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継続:科学と疑似科学を判別する

535Ken:2025/10/18(土) 20:46:07 HOST:softbank126026080234.bbtec.net
前回は18世紀の光波動説と現在のID論が、どういう観測事象を根拠としたかを述べました。今回は2つの説が追及すべき課題を考察します。

過去の地球で起こった進化の中には知的な干渉が含まれるとするID論が、明らかにするべき課題は何でしょうか? それは具体的な干渉の方法と、干渉者の正体であるはずです。何者がいかにして特定の進化を導いたのか、です。

時計作りのアナロジーが示すように、人間の行為を元にIDが発想されたのなら、干渉の方法は人間の方法がまず想像されるべきでしょう。特定の形質をもつ個体群を優先的に繁殖させるやり方です。もし恐竜から鳥への進化が知的干渉の結果なら、より強い翼を持ったり、より体重の小さい個体を意図的に繁殖させたことになる。以前に述べたように、走行生物と飛行生物では、優位性を生む条件が反対になります。

走行に有利 = 太くて長い脚、小さい翼、低い重心 = 飛行に不利
飛行に有利 = 短く軽い脚、大きな翼、高い重心 = 走行に不利

それゆえ干渉者は、恐竜が飛行生物として野生環境で自立できるほどに変化するまでは、対象の個体群を保護せねばなりません。人類が行ってきた品種改良はそういうものです。

では、そのような干渉を実行したのは何者でしょうか? これについては、まったく手がかりがありません。それが今のID論の弱点になります。

次は光波動説です。ID論における干渉者に相当する、光波動説が明らかにするべき点は何でしょうか?

いうまでもなく波を伝える媒質です。知的干渉者なくしてIDが成立しないように、媒質なくして波動は成立しないからです。そして18世紀までの光波動説は、これをまったく解明できませんでした。波動説がやったのは、とにかく光を伝える媒質はあるはずという前提から出発して、媒質を「エーテル」と名付けただけです。それではID論が正体不明の干渉者を「エーテル人」と名付けて済ませるのと変わるところがありません。

ここまでは光波動説とID論は同じ問題を抱えています。しかし、両者はここからが違います。

知的干渉者の正体を提示できないのは、ID論には「積極的に肯定する根拠がない」ことを意味します。肯定する根拠はないが「そんなものはありえない」とする根拠もありません。人類と同程度の知性をもつ生物が、鳥が発生した1億年前にいたと考えても、それと矛盾する物理法則も化学法則もありません。

エーテルは違います。光の速度を実現するほどの弾性と密度をもつ物質が空間を充たすという想定は、当時確立していたニュートン力学と両立できないのです。この矛盾に直面した人々は、エーテルは無抵抗で物体を透過するとか、エーテルには質量がないなどと言いましたが、それ自体に矛盾があることを(1)〜(4)で説明しました。波動説を唱えた人々はニュートン力学との矛盾を承知しながら、ニュートン力学を修正できるとも思いませんでした。ホイヘンスもダランベールもオイラーも、波動理論を発展させた人は、ニュートン力学をベースにしています。

繰り返します。ID論の難点は知的干渉者の存在を積極的に肯定する観測事象がないことです。これは光粒子説のFitsや現代宇宙論のダークマターにも言えることです。一方、エーテルの難点は積極的に否定する観測事象があることです。その解決案をなにも思いつかないのに、しかも2重スリット実験以前の観測事象は粒子説で説明できたのに、それでも光波動説を光粒子説の優位に置く人がいました。

なにもID論が絶対に正しいとか、光波動説が荒唐無稽であるとか、そういう判定をしているのではありません。やっているのは相対比較なのです。もしも科学的に正当な手順を踏んだ理論のみ教育してもよいという立場に立つのなら、相対的にそれに適うのは18世紀の光波動説と現在のID論のどちらでしょうか?


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