19:40
Sa\msk$rtの日本人にとっての聞き取り易さを考えると、
私の感覚では、英語よりも聞きやすい。
アクセントによる音の強弱・高低・長短の落差が英語
よりは少なく、モーラ言語である日本語話者の期待から
あまり外れることがないからというのが理由の一つだ。
そして、単語の末尾に子音が二つ以上重なることが殆ど
ない上、その末子音の種類も少ないので、閉音節に不慣れ
な日本人にはありがたい。更に、格語尾や人称語尾が長い
ので、単語の切れ目や語根部の聞き落としがないように
助けてくれる。それに加えて、標準の語順が日本語と似て
いるので、その点でも、日本人の耳の期待を裏切らない。
有気音・無気音の区別は、自分が発音していれば聞き取りも
できるようになるし、頻度が圧倒的に無気音の方が高いので
、迷ったらそう仮定して聞くことができる。子音の種類が
相当に多くて、日本語にも英語にもない区別が沢山あるが、
逆に母音は中舌の狭母音$rを除けば単純明快で、聞き取りの
難しい音が頻繁に出てくることはない。

8近藤 貴夫:2003/11/02(日) 23:22
संस्कृतभाषया संवादः
デーヴァナーガリー文字を使った書き込みテスト

9近藤 貴夫:2003/11/03(月) 00:43
実を言えば、最近MS-Wordのショートカットの設定を大幅に
いじって(その多くは削除して)、デーヴァナーガリーの
全ての字母をWord上でつつがなく打てるように変更したところ
です。(<これまで、余り使わない一部の字母が打てないまま
でした。どうしてもっと早く、設定変更すればいいと気が付か
なかったのか)
嬉しいので、自分の掲示板上でのデーヴァナーガリー使用を
少しずつ増やします。
とはいっても、職場にはデーヴァナーガリー環境がないので
(<ただでさえ不安定さが増している環境なので、悪化する
危険のある個人的変更は指弾されそう)、限定的にですが。

10近藤 貴夫:2003/11/03(月) 01:11
Sa\msk$rtの前身、ヴェーダ語に移る更に少し前には、有声の
歯擦音(z, #z, %z,そして %zh,)もあったらしい。
"Medially, voiced sibilants, the dental z, the cerebral
#z, and palatal %z, have disappeared before the voiced
dentals d, dh, and h, but nearly always leaving a trace
of their existence."
(A.A.Macdonell; A Vedic Grammar for Students,p18)
(語中において、有声の歯擦音、つまり歯音 z, 反舌音 #z,
硬口蓋音 %z, は、有声の歯音 d, dh, と h, との前で脱落
したが、殆どすべての場合、それらが元々存在していた痕跡を
残している。)
その前後の記述も参照。

11近藤 貴夫:2004/04/05(月) 00:06
Sa\msk$rtの、英語でPalatalと称される系統の音、c, j, などは、
日本語のチャ行・ジャ行などと調音点が異なり、舌の中央よりやや
後ろの面を、硬軟両口蓋の境付近に持ち上げて発せられる。
日本語の場合は、「タ・チ・ツ・テ・ト」というように、t,系統と
音韻的に近親関係があって、舌先に近い前舌面を上前歯茎の裏に
持って行って発音することが多いと思う。
Sa\msk$rtの場合は、その音韻規則を見ると分かるように、k,系統の
方に近く、k,系統が口蓋化したのがc,系統に当たると見るべきで、
口のかなり奥の方で発音する。これは、私の耳にする範囲では、現代の
ヒンディー語等でも同じようである。

12近藤 貴夫:2004/04/05(月) 00:34
もしSa\msk$rtのc,系統を、無理やり前舌面を使って発音しようと
するなら、反舌音の#t,系統との両立がかなり難しくなる。
反舌音は舌先の裏側を前部硬口蓋に持っていって発音する。
Sa\msk$rtでは、この両系統の音が平然と近接して一語の中に存在
しうる。しかし、前舌の形をそう急いで変えるのは難しいので、
c,系統の調音点が後ろにあり(半母音のy,も)、前舌の形に関係
なしにc,系統を発音できるとするしかない。#ty,という音連続が
あるとき、前舌を反って#t,を形づくると同時に、後舌も盛り上げて
y,を準備する。ca#tak@a, ja#thara,などの語の場合は逆に、c,
系統の音を後部で発音すると同時に舌先は反り上がり始める形と
なる。

13近藤 貴夫:2004/04/05(月) 00:41
従って、%s,の音は、シャ行子音にヒャ行の響きが混ざる感じになる。
Sa\msk$rtに無声のヒャ行音は(i,の後ろのヴィサルガ以外に)
存在しないので、%s,がヒャに近い響きを帯びたからといって
混乱する心配はない。かえって#s,との聞き分けがはっきりする
くらいである。

14近藤 貴夫:2004/04/06(火) 22:12
反舌音は、舌先の圧力に対する反対側の舌根の力の掛かり方の
角度が、歯音などと変わり、真後ろではなく、咽頭の奥のほうに
下がる。単に舌先の位置や形を意識するだけでなく、舌全体の
構えや力の入り方を意識することで、反舌音は分かりやすく
なると思う。

15近藤 貴夫:2004/05/18(火) 19:52
通常の範囲のカナでの自己流表記案

母音
ア、アー、イ、イー、ウ、ウー、ヰ、ヰー、ル、ルー、エー、アイ、オー、アウ、アン、アハ

※/$r/音は、「リ」と書くと/ri/と混同するし、母音のような気がしないので、敢えて「ヰ」を
採用しようと思う。/$l/音は「ル」としても/lu/とは混同しないように別な手段をとる。それに
あまり出現しない音である。
※/\m/音は、閉鎖をどこにも作らないか後続の子音に従うという意味で、日本語のカナの「ン」が
非常に相応しい。/\h/音は、先行の母音に従って、「ハ」「ヒ」「フ」「ヘ」「ホ」を使い分ける。
但し、/@$r\h/の場合は「ヰーヒ」とする。

16近藤 貴夫:2004/05/18(火) 20:09
/k/,/kh/ (子音に先行するか語末)→ク
カ、カー、キ、キー、クゥ、クゥー、クヰ、クヰー、クル、クルー、ケー、カイ、コー、カウ

※有気/無気は書き分けしない。
※単独だと「子音だけ」に使われるウ段・イ段の文字に本当に母音が付く場合は、小さな「ゥ」
「ィ」を後続して区別する。但し、「ト」「ド」に関しては、オ段の短音がサンスクリットに
存在しないため、「トォー」「ドォー」という表記はしない。

/g/,/gh/→グ
ガ、ガー、ギ、ギー、グゥ、グゥー、グヰ、グヰー、ゲー、ガイ、ゴー、ガウ

※/$l/,/@$l/音は、/k/以外の子音に続いて現れることが原則としてないため、今後省略する。

/ n/ →ン

※/ n/に母音が後続することは滅多にないので省略。語尾に「ン」があれば、/\m/,/~m/,/ n/
のいずれかである。もし母音が後続すれば、ンガ、ンガー、・・・とする他ない。

17近藤 貴夫:2004/05/18(火) 20:25
/c/,/ch/ →チ
チャ、チャー、チィ、チィー、チュ、チュー、チヰ、チヰー、チェー、チャイ、チョー、チャウ

※/ci/を「チィ」とするのは>>16の原則に依るものである。

/j/,/jh/ →「ヂ」
ヂャ、ヂャー、ヂィ、ヂィー、ヂュ、ヂュー、ヂヰ、ヂヰー、ヂェー、ヂャイ、ヂョー、ヂャウ

※「ジ」を使うと単なる摩擦音のようで、「チ」の有声音のような気がしないので、敢えて「ヂ」を
復活させる。

/%n/ →「ニ」。次が同調音点子音なら「ン」
ニャ、ニャー、ニ、ニー、ニュ、ニュー、ニェー、ニャイ、ニョー、ニャウ

※/%n/が異調音点の子音に先行することは滅多にないので、「ニィ」「ニィー」という
表記は作らないことにする。後で書くように、/nya/などは「ニヤ」と「ヤ」を大きく
書くので、/%na/とは区別される。

18近藤 貴夫:2004/05/19(水) 01:15
/#t/,/#th/,/t/,/th/ →ト
タ、ター、ティ、ティー、トゥ、トゥー、トヰ、トヰー、テー、タイ、トー、タウ

※反舌音と歯音の区別を、続く母音の音質から書き分けようという向きもあるが、ここは
四種類の子音を区別なくまとめてしまう。

/#d/,/#dh/,/d/,/dh/ →ド
ダ、ダー、ディ、ディー、ドゥ、ドゥー、ドヰ、ドヰー、デー、ダイ、ドー、ダウ

/#n/,/n/ →ヌ。次に同調音点の閉鎖音が続くときは「ン」
ナ、ナー、ニ、ニー、ヌゥ、ヌゥー、ヌヰ、ヌヰー、ネー、ナイ、ノー、ナウ

※/n/,/#n/ではっきり終わる単語は、/\m/や/+n/と区別して「〜ヌ」でカナ表記する。

19近藤 貴夫:2004/05/19(水) 01:19
/p/,/ph/ →プ
パ、パー、ピ、ピー、プゥ、プゥー、プヰ、プヰー、ペー、パイ、ポー、パウ

/b/,/bh/ →ブ
バ、バー、ビ、ビー、ブゥ、ブゥー、ブヰ、ブヰー、ベー、バイ、ボー、バウ

/m/ →ム
マ、マー、ミ、ミー、ムゥ、ムゥー、ムヰ、ムヰー、メー、マイ、モー、マウ

※これまでに挙げた原則通り。


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